幼馴染の親友の男女が乳首イキを試すことになった話(本番なし)  

いぬに

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8話

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 紗奈はぼんやりとしたまま口を開く。

「……いった……かも」
「だろうね」

 ぐったりと陽斗の肩に顔を預ける。
 頬は赤く、胸の先にはまだ感触が残っていた。

「……やばい……ほんとに……これ、すごい……」

 陽斗の肩にもたれたまま、しばらく目を閉じていた。
 呼吸は整ってきたが、声はほんの少し掠れていた。まだ体に浮遊感があり、揺れているような感覚がある。

「……これが、乳首でイクってことだね」
 
 ようやく現実感が戻ってきた。
 まだ体はふらつくが、陽斗から体を起こしてラグの上に座り直す。

「現実だった……」
「気持ちよかった?」
「うん。すごく」
「おつかれ」

 言いながら笑う陽斗の声は穏やかだった。

 短い会話のあと、ふたりはしばらくなにも話さなかった。
 それは気まずさではなく、ただいつもの、ふたりの自然な沈黙だった。

「ねぇ」

 彼女がぽつりと呟く。

「うん?」
「えっと、私は満足なんだけど、そっちは、その……いいの?」
「いや、まあ。触るだけって言ったの、俺だから」
「……真面目じゃん」

 紗奈は笑った。いつもの陽斗に向ける無邪気な笑顔だった。
 陽斗も笑い返した。
 
「のど乾いた。紗奈もなんか飲む?」
「水がほしい」

 陽斗は立ち上がり、まっすぐキッチンへ向かう。
 慣れた手つきで冷蔵庫を開け、中からペットボトルの水を取り出して戻ってきた。

 紗奈は受け取った水を口にしながら、ふと思い出したように言った。

「終電ないね。泊まってく?」
「そうだね、ちょっと寝てから帰るわ。毛布借りる」
「適当に使って」

 紗奈はごろんとベッドに寝転がった。
 さっきまでの熱はすこしずつ薄れて、代わりに眠気が身体を包みはじめていた。

 陽斗はベッドの足元にまるまった毛布をひっぱり出した。
 同じく丸まっていた掛け布団を広げて紗奈に掛ける。

「陽斗」
「ん?」
「明日なんもないから、起こさず帰ってね」
「はいはい」

 陽斗が蛍光灯を消すと、カーテンが街灯の明かりで照らされる。
 大通りを走るトラックが、夜の道を遠ざかっていく音がした。
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