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継承される耽溺 3
しおりを挟む「僕がいるから。ずっと可愛がるからね」
「……一杯して?」
頬を染めてチュッチュと絡み合う幼い二人。それを、じっとりと見据え、相方を取られたマサルは黙り込んだ。
「情人を取られちゃったね?」
「抜かせ。まあ、仕方ないよ。年少優先だしな」
ドゥエルの教えにより、子供はなるべく子供同士で睦むことが推奨されている。身体のサイズが違いすぎると小さい方に負担が大きいからだ。
マサルとヒロトは三つ違い。子供の頃の三歳差は大きいので、より近い方が優先される。つまり、ヒロトはツトムを優先出来るのだ。
もちろんヤレないわけではない。しかし、ツトムを抱くなら、ヒロトとマサルが睦む頻度は減るだろう。
地球人とはいえ、ドゥエル寄りに育てられた子供達は街の人々らとの交流もあり、地球でいえば絶倫に匹敵する性欲の持ち主らだった。
未練がましくブチブチ言うマサルに笑いつつ、アユムはそっと抱き締めてやる。
「俺で良きゃ抱いてやるけど?」
……抱かれるか。それもありかな。
元々、ネコから始めてタチに転向したマサルである。上の二人にまとめて抱き潰されたのも良い思い出。最初の手ほどきで、弟達は必ず兄に抱かれることから始まるのだ。
ドゥエルに初めて性の手ほどきを受けた時、マサルはアユムと。タケシはワタルとやらされ、それぞれが優先になった。しかし、アユムはすでにドゥエルの情人だったため、次のヒロトに兄達で手ほどきをしたあと、自然にヒロトとマサルが優先になっただけ。
なのでアユムに抱かれるのに否やはない。
「ドゥエルは? 平気?」
「平気。むしろ喜ぶかもね」
「へ?」
この時、淫猥に潤むアユムの瞳にマサルは気づかなかった。
「ひゃーっ! 待って、待ってっ? 無理だってぇぇーーーっ!!」
診察台に拘束され、慄くマサル。両手を下の鎖に、両足を上の鎖で繋がれた彼は、無防備なお尻を上向けに晒す格好だ。
波々と薬剤を吸い上げた太いシリンジを両手に、にっこり笑うアユム。リッターサイズのシリンジはドゥエルの物で、後始末用に用意された浴室の物の三倍はある。
アユムはストッパーをマサルの孔に入れて大きく膨らませ、抜けないことを確認してから、その注入口にシリンジの注ぎ口を突っ込んだ。
「無理じゃないよ? 大丈夫、俺も経験したから。天国にイかせてあげるね?」
マサルに見えるようシリンジを立てて、アユムはゆっくりとその押子を押す。じわっと流し込まれた薬液が腸内に拡がり、狼狽えるマサルを余所にシリンジの中の液体はみるみる減っていった。
「う……? ぅぅうううっ、ぅあっ? は…っあっ!」
あの量が入った……?
やや苦しくはあるものの、さして違和感はない。
しばし呆然とする弟を優しく見つめ、次の薬液を吸い上げるアユム。怪しく光る彼の眼が観察しているとも知らず、一瞬、安堵したマサルを凄まじい排泄感が襲った。
「いぎっ?! ぃ…っ、ひいぃぃっ?!」
「効いてきたね。最初は大したことないけど、馴染むと、どーんっと来るのさ。エネマはね」
微かに息を荒らげて、アユムは張り詰めたマサルの腹を撫でる。無意識に力が入るためガチガチに固まり波打つお腹。
「ここが膨らむくらい入れてみようね。こんなに沢山呑むのは始めてだろう? ……堪らないね、その顔」
あまりの興奮に上気し潤んだ眼のアユムは、同じく苦悶に喘ぎ、涙目なマサルを見下ろした。体内で暴れる薬剤のおぞましさ。グルルルルっと大きく唸る弟の体内の限界を見極めつつ、アユムは涎を垂らさんばかりな表情で、抵抗する内圧を捩じ伏せ、無理やり追加の薬剤を呑み込ませていった。
彼が行ったのは自分がドゥエルにされたことのフルコース。たらふく下から呑ませ、掻き回し、突き上げる。そしてプジーやスライムオナホールで我満させまくった後の解放。
ついでにワタルから借りたニードルで乳首に穴をあけピアスを装着させる。これが、情人と決めた者へのご褒美だった。
ピアスを得た者は、それを贈った者と生涯を共にする。奴隷印にもまさる所有の証。
成長したアユムは、マサルを己の所有にしようと決めた。
「うぎぃっ! っはあっ! あっ、あっ!」
「悦~ぃ顔ぉ。こういうの好きなんだ? お揃いだね」
そう。アユムの胸にも同じピアスが着いている。もちろん、着けたのはドゥエルだ。彼のモノという証。
くぐっと針を通して穴をあけ、装着させたピアスにアユムは眼を蕩けさせる。
「あ~、なんか分かったかもぉ。ドゥエルの気持ち。大好きな子が、この手で泣いたりイったりするのを鑑賞するって、ゾクゾクすんね。それもこちらの思い通りに…… ねぇ? マサル? その涙は俺が流させたんだよね?」
はあっと顔を高揚させ、アユムはうっとりと弟を見つめる。その蕩けた瞳に呑み込まれ、マサルは腹の奥が、ずくりと疼くのを感じた。
アユムに犯されたい、支配されたい、がんじがらめで呼吸が出来ないほど縛り付けられたい。
この淫猥に潤む瞳を見られるなら、なんでもされたい甘美な疼き。叩きつけられる欲情が心地好く、それだけで達してしまいそうなほど身体が高ぶる謎。
アユムは奴隷用の首輪を持ち出し、マサルの首に巻きつけると、短い鎖に繋いだ。息が止まりそうなほどキツく巻き付く首輪。それがアユムの執着に感じられ、マサルの股間が猛り狂う。
「えー… 首輪されて気持ち悦いの? 嬉しいんだぁ?」
「………っ、……ぅぅ」
苦しげに眉をひそめるマサル。
「………俺の奴隷になるかい?」
薄く眼をすがめ、アユムは強く鎖を引いて跪かせたマサルを見下ろした。思わぬ台詞を耳にし瞠目するマサル。しかし、その複雑な色を浮かべる瞳は、困惑げではあるが、拒絶を浮かべていない。
淫靡な雰囲気を醸して見つめ合う二人。
妖艶にほくそ笑むアユムをすがるように見上げ、マサルが言葉を紡ごうとした時、背後で扉の開く音がした。
そこには血相を変えたドゥエル。
彼は剣呑に眼をギラつかせて子供達を眺めている。
「そこまでだ、アユム。私を頓死させるつもりかい?」
「ドゥエル。だって、大事な弟だもの。望むならかなえてあげたいじゃないか」
「同類というか、蛙の子は蛙というか…… お前たちは、本当に私に似すぎているね」
氏より育ち。ドゥエルの背中を見て育った子供達は、彼の分身のように酷似した考えと嗜好をしていた。
「俺だってドゥエルの奴隷になら喜んでなるし? 父ちゃんだってドゥエルの奴隷だったんじゃん。俺のことも縛ってよ、ドゥエルの印を刻んでさ」
「…………ホントに、お前らは親子揃って」
「……………」
頭を抱えるドゥエルと呆然とするマサル。
こうして日常化した睦みや交わり。この負の連鎖とも思える歪んだ耽溺は、長く血族に継がれていく。
~了~
~あとがき~
これにて完全終了です。
こんな一族が興す街がどんなモノになるかは推して知るべし。もしかしたら、別物語で書くかも知れませんが、この物語は終わりました。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。
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