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第7話
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城壁の上から、新国王と鎧を着た将軍が様子をうかがっている。
王都のあちこちから火の手が上がり、悲鳴が聞こえてきた。
「どういうことだ!? どうして突然モンスターどもが襲ってきたのだ!?」
「はっ! どうやら北の森のモンスターは、これまではドラゴンの存在に怯え、森から出てこなかったようでして……」
「つまりどういうことなのだ!?」
「竜騎士団がいなくなったことで、奴らは攻めてきたもの――グハァッ!?」
風を切って飛来した一本の矢が、将軍の喉元に突き刺さった。
石畳の上に将軍が倒れこんだ。
ヒーヒー空気が漏れると、赤い血溜まりが広がった。
「ひっ、ヒイアアアァァ!?」
新国王は兵士たちを見捨て城内へ逃げ帰った。
「こ、こうなったら籠城だ! 急いで城門を閉めよ! 跳ね橋を上げるのだ!」
しかし、城門は街から逃げてきた民衆で溢れ返り、とても閉めることは出来ない。
それでも無理に閉めようとした兵士と民衆の間で争いが始まった。
殴り合い、ついには槍で刺し、剣で斬ってしまった。
それが民衆の怒りに火をつけた。
「兵士の使命は、国民を守ることじゃなかったのかァァ!」
怒りの矛先が、モンスターから兵士へ、さらに新国王へと変わった瞬間だった。
こうなるともう反乱の勢いは止まらない。
背中をドラゴンに押されたモンスターと同じだった。
今度は、背中をモンスターに押された民衆が城内を駆け上がり、つい一月前、広場で熱狂的な声援を送りながら見上げていた新国王に対し詰め寄っていた。
宰相も大臣も、近衛兵も騎士も、もう誰も手を出せない。
人の波に飲まれていた。
新国王が金切り声を上げる。
「き、貴様らァァ、ここがどこだと思っているゥゥ!」
どれだけイケメンだろうと、もう新国王の言葉を聞く者はいない。
逆に、
「竜騎士団はどうしたんだァァ!?」
「あんたが解散なんてするから!」
「早くモンスターをどうにかしろォォ!」
「出来ないならすぐに竜騎士団を呼び戻してェェ!」
鬼気迫る表情の数々。
新国王は恐怖で後ろに下がった。
王都のあちこちから火の手が上がり、悲鳴が聞こえてきた。
「どういうことだ!? どうして突然モンスターどもが襲ってきたのだ!?」
「はっ! どうやら北の森のモンスターは、これまではドラゴンの存在に怯え、森から出てこなかったようでして……」
「つまりどういうことなのだ!?」
「竜騎士団がいなくなったことで、奴らは攻めてきたもの――グハァッ!?」
風を切って飛来した一本の矢が、将軍の喉元に突き刺さった。
石畳の上に将軍が倒れこんだ。
ヒーヒー空気が漏れると、赤い血溜まりが広がった。
「ひっ、ヒイアアアァァ!?」
新国王は兵士たちを見捨て城内へ逃げ帰った。
「こ、こうなったら籠城だ! 急いで城門を閉めよ! 跳ね橋を上げるのだ!」
しかし、城門は街から逃げてきた民衆で溢れ返り、とても閉めることは出来ない。
それでも無理に閉めようとした兵士と民衆の間で争いが始まった。
殴り合い、ついには槍で刺し、剣で斬ってしまった。
それが民衆の怒りに火をつけた。
「兵士の使命は、国民を守ることじゃなかったのかァァ!」
怒りの矛先が、モンスターから兵士へ、さらに新国王へと変わった瞬間だった。
こうなるともう反乱の勢いは止まらない。
背中をドラゴンに押されたモンスターと同じだった。
今度は、背中をモンスターに押された民衆が城内を駆け上がり、つい一月前、広場で熱狂的な声援を送りながら見上げていた新国王に対し詰め寄っていた。
宰相も大臣も、近衛兵も騎士も、もう誰も手を出せない。
人の波に飲まれていた。
新国王が金切り声を上げる。
「き、貴様らァァ、ここがどこだと思っているゥゥ!」
どれだけイケメンだろうと、もう新国王の言葉を聞く者はいない。
逆に、
「竜騎士団はどうしたんだァァ!?」
「あんたが解散なんてするから!」
「早くモンスターをどうにかしろォォ!」
「出来ないならすぐに竜騎士団を呼び戻してェェ!」
鬼気迫る表情の数々。
新国王は恐怖で後ろに下がった。
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