1 / 1
夏は嫌いだ
計画
しおりを挟む
これから始まる物語は僕が最後の夏に体験した、友人達とのかけがえのない思い出であり、僕が生きていたというまぎれもない事実。まだ、生きていられたらどんなに幸せだったのであろうかー・・・
7月20日(水)夏休み一日前である。この話の主人公である僕、中嶋海翔(なかじまかいと)は少し都会な街にある遠山高等学校(とおやま)に通っており、この学校では明日から夏休みなのである。
「かーいとっ!おひさー!明日から夏休みだねぇ、海翔は何か予定とかあんのー?」
こいつは、僕の幼馴染み、綾部千春(あやべちはる)である。いつも異様にテンションが高いので、正直対応に困っている。
「おひさ!って、昨日も会ったばっかりだろうが。」
"コツッ"
「いてっ。海翔ってっば、別に叩かなくてもいーじゃーん!」
「叩いたって、ちょっとコツんとしただけだろ。」
「何いってんのさ、レディに・・・」
「おいおいお前らー、まーたイチャイチャしてんのか?」
「あっ大将!」
今割り込んできたのはニックネームの通り、中山大将(なかやまたいしょう)。体と名前のせいか、幼稚園のときからずっと大将と呼ばれているらしい。
「大将聞いてよー!海翔ってば、あたしのこと叩いてきたーー!」
「何だと?海翔よぉ、未来の嫁さん候補に手出したらいけねぇだろ」
「嫁候補??!千春がぁ?冗談じゃない・・」
「そうだぞ大将!海翔は僕みたいな人じゃないと好きにならないぞ!」
「蒼哉、言っとくが、お前も対象外だ。」
こいつは・・・はぁ、自分で言いたくないが僕の事を大好きな白山蒼哉(しらやまそうや)。正直、ホモとしか思った事がない。
「なんでだよ海翔ぉ・・」
「普通に考えてお前は外だろ。悪いが僕はもう帰るぞ。」
こいつらといると話が長くなりそうだったので、先に帰る事にした。
しかし、そんな事が出来るはずもなく・・・
「おい、お前等・・・何でついてきてるんだよ!ストーカーか!!!」
「「「ひぃぃっっ!」」」
怒鳴りながら後ろを向いた瞬間、電柱の陰に隠れていた千春達が一斉に倒れた。
「ったく、気づかれてないとでも思ったのか?」
"コクり"
全員が同時にうなずく。
「お前等なぁ・・」
呆れてしまって、声も出なかった。
「言っとくが、僕は夏休みには絶対遊ばないぞ!」
3人とも追いかけてこようとしていたが僕はそれを無視して、家に帰った。当たり前だ、僕は本当に夏が嫌いでいい思い出なんてひとつもない。
そう、ひとつも・・・
7月20日(水)夏休み一日前である。この話の主人公である僕、中嶋海翔(なかじまかいと)は少し都会な街にある遠山高等学校(とおやま)に通っており、この学校では明日から夏休みなのである。
「かーいとっ!おひさー!明日から夏休みだねぇ、海翔は何か予定とかあんのー?」
こいつは、僕の幼馴染み、綾部千春(あやべちはる)である。いつも異様にテンションが高いので、正直対応に困っている。
「おひさ!って、昨日も会ったばっかりだろうが。」
"コツッ"
「いてっ。海翔ってっば、別に叩かなくてもいーじゃーん!」
「叩いたって、ちょっとコツんとしただけだろ。」
「何いってんのさ、レディに・・・」
「おいおいお前らー、まーたイチャイチャしてんのか?」
「あっ大将!」
今割り込んできたのはニックネームの通り、中山大将(なかやまたいしょう)。体と名前のせいか、幼稚園のときからずっと大将と呼ばれているらしい。
「大将聞いてよー!海翔ってば、あたしのこと叩いてきたーー!」
「何だと?海翔よぉ、未来の嫁さん候補に手出したらいけねぇだろ」
「嫁候補??!千春がぁ?冗談じゃない・・」
「そうだぞ大将!海翔は僕みたいな人じゃないと好きにならないぞ!」
「蒼哉、言っとくが、お前も対象外だ。」
こいつは・・・はぁ、自分で言いたくないが僕の事を大好きな白山蒼哉(しらやまそうや)。正直、ホモとしか思った事がない。
「なんでだよ海翔ぉ・・」
「普通に考えてお前は外だろ。悪いが僕はもう帰るぞ。」
こいつらといると話が長くなりそうだったので、先に帰る事にした。
しかし、そんな事が出来るはずもなく・・・
「おい、お前等・・・何でついてきてるんだよ!ストーカーか!!!」
「「「ひぃぃっっ!」」」
怒鳴りながら後ろを向いた瞬間、電柱の陰に隠れていた千春達が一斉に倒れた。
「ったく、気づかれてないとでも思ったのか?」
"コクり"
全員が同時にうなずく。
「お前等なぁ・・」
呆れてしまって、声も出なかった。
「言っとくが、僕は夏休みには絶対遊ばないぞ!」
3人とも追いかけてこようとしていたが僕はそれを無視して、家に帰った。当たり前だ、僕は本当に夏が嫌いでいい思い出なんてひとつもない。
そう、ひとつも・・・
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる