17歳の夏の思い出

小雪の茶屋

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夏は嫌いだ

計画

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これから始まる物語は僕が最後の夏に体験した、友人達とのかけがえのない思い出であり、僕が生きていたというまぎれもない事実。まだ、生きていられたらどんなに幸せだったのであろうかー・・・






7月20日(水)夏休み一日前である。この話の主人公である僕、中嶋海翔(なかじまかいと)は少し都会な街にある遠山高等学校(とおやま)に通っており、この学校では明日から夏休みなのである。
「かーいとっ!おひさー!明日から夏休みだねぇ、海翔は何か予定とかあんのー?」
こいつは、僕の幼馴染み、綾部千春(あやべちはる)である。いつも異様にテンションが高いので、正直対応に困っている。
「おひさ!って、昨日も会ったばっかりだろうが。」
"コツッ"
「いてっ。海翔ってっば、別に叩かなくてもいーじゃーん!」
「叩いたって、ちょっとコツんとしただけだろ。」
「何いってんのさ、レディに・・・」
「おいおいお前らー、まーたイチャイチャしてんのか?」
「あっ大将!」
今割り込んできたのはニックネームの通り、中山大将(なかやまたいしょう)。体と名前のせいか、幼稚園のときからずっと大将と呼ばれているらしい。
「大将聞いてよー!海翔ってば、あたしのこと叩いてきたーー!」
「何だと?海翔よぉ、未来の嫁さん候補に手出したらいけねぇだろ」
「嫁候補??!千春がぁ?冗談じゃない・・」
「そうだぞ大将!海翔は僕みたいな人じゃないと好きにならないぞ!」
「蒼哉、言っとくが、お前も対象外だ。」
こいつは・・・はぁ、自分で言いたくないが僕の事を大好きな白山蒼哉(しらやまそうや)。正直、ホモとしか思った事がない。
「なんでだよ海翔ぉ・・」
「普通に考えてお前は外だろ。悪いが僕はもう帰るぞ。」
こいつらといると話が長くなりそうだったので、先に帰る事にした。


しかし、そんな事が出来るはずもなく・・・
「おい、お前等・・・何でついてきてるんだよ!ストーカーか!!!」
「「「ひぃぃっっ!」」」
怒鳴りながら後ろを向いた瞬間、電柱の陰に隠れていた千春達が一斉に倒れた。
「ったく、気づかれてないとでも思ったのか?」
"コクり"
全員が同時にうなずく。
「お前等なぁ・・」
呆れてしまって、声も出なかった。
「言っとくが、僕は夏休みには絶対遊ばないぞ!」
3人とも追いかけてこようとしていたが僕はそれを無視して、家に帰った。当たり前だ、僕は本当に夏が嫌いでいい思い出なんてひとつもない。
そう、ひとつも・・・
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