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第3章 世界編
第85話 ライクリックダンジョン(2)
しおりを挟む「じゃあまずは3、4階層までさくっと進んじゃいましょ!」
「「「おおーー!!」」」
「じゃあ開けるウキッ!」
ボッパーが扉に手をつけ、ゆっくりと慎重に扉を開けていく。
「そんなに初めてのダンジョンでも緊張することは無いウキッ!何かあったらおいらに任せるウキッ!
(彼らは初めてのダンジョンみたいだから、おいらがしっかりとサポートするウキッ!)」
「はい!頑張ります!
(ライクリックダンジョンは初めてだけど、ボッパーが居れば問題なく攻略できそうだな!)」
俺たちはボッパーを先頭に、ライクリックダンジョンの奥へと進んで行った。
「1階層はボーンラビットが出るウキッ!自慢の1本角で突進してくるから、前にさえいなければ勝てるウキッ!」
「待って!何かいるわ!」
「ブッブッ…」
「早速ホーンラビットのおでまし…ウキッ!?」
俺たちの前に現れた魔物は、一見するとただのホーンラビットに見える。
しかし、よく見るとホーンラビットよりはひと回り大きく、頭には1本ではなく2本の角が生えている。
「あれは…ホーンラビットの変異種、ツインホーンラビット、ウキ!?」
「「「変異種!?!?」」」
変異種なんかもいるのか…
ドラゴンの変異種とかいたりして…?
いるなら是非とも戦ってみたいな。
「変異種でも関係ないわ!さくっと倒すわよ!」
「待つウキッ!」
メリアはボッパーの声を聞かずにツインホーンラビット目掛けて走り出す。
「そいつはただのホーンラビットと比べ物にならないほど強いウキッ!ここは一旦引いて___」
ツインホーンラビットが突進の構えをする。
「ブブッ!」
「あんたの攻撃なんか、当たらないわよ!」
ツインホーンラビットの突進にタイミングを合わせ、華麗に避けるメリア。
そして避けた体勢のままツインホーンラビットの頭を切り落とす。
「体制を…整え…ウキッ!?!?」
「あまり強くなかったわね!」
「すごいウキッ!(この子本当に新人ウキッ!?なんて強さウキ!?もしかしたらおいらより強いウキ!?)」
「当たり前よ!(初心者に優しいダンジョンって聞いてたけれど、これくらいなら余裕で攻略出来そうわね!)」
「このペースでどんどん奥に進むウキッ!」
「「「おおーー!!」」」
それから俺たちは1階層を順調に突破した。
少し気になる点があるとすれば、ホーンラビットではなくツインホーンラビットばかり出会ったことくらいだ。
この世界では変異種はそれほど珍しくは無いのかもしれないな。
しかし、異変に気づいたのは2階層に進んだ時だった。
「グルルルル……」
俺たちの前に数体の魔物の群れが現れる。
「あの魔物は…ハイウルフ、ウキッ!?
おかしいウキッ!本来なら2階層はウルフのはずウキッ!」
「どんな魔物であろうと倒すまでよ!」
「メリア、次は僕の番だよ!【ウィンドストーム】!」
アートはウルフの群れの中央に【ウィンドストーム】を放つ。
「キャンッ…」
【ウィンドストーム】は取りこぼすこともせずにウルフの群れを巻き込む。
「(なんだこの魔術の威力ウキッ!?【ウィンドストーム】は上級魔術、それを使えるってことは上級魔術師か風魔術師ウキッ!?こんな子供がウキッ!?)」
「終わったよ」
「す、すごいウキッ!」
「次私…」
「じゃあその次は俺だ」
「さっ!先へ進みましょ!」
それから俺たちは2階層も順調に進む。
ボッパーが言うには、2階層に出る魔物は本来ウルフらしいが、出てきた魔物はハイウルフだけだった。
しかし、俺たちはハイウルフなどには苦戦することなく3階層へ続く階段を見つけた。
ひとつ気になることがあると言えば、ボッパーの様子が少しおかしいように感じられた。
なんだか怖がっている?ような様子だった。
そして俺たちは3階層へ進もうとしていた。
「いよいよ3階層ね!」
「次が少し厄介らしいから気を引き締めていこう!」
「私に任せなさい!それじゃあ行くわよ!」
「まっ、待つウキッ!」
俺たちが先へ進もうとした時、ボッパーが呼び止める。
「何か…様子がおかしいと思わないウキッ…?」
「「「様子?」」」
「普通じゃないかしら?」
ボッパーの顔色が変わる。
まるでこの後死が待ち受けているような、そんな顔をしている。
「おかしいって具体的にどこが?」
「出現する魔物が変異種や上位種、明らかにダンジョンの難易度が高くなってるウキ…。
もしかしたら…これはレベルエンハンスウキ…!!」
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