耽溺の森 〜だから僕らは森から出ない〜

一 千之助

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 耽溺の森 6

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『待って、待って、待てってぇぇーっ!』

 掌サイズのシリンジ。それに薬液を吸い上げ、ドゥエルはすごく良い笑顔で少年の両手を壁のベルトに拘束した。
 そして器用に敦のズボンを寛げ、滑べらかな双丘を撫で回す。

『ぷりんっとして柔らかいね。そうっとやるから。力を抜いて?』

 言うが早いか、つぷっと差し込まれる筒口。そこからじわりと温かい何かが腹の奥深くに広がり、敦は顔を引きつらせて呻いた。

 なんで僕はコレを今まで素直に受け入れていたんだっ? こんなの酷すぎるっ! やだやだやだぁーっ!! 気持ち悪いよぅぅぅっ!!

『やああぁぁーっ! やめっ! ひーっ!』

『暴れない、暴れない。お腹を綺麗にするだけだから。ほら、呑んで』

 久々に聞いた敦の悲鳴。絶望と羞恥に彩られたソレを耳にして、ドゥエルは脳天から爪先まで劣情で溶けていく。
 やだやだと嫌がれる程度の可愛い調教。ほんの少しの悪戯みたいな優しい行為は敦の許容範囲。この見極めが大切だとドゥエルは思った。
 イヤイヤと首を振る敦を宥め、撫で回して可愛がると少年は死ぬほど恥ずかしそうな顔をする。ちょっと過ぎた悪戯でも、我慢して頑張ってくれる。それがまた、堪らない。
 これやりたさに、スライムを敦の腹から追放したドゥエル。

 あああ、悦ぃ~ぃ声だぁ……… そうか、慣らしたら駄目だったんだな。普段は自由にさせて、たま~に強要する。そうすれば、この可愛らしい声が聞けるに違いない。

 ゆっくり押子で薬液を注入しつつ、とろんと蕩けた眼差しを少年に向けるドゥエル。ドキドキ感満載で御満悦な御主人様に可愛がられ、あまりの恥ずかしさに弱々しい絶叫をあげるしかない敦である。



『ん……ぅ、は…っ、……あっ!』

『うん? まだだよ。我慢ね?』

 またもや毛布に包まれて抱っこされ、敦は涙目である。
 少年は薬液を呑まされたまま栓もされず、ひたすら我慢を強いられていた。自尊心とともに羞恥も蘇ったらしく、された悪戯に上気する顔がドゥエルの股間を熱く猛らせる。

『出ちゃう…ぅ、やだ、もう……っ、無理ぃぃ』

『でも我慢出来るよね? アツシが頑張ってくれて、すごく嬉しい。可愛すぎて舐めたくなっちゃうよ』
 
 言葉通りに涙を舌で救ってやると、ちょっと嬉しげな敦。彼が歓ぶのが少年にも面映ゆく擽ったいらしい。

『……… ん…っ』

 はあはあ息を荒らげ涙目で敦は必死に堪える。その艶めかしい姿に、ドゥエルは胸を高鳴らせた。
 いつものみたく、腹が変形するほど呑ませたわけではない。ほんの少し。三百ほどしか入れていなくても、この扇情的な姿。うっかり粗相してしまうかもしれないという恐怖と、責め苛む腹痛。
 本人に我慢出来る程度のモノにもかかわらず、栓のないことが、その恐怖と羞恥を倍増させる。
 
 ふああぁぁ、色っぽいね。じりじりと伝う涙と汗とか…… ふうふういって蕩けた吐息とか。前はリッターで呑ませても、こんな顔はしなかったなぁ。苦渋で歪みはしても、こんな淡い色気を出したことはなかった。凄絶な絶叫や瀕死の寸前な顔より、こっちのがずっと悦い。

 ふふっと嬉しそうに笑いながら、今までと違う穏やかなドゥエルの調教。別の意味でやり方が深くはなったが、敦を損ないたくない彼は、少年から新たな一面を引き出せる優しい調教がお気に入りになった。

『なんかすごく興奮するなぁ…… 私のために我慢してくれるアツシが可愛くて仕方ないよ。ほら、分かるでしょ?』
 
 ドゥエルは猛り狂う己のモノを、抱いている毛布ごしに敦へ押し付ける。途端にボンっと火を噴く少年。それが、本当に愛しくて愛しくて、彼は花びらが飛び散るように破顔した。

 そんなこんなで、下手に腰を抜かしたり失神したりも出来なくなった敦。そんなことになろうものなら、濃厚な看病が待っている。
 スキンシップは濃厚になったものの、行為そのものは穏やかなため、オロオロする少年。その姿が可愛くて堪らず、ドゥエルのたまの悪戯は、忘れたころに訪れるスパイス的な遊びになっていく。その度に泣き喚く敦を心から堪能する幸せな御主人様。

 そして勿論、その情交も変わる。



「ほら、選んで? プジーが良い? 舐められたい? 指でも良いけど&舐めるよ?」

 にこーっと満面な笑みで宣う御主人様。

 葛藤する少年が愛しい。モジモジうつむきながら、たまにチラリと上目遣いで見られ、ドゥエルの情欲が血管を爆走し始める。

 ああああっ! もーっ! 耐えてるこっちの身にもなろうかっ? 押し倒して問答無用で全身舐め回してやりてぇぇーっ!!

 柔らかな笑みを浮かべた彼の瞳が獰猛に輝く。腹の底から湧き上がる劣情で、己の息が少しずつ上るのを彼は感じた。滾る股間が痛いくらい。

「選べないなら、両方しようね。プジーを入れて舐め回してあげるよ。君って欲張りさんだね」

 いそいそと道具を持ち出され、敦が慌てて顔をあげる。

「舐め…っ、…て?」

 焦燥に駆られた切実な表情。両方されると言われて、さぞ驚いたに違いない。可愛い奴隷に舐めて欲しいと言われ、俄然猛るドゥエルの御立派様。

「そう? アツシは私に舐めて欲しいんだねぇ? 両方でも良いんだよ?」

 にっこり宣う御主人様を見上げ、必死にねだる奴隷様。

「な…っ、舐めて欲しい…っ、ですっ」

 自ら欲する少年。

 ………舐めて欲しいです。舐めて欲しいです。舐めて欲しいです。もううぅぅ、存分に舐めてやりますともっ!! ええっ!!
  
 脳内で敦のおねだりをリフレインさせつつ、ドゥエルは口元をもにょらせ、少年を抱きかかえると寝室へ連れ込んだ。





「……ぅ、ぁっ、……ひあっ!」

 散々舐め回されイかされた敦は、今はうつ伏せで中へと潜り込む何かに背筋を震わせている。その存在を知らしめるかのように、ゆっくり、ゆっくりと進む何か。それはドゥエルの巨大な一物だった。
 抜き差ししつつ最奥を目指して捩じ込まれる塊。性急さはないが、確実に奥を抉じ開けていくソレに、少年は身悶えた。
 ず…っ、と少しずつ深くを押し広げられる感覚。引いては穿つ穏やかな動き。丁寧に丁寧に、じっくり肉襞一枚一枚を開いていく御主人様の一物。もどかしいまでに緩慢な熱い猛りを柔肉一杯に感じさせられ、敦はぶるっと身震いした。

「も…っ、ぁ…っ! 御主人様ぁぁ…っ!」

 はあはあと蕩けた息を途切らせながら、背後からかぶさるドゥエルをぎこちない動きで振り返る少年。それを優しく見つめ、ん? と、彼は目だけで笑った。
 限界なのだと言いたいのだろう。もっと深く突いて欲しいと。もっと激しく動いて欲しいと。
 だがドゥエルは動いてやらない。敦が求めるモノを知っていながら与えない。その方が少年の身体はよく締まるのだ。うねり狂い、ドゥエルを呑み込もうと必死に蠕動する柔肉。これも新しい発見だった。
 だからソレが途絶えぬよう、わざとゆるゆる抜き差しをするドゥエル。

「ああ…… 悦いね。よく締まるお尻だ。可愛いよ、本当に……」

「あっ、あっ! ん…ぅ、あっ?!」

 ずるずる引き出しては、ずずぅ~っと、ゆっくり進め。彼は搾り上げようとする柔肉を堪能する。

 はあ…… 堪らんな、なんだ、コレ。どんだけ使い込んでも狭いままとか。いつでもイけるよ、私ぃぃ!

「ひあっ? ぁ……っ、ああっ?! んく…っ」

 深く、浅くと彼の一物を捩じ込まれつつ、巨大なドゥエルの猛りが敦の悦い処を抉っていく。……しかし、足りない。気をやる直前あたりで、タイミング良くするりと抜ける御主人様の一物。
 そのくせ、敦が必死に愉悦を落ち着けていると、狙ったように悦い処を突き上げるのだ。
 というか、ドゥエルは狙っている。少年をイかさないギリギリな絶妙のラインで焦らしているのだ。もはや涙まみれで焦らしに耐える敦。いや、耐えられない。少年は限界だ。
 ふぐふぐ啜り泣きながら、敦は懇願する。

「イ…っ、いかせて……っ、イかせ…てくだっ、…さい」

 空気を求めるように口をあけ、ビクビク痙攣する少年。だがドゥエルの望む言葉は、それではない。

「あれ? イけない? そうか。どうしたらイけるかな?」

 分かっていながら舐めるように囁くドゥエル。なんとかして己の望む言葉を敦の唇から引き出したい彼。

「もっと……っ、奥ま…でっ、ひゃあぁっ?!」

 少年が口にした瞬間、ドゥエルは、どちゅっと最奥を突き上げた。だが、そこで止まり動かない。疼くの敦の中は、彼の激しい蹂躙を待ち望んでいるのに。キュンキュンと蠢く敦の最奥。

「ここかな? イった?」  

 ……足りない。もう少し。もっと……っ

 無意識に腰を揺らしながら、敦はシーツを握りしめた。シワの寄ったシーツにすがり、少年は再び懇願する。

「あが…っ、あ…っ、も…、もっと…ぉっ」

 まだ足りないのだと口にする敦が、むしゃぶりつきたくなるくらい愛おしい。はあっ、と蕩けた笑みを浮かべ、ドゥエルはゆっくりと己を引き出して、また一気に突き上げてやる。最奥をじっくりと掻き回しては、涙と汗でびっしょりな獲物を愉しげに見下ろした。

 ……あと一歩。

「イけないの? 変だねぇ? こんなに深く入れてあげているのに?」
 
 掻き回しては突き上げ、内部が極まる寸前で動きを止めるドゥエル。想像を絶する色事師の手管に、随喜の涙で溺れる少年。ふぐふぐと嗚咽をあげて、なんとかイこうと必死に腰を揺らしていた。

「かは…っ! あ……っ、うあっ? ……ぁあっ、……っぁー!」

 敦は延々と続く寸止めに気が狂いそうである。

「まだイけないかぁ。口にしてもらわないと分からないからなぁ」
 
 したり顔で眼を細め、耳を食みながらドゥエルは舌先を耳の中に突っ込む。ピチャピチャと濡れた音に疼きを煽られ、少年は泣きじゃくりつつ何度も懇願した。

「ひぐ…っ、ふぇぇ…… も、もっと一杯……」

「うん」

「たくさん…… 激しくぅ……ぅぇ…っ、して…ぇ」

「そうか…… 分かったよ。こうだね?」

 ……良く出来ました。

 と、心の中だけで彼は敦を褒め讃える。ドゥエルが聞きたかったのは、こちらにして欲しいことではなく、敦がして欲しいこと。  
 『イかせて』は、こちらに主導権がある。そうではなく、敦に主導権を持たせ、少年がして欲しいことをしてやりたかったのだ。
 敦が何を望み、どうして欲しいのか自覚させて可愛がりたかった。少年の身体が何に感じて極まるのかを教えたかった。そうでもしないと、この従順な奴隷様は自分の劣情を理解しない。この淫らな身体は、御主人様を求めているのだと叩き込みたかったのだ。

 ……君はね、私のモノを欲しがっているんだよ。その疼きの求めるモノを、ちゃんと覚えようね?

 敦におねだりを強要して歓喜に打ち震えながら、彼は少年の望むモノを与える。

 愛しい愛しいドゥエルの奴隷。いや、奴隷になったのは私だろうか? それこそ歓んで落ちてみせよう。

 くふりと笑みを深め、彼は、愛されている自覚のない敦を攻略していく。
 肉奴隷歴五十年の老獪な手管に、溺れるほどの愛情を叩きつけられ、随喜で身悶える少年。

 執拗なドゥエルの眼福と思い知らせは、まだまだ続く。
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