転生に失敗したせいでダンジョンに行かされる

らんらんらん

文字の大きさ
9 / 19

4話

しおりを挟む
「こんにちは。調子はどうかな。」

 アイロンはかかっていないもののよれている印象がないYシャツにジーパン。
 最近、この格好が定着したような気がする。

 そして、この先生、先生らしいことをしているのを見たことがない。カウンセリングも雑談だけして終わる。そういうものなのかな。わからない。

 カウンセリングの他に現代知識の勉強と魔石エーテルの中にあって取り込んだ魔力の操作の練習。
 サポートは、一応2人の女の人。黒服を着た人がそれだった。黒一色が圧迫感を感じる。
 教えるのは初めから女性とわかった1人だけ。もう一人はそれを黙ってみている。それか、自身も同じように練習する。
 土御門と同じ苗字なので親戚か何かかな。
 
 言われるままにやるのは昔を思い出して非常に気分が沈む。けれど、自分の思い通りに動かせるのだからまだなしか。
 先生曰く心を平常心に保つ薬があることにはあるのだが、僕にそれが効果がるかどうかわからないと。
 体にある耐性によって人によって効果が出やすい人、出にくい人がいるそうだ。そして、霊薬を飲まされた僕は普通の人より薬に対する耐性が強いらしい。その分、病気にもかかりずらいらしいが。

 先生が信じるかどうかわからないが、異世界に行って人ではない何かを大量殺戮してきた、といえば話は違ってくると思う。言わないけど。
 とりあえず、気分を変えながらやるというありがたい、と話をした。

 今日は比較的開放感を感じる食堂で練習をしている。気分変わったかな。

「こんにちは。青木君。」

「榊さん。どうして。」

 新しいく来た新キャラは榊さん。胡散臭い笑顔。目が合った直後に感じる値踏みされてる感。

   この人は使えるものは使うが、使えなくなれば簡単に消しに来るあのクズどもと同じにおいがする。
 私欲に走るかどうかわからないので、まるっきり同じかどうか分からないが。彼はどっちだ。

   それにしても、先生の明らかに動揺するところを初めてみた。慌ててるな。

 事前にご連絡ください、という気持ちがひしひしと伝わってくる。それに対して、新キャラ榊さんとやらのほんの一瞬だけ見せたこいつ使えねぇという空気。
 力関係がなんとなく分かる。そして、不機嫌を隠そうとしない態度をとる土御門さんの1人。相性が良い悪いの判断基準で測れないほど、嫌っているようだ。この人はいったい何をした。

「少し話を聞いて欲しいから少し外してもらえるかな。」  

   有無を言わさない笑顔。彼とっては決定事項なのだろう。

   この場合にいる全員に選択肢がない。先制は取られた? 
 話を聞く選択肢しかないのでそう感じるだけかな。

 現状、何かを選択するという権利を僕は持っていない。

「国防の方。私どもとあなた方は対等。」

「ええ。そうです。」

   言葉だけなら同意しているのに、全く同意しているようには見えない。むしろ、喧嘩を売っているようにも見える。
 国防というからには国の人公務員か。

 それにしても、この2人、冷気によって人を殺すことができるかもしれない。

「世の中にはね。外に出せないこと、というのは多い。君がいま覚えている力。そこの娘さんたち。この島。奇怪生物。オーパーツ。迷宮。」

 何を言いたいのかさっぱりわからない。というていで話で聞いた方がいいようだ。

「強行するつもりですか。」
「実践に勝るものはない、ということです。試験はできても実践はできない。勉強と同じですよ。知識がそのまますべて実践で使えるわけではない。君もそう思はないかい。」

 目線を外さずことなく見られている。指名された。
 言いたいことはわかる。わかるが、ここで同意するのは何か危ない気がする。
 
 もしかしてこれが強制イベント? ルート確定要素?

「榊さん。」

「地下へと続く迷宮。君たちにはそこに行ってもらうよ。それは決定事項だ。君たちも忘れたわけではあるまい。」

 先生の言葉を振り切るように言葉をつむぐ。

 先生の焦った感じと女性1人が今にも人を殺すといわんばかりの雰囲気。

 そして、ただの空気である僕ともう1人の女性。なんだかねなぁ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。 平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。 どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

追放された俺、悪魔に魂を売って全属性魔法に覚醒。悪魔契約者と蔑まれるが、まぁ事実だ。勇者? ああ、俺を見下してたやつな

自ら
ファンタジー
灰原カイトのスキルは【魔力親和】。評価F。 「外れスキル」の烙印を押された彼は、勇者パーティで三年間、荷物を運び、素材を剥ぎ、誰よりも早く野営の火を起こし続けた。 そして、捨てられた。 「お前がいると、俺の剣が重くなる」 勇者が口にした追放の理由は、侮蔑ではなかった。恐怖だった。 行き場を失ったカイトの前に、一人の悪魔が現れる。 「あなたの魂の、死後の行き先をちょうだい。代わりに、眠っている力を起こしてあげる」 病弱な妹の薬代が尽きるまで、あと十日。 カイトは迷わなかった。 目覚めたのは、全属性魔法――歴史上、伝説にしか存在しない力。 だがその代償は、使うたびに広がる魔印と、二度と消えない「悪魔契約者」の烙印。 世界中から蔑まれる。教会に追われる。かつての仲間には化け物と呼ばれる。 ――まぁ、その通りだ。悪魔に魂を売ったのは事実だし。 それでも。没落貴族の剣姫と背中を預け合い、追放された聖女と聖魔の同時詠唱を編み出し、契約した悪魔自身と夜空の下で笑い合う日々は、悪くない。 これは、世界の「調律者」だった男が、その座を追われてなお、自分の手で居場所を作り直す物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~

日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ― 異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。 強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。 ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる! ―作品について― 完結しました。 全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。

配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)
ファンタジー
女主人公です(主人公は恋愛しません)。18歳。ダンジョンのある現代社会で、探索者としてデビューしたルミは、ダンジョン配信を始めることにした。近くの町に初級ダンジョンがあると聞いてやってきたが、ルミが発見したのは超難関ダンジョンだった。しかしそうとは知らずに、ルミはダンジョン攻略を開始し、ハイランクの魔物たちを相手に無双する。その様子は全て生配信でネットに流され、SNSでバズりまくり、同接とチャンネル登録数は青天井に伸び続けるのだった。

おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略

神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。 そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。 これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。

処理中です...