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第3章 世界編
第65話 新しい力
しおりを挟むドラゴンは再び頭上にいる俺目掛けてファイアブレスを放つ。
ドラゴンから見て、俺とファイアブレスが重なる瞬間___
「【転移】」
俺はドラゴンの足元に転移する。
「どどめだ時雨丸!」
〈これで終わらせてやるのじゃ!〉
俺は地面を強く蹴り時雨丸を頭上に向けて構える。
〈グァッ〉
頭上に構えた時雨丸は、ドラゴンの頭を下から貫いた。
〈下…だと…!?〉
〈主!そのまま両断するのじゃ!〉
「はあぁぁぁぁ!!」
俺は突き刺した時雨丸をそのまま縦に振り下ろしてドラゴンの身体を両断する。
〈我が…人間なんぞに負けるとは…〉
ドラゴンは地面に倒れ、声は脳内に響かなくなった。
「勝った…ドラゴンに勝ったぞ!」
〈さすがなのじゃ主よ!〉
俺は本当に勝ったんだ…!
「ん?」
俺はドラゴンの倒れている場所に何か光るものを見つけた。
「これは…」
〈ドラゴンの鱗じゃよ!防具や武器の素材として有名なのじゃ!〉
「そーゆーことならいつか使うかもだし、【収納】!」
俺はいつか役に立つ日のためにドラゴンの鱗を亜空間に収納した。
《初回クリアな為、クリア報酬が与えられます。
奥の祭壇にお進み下さい》
ダンジョン攻略のアナウンスが流れる。
《クリア報酬が与えられます》
祭壇が強く光る。
「4つ目の神の欠片…」
俺は報酬の神の欠片を手に取る。
《報酬の受け取りが完了したので帰還致します》
俺の身体は光に包まれ、地上へと帰還される。
今思えば、この帰還も転移と同じ原理なんだよな。
さすが神の作ったダンジョンだ。
「神の欠片を手に入れたし、早速帰って試してみよう」
俺は神の欠片を試すべく、ダンジョンからは真っ直ぐ宿へ帰った。
「【取り出し】!これで4つ目…やっと半分か」
俺は神の欠片を取り出し、蓋を開ける。
「あいつに勝てる切り札が手に入るといいんだが…」
俺は4つ目の神の欠片を飲み干した。
「ルイストリア様、お早い再開ですね」
ネルフェがお辞儀をして出迎えてくれる。
「確かに、カインウェルダンジョンを攻略してからまだ1週間しか経ってないからね」
その間に嫌になるほど色々とあったけどね…
「心中お察しします…」
「あはは、ありがとう」
ネルフェって一応俺の部下だよね!?
部下に心配される上司って悲しくないか!?
「おっほん、それで、今回手に入れた能力はどんなのなんだ?」
「ルイストリア様の状況は理解しております。
今回手に入れた能力であれば、その戦況を大きく変えることが可能かと存じます」
「本当か!?」
「はい。今回手に入れた能力は全属性の超級魔術、そして神固有魔術【神の怒り】です」
「超級魔術に神固有魔術…!」
中級魔術までしか扱えなかったのが、超級魔術まで扱えるようになっただけでも大きいな戦力アップだ。
さらにどんな能力にもよるが、神固有魔術【神の怒り】…
決して手に入れて損は無いものだろう。
「神固有魔術【神の怒り】の詳しい能力を教えて欲しい」
「はい。神固有魔術【神の怒り】は簡単に言えば一時的に全能力を上昇させる魔術です」
「それはかなりすごいな!」
「ですが、デメリットもあります。
1度発動されると暴走状態に入り、感情のまま動くことになります。そして解除方法は、魔力切れです」
「なんか難しそうだな…」
つまり、使えば大幅強化されるが、理性が効かなくなり魔力が切れるまで続くと…
これは慎重に使い時を考えないとだな。
「そろそろ時間です」
「ああ、次に会うのを楽しみにしてるよ」
俺はネルフェに手を振って別れを告げた。
翌朝…
「明日がいよいよ最終試験…」
みんなには今日の夜、警備隊長がデスティザークの4thだということを伝えるつもりだ。
明日の最終試験試験、本当に乗り切れるのだろうか…
正直まだ強くなったという実感が湧かない。
神固有魔術【神の怒り】の能力も試してみたいのだが、今使うべきではない気がする。
明日いきなりぶっつけ本番になるだろう。
超級魔術くらいは今日のうちに試しておこうと思う。
それと、【転移】についてももう少し詳しく調べようと思う。
「おはよう」
「おはようルイス。
昨日訓練から帰ってきたらもう既に寝てたからびっくりしたよ」
「夜ご飯ルイスがいなくて寂しかったんだからね!」
俺は昨日、宿に戻り神の欠片を飲んだ後そのまま気を失って寝てしまった。
神の欠片を飲むタイミングをもう少し考えないとだな。
その後は朝食を終え、みんなは訓練をしに先に出かけた。
「さてと、そろそろ俺も出発しますか___って…そういえば最近見てなかったな」
バックから予言書がこぼれ落ちる。
俺はこぼれ落ちた予言書を広い何となく中を開いてみる。
「予言書がある限り負けることは無いだろうが、少し気になるな…」
俺は今現在の状況をしてしてあるページを開く。
〈君は力を求めサルディニアダンジョンを攻略。
その後手にした力でバイルス・コート、警備隊長でありデスティザーク4thである彼女と戦闘。
何とか勝利を手にするものの、その戦闘によってアオ・サトラムが死亡する。
その後君はみんなを連れてサルディニアダンジョンを___〉
(※文字の上に・が着いているものを赤い文字で書かれているものとします)
俺は書かれている文字に驚きを隠せず、本を地面に落とす。
「は?どういうことだよ…アオが死亡する…?」
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