旦那様は獣 〜比喩でなく〜

一 千之助

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 玩具との遭遇

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「……んぅ。……はあ」

「大丈夫か? 慣れるまでしばらくかかるから。ほら、来い」

 大きなラウルにすっぽりと抱き込まれ、低く呻く千里。恥骨のすぐ裏から臍の上まで、体内のスライムがごちゅごちゅ蠢いている。
 微かに震えて身体を固くする彼女の頭を撫で、ラウルは優しく話しかけた。

「中の排泄物を掃除している間はすごく動くんだよ。それが終われば結腸辺りで止まって、常に体内を綺麗にしてくれるから」

 ……なるほど。

 ふうふう息を荒らげて耐える千里。とんでもない目にあったが、結果、彼女は排泄を必要としない身体になれたのだ。ある意味、僥倖か。
 しかし、にゅるにゅる動き回っていたスライムが落ち着いたころ、千里は別の部分に蠢く何かを感じる。

「へあっ?! えっ? ちょ……っ?!」

 くにくにと動く何かが敏感なお豆のすぐ下を探っていた。そして、ぬ……っと体内に呑み込まれていく。

「ひっ?! あ、いやっ! なにぃぃ?!」

 股間を押さえて丸まる千里。それを見て、ラウル達は安堵に顔を緩めた。

「定着したな。もう大丈夫だ。スライムの触手が尿道にも入ったんだよ。これで煩わしい生理現象から解放されるよ?」

 ……に、尿道ぉぉおっ? いや、動いてる、動いてるってぇぇーっ!!

 じゅぶじゅぶ潜り込む容赦ない触手。それが最奥で千里の膀胱をノックするように暴れている。ふわっと中の空く感触が訪れ、彼女はラウル達の言葉の意味を知った。
 体内の小水をスライムが吸収してくれたのだろう。あれほど凄まじかった尿意が、すう……と遠ざかる。

「こ……っ、これって、ずっと入ってるの?」

 情けない顔に滲む涙。うっすら火照った千里の顔に魅入り、三人は軽く咳払いをした。

「……ずっとだ。……そういや、女の場合はどうなんだ? 俺等は欲情すると触手が逃げていくが」

「ああ、どうなんだろ? 教会にでも聞かないとわからないな。女なんて滅多に見ないし?」

 男性らの精はスライムにとって天敵だ。糧として排泄物を好むスライムでも、受精したら獣人の遺伝子に己の身体を奪われる。なので粘液を出して必死に精を殺そうとする本能で、尿道にカウパーが滲むと急いで触手は逃げ出していく。
 それで、性交も問題なく行える獣人の日常。
 ちなみに結腸辺りに棲み着くスライム本体は、性交によって注がれる精に悶絶し、最奥で暴れまわる。死物狂いなスライムの蠢きと突き上げられる快感で、受け入れる側の獣人はイきっぱなしにされるとか。

 ……うわあ。知りたくなかった、それぇ。

 うっうっと涙をちょちょぎらせ、異世界の洗礼に耐える千里。彼女の受難は、まだこれからだった。



「チイ? 気分はどうだ? 食事は食べられそうか?」

 夜営を始めたキャラバンで配られる食事を手に、ヒューが馬車の中を窺った。
 スライムを挿れてから半日。千里はスライムの悪戯にイかされ、ぐったり横たわっている。
 この極悪スライム、小水だけに飽き足らず、彼女の隘路にも潜り込んで溢れる蜜をすすりだしたのだ。
 異常な辱めの連続で潤っていた彼女の花園。それに気づいたスライムは触手を伸ばし、身悶える千里が反応する部分を執拗に弄くり回した。
 スライムは生き物の排泄物や分泌物を糧とする。女性の番を持つ男性しか知らないが、その中でも最上の滋養が女性の滴らせる蜜なのだ。
 これはスライムを興奮させる媚薬の役目も果たし、新たな蜜を搾り取るため、スライムは意図して女性の弱いところを責めまくる。
 男性らが何もせずとも女は絶頂し、一日中、スライムの責め苦で熱く身体を蕩けさせる。。地球でいうなら濃厚な触手プレイだ。
 夢心地で極上な妻の嬌態を堪能しつつ、既に準備万端に出来上がった身体を貪るのが夫達の密かな愉しみになっている。
 こんなんで女が長生き出来るはずもなく、たいてい体力の落ちる四十代半ばには儚くなるオウチの女性。獣人でもそうなのだから、ただの人間である千里などひとたまりもない。

 男性らに関係のない事象で苦しむ千里を見て、ラウルらはオロオロ狼狽えた。

「どうしたら………? スライムが、こんなことするなんて知らなかったよ」

「……まいったな。イきっぱなしは閨だけで良い。こんなんじゃ、脆いチイは死んでしまうぞ?」

「閨でもイきっぱなしはキツいっ! ラウル達、容赦ないから、俺、いつも半日ぐらい起きられなくなるしっ! チイ、辛いな? 待ってろ…… ん……」

 心配げな顔で千里にかぶさるショーン。彼は前をくつろげ、取り出した御立派様を軽く扱くと無理やり勃たせた。そしてそれをスライムの触手に押し付ける。
 ぐちゅぐちゅと千里の隘路を貪っていた触手達は、彼の精を敏感に感じ取り、びゃっと蕾の中へ逃げ込んだ。
 終わりのない責め苦にイかされ続けていた千里の顔が安堵の溜め息とともに淡く緩む。
 しかし、それも束の間。獲物の極上な味を知ってしまったスライムは、にゅるっと触手を伸ばし、再び千里を貪ろうと出てきた。

「……こいつっ!」

 ただの道具でしかないと思っていた生き物の反逆。忌々しげな顔で睨みつけるショーンの肩を叩き、ヒューがニヤリとほくそ笑む。
 
「任せろ、コレを使う」

 ヒューの手にはある道具とハーネス。閨で使うモノだが、今はこれが一番安全だと、彼は朦朧とした千里のお尻に道具を捩じ込んだ。
 ぐぷっと押し込まれた道具の与える痛みが、スライムの責め苦にイきまくり過ぎて、ぼうっとしていた千里の意識を取り戻させる。

「ひいっ? 痛っ! 痛いっ!!」

「我慢しろ、力を抜けよ?」

 捻じるように押し開かれ、限界を越えて満開にされた蕾の縁が悲鳴を上げた。みちみちと狭い肉壁を貫く太い道具。それは男性の型を模した短いディルドウである。

「ひあっ?! あっ、あーーーーっ!!」

 いきなり突っ込まれた太い玩具に泣き喚く千里を、ショーンがしっかり抱きしめた。スライムの粘液でヌルヌルな千里のお尻は、その蹂躙を阻めない。
 
「大丈夫、気を楽にして? そんなに大きくないから。入るよ、大丈夫」

 ぎゅっと抱きしめながら千里の耳元で囁くショーン。だが、その視界に映る淫らな光景が、彼のモノを硬く荒ぶらせた。
 柔らかな黒髪を掻き混ぜるよう必死に宥めるショーンに抱かれた千里のお尻に、根本まで埋め込まれる玩具。それをヒューがハーネスで固定し、外れぬようにする。

「これで触手は出てこれない。よく我慢したな? 偉いぞ、チイ」

 抱き合って震える二人を、まとめて抱きしめるようにかぶさるヒューが、心底安堵した声で彼女に囁いた。
 無理やり割られたお尻がじんじん疼く。火傷のように深く染み入り、なくらならない痛みで、千里はポロポロ泣いた。

 ないわーっ!! なんで、アタシがこんな目にぃぃーっ!!

 土下座して顔の見えなかったオウチの神らしい誰かを、心の底から毒づく千里である。


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