【完結】異世界の記憶を思い出した幼馴染で自称(大)聖女の姉が「魔王退治に行く!」と言い出しました。

野良豆らっこ

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第7話

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「はぁ~、失礼しちゃうわ、この神殿。1年は近づいてあげないんだから!」

「まあ、どのみちクラスチェンジできるのは1年後だから、1年は近づく必要ないんだけどね」


 神殿の長い参道に出店している屋台で、串に刺さったスライモ焼きを購入した。
 食べ歩きをしながら、今後の方針を相談する。


「でも姉さん、実際これからどうするの? 聖女ともなれば各地の神殿や教団から引っ張りだこだとは思うんだけど……嫌なら一度、村に帰る?」

「はぐっ! もひろん、魔王討伐するわほぉ!」

「えー、まだ言ってるのー」

「ははら何度も言ってるへしょ」


 ゴクリ、と姉さんはスライモ焼きを飲みこんだ。


「前世で死んだわたしは、神様に会って、聖女の力を授けてもらう代わりに、この世界の魔王を倒すよう頼まれたんだって。確か、30年以内に倒さないと世界が滅びるとか」

「それかなりヤバい状況だよねっ!?」


 世界が滅びるとかおかしいでしょ。


「またまた、姉さん流石にそれは盛り過ぎというか冗談――」

「ううん、本当。思い出してきた。だから、わたし聖女としても最初から色んな能力を与えられてるの。つまり聖女は聖女でも、そんじゃそこらの聖女とは違う――そう、わたしはいわば……大聖女なんだよっ!」

「急に安っぽい!」


 とはいえ、とはいえだ……。
 そういえば、最初から広範囲に高レベルのヒールみたいなのを使っていた。
『白い抱擁』だっけ?
 成人の儀式を受けてすぐというのは、流石にありえない。
 普通はもう少し修行してから……


「えっと姉さん、その話が本当なら、やっぱり姉さんは勇者と旅をした方が」

「嫌よ、知らない人と旅するなんて」

「そりゃ、勇者とは初めて会うんだから知らない人なんだろうけど……」


 姉さんが赤い顔して頬を膨らませた。


「あ、ああ~、そうだった! というか、すっかり忘れてた。ごめん、ユフィ姉さん、こんなだけど人見知りなんだっけ!」


 田舎の村は、魔物でも出ない限り、滅多に外部の人が訪れないので、姉さんの人見知りが発動することはほとんどなかったのだ。
 だから、最初のころは大変だった。


「こんなとは何よっ!?」


 おそらく、記憶は失っていても、幼少時の馬車の襲撃で、よほど恐ろしい目に遭ったのだろう。
 初めて会う人に対して、トラウマになっているんだと思う。
 そしてそれは今も治っていない。
 心の傷なのだ。


「じゃ、どうするの姉さん。いくら姉さんが聖女――」

「大聖女っ!」

「あー、大聖女でも、僕と2人だけじゃ魔王は倒せっこないよ?」
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