帯刀医師 田村政次郎

神部洸

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第三話 政次郎旗本になる?

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 家光との謁見を無事に済ませた政次郎は、その足で田村の実家へと帰った。するとそこでは八千石の田村家から幾石かを政次郎に分家すると言う会議を政次郎そっちのけで行っていた。
 政次郎がそっと囲炉裏を除くと千石だの二千石だの書かれていて、もはや分家は決定事項のようだった
「俺はいらない!」
とひと叫びすると家族の全員が驚き慌てて囲炉裏の文字を掻き消した。
「政次郎、上様からお主に分家してくれと頼まれたのだ。二十石でいいから受け取ってくれ」
と養父と兄から言われたが、断って自宅へと帰った。
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