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第1章 本章
第18話 新たな選択。
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こんにちは。中島義行です。犯罪組織の掃討作戦は無事に終了しました。
そして毎度のことながら、自宅で正座させられています。
なんでしょう。私はそういう星の下に生まれてきたのでしょうか。
はい。今回のお説教はダブルでくらっています。村瀬さんと、森繁さんに……。
マリは家事をしてくれています。
はい。すみません。私が無茶をしました。はい。仰る通りでございます。
その後、説教は1時間にも及んだとか及ばないとか……。
一頻り説教が終わった後、森繁さんからある提案を持ち掛けられた。
「中島君。貴方の戦い方を見ていて思ったんですが、戦い慣れていませんね?」
「はい。確かに、私は戦いという事に関しては、素人も同然であると認識しております」
森繁さんは落ち着いた表情で話し続ける。
「そこで提案なのですが、私の指導を受ける気はありませんか?」
「森繁さんの指導を……? それは、願ってもないことですが」
私自身、薄々感じてはいた。一度どこかで本格的な指導を受けるべきではないのかと。
「中島君には、近接格闘術や、対魔法訓練等を受けて頂こうかと思います」
「はい。分かりました」
「よろしい。では私は今日から貴方のお師匠です。私たちの世界に来てもらいます」
「「えっ」」
その言葉を聞いた私や村瀬さんは、驚きの顔を隠せなかった。
村瀬さんが森繁さんに詰め寄る。
「ちょ、お師匠様? それは……」
村瀬さんは森繁さんの事をお師匠様と呼ぶのか……。それはいいとして、私もいきなり異世界に行くと言われても。いや、行ってみたい……。うん。行ってみたいが。
森繁さんは村瀬さんを諭すように話す。
「中島君の訓練を行うには、こちらの世界では不便です」
「それは、分かりますが……」
村瀬さんがオロオロしている。こういう表情を見るのも珍しや。
続けて森繁さんが話す。
「手続き的な事に関しては何とかします。何とでもなるでしょう」
「お師匠様なら……。で、できるんでしょうけども」
これ、私も会話に混ざったほうがいいのかな? とりあえず聞いてみよう。
「あの。具体的に、いつから異世界に行くことになるんです?」
「そうねぇ…」
森繁さんは考える人のポーズをとった。さすが村瀬さんのお師匠様。
“弟子は師に似るもの”とはこのことか。
「中島さんの準備ができ次第。と言ったところかしら。いつでもいいわよ。明日にでも」
「明日……ですか。うーん。家の事に関しては、マリと村瀬さんにお願いする事になるのかな」
《家の管理。問題ありません》
「ま、まぁ。こっちの世界の事に関しては、私たちで上手くやっておくから大丈夫。よ…」
村瀬さんは何とも歯切れが悪い言い方をしている。それもそうか、現実世界の人間が、異世界に行こうとしているのだから……。向こうの世界の都合もあるんだろう。
森繁さんは手を叩き、場の雰囲気を整えるように話す。
「では、そうと決まったら、中島君の異世界渡航の手続きがあるので、今日はこの辺で失礼します」
そう言って森繁さんは帰って行った。
異世界かぁ……。
そして毎度のことながら、自宅で正座させられています。
なんでしょう。私はそういう星の下に生まれてきたのでしょうか。
はい。今回のお説教はダブルでくらっています。村瀬さんと、森繁さんに……。
マリは家事をしてくれています。
はい。すみません。私が無茶をしました。はい。仰る通りでございます。
その後、説教は1時間にも及んだとか及ばないとか……。
一頻り説教が終わった後、森繁さんからある提案を持ち掛けられた。
「中島君。貴方の戦い方を見ていて思ったんですが、戦い慣れていませんね?」
「はい。確かに、私は戦いという事に関しては、素人も同然であると認識しております」
森繁さんは落ち着いた表情で話し続ける。
「そこで提案なのですが、私の指導を受ける気はありませんか?」
「森繁さんの指導を……? それは、願ってもないことですが」
私自身、薄々感じてはいた。一度どこかで本格的な指導を受けるべきではないのかと。
「中島君には、近接格闘術や、対魔法訓練等を受けて頂こうかと思います」
「はい。分かりました」
「よろしい。では私は今日から貴方のお師匠です。私たちの世界に来てもらいます」
「「えっ」」
その言葉を聞いた私や村瀬さんは、驚きの顔を隠せなかった。
村瀬さんが森繁さんに詰め寄る。
「ちょ、お師匠様? それは……」
村瀬さんは森繁さんの事をお師匠様と呼ぶのか……。それはいいとして、私もいきなり異世界に行くと言われても。いや、行ってみたい……。うん。行ってみたいが。
森繁さんは村瀬さんを諭すように話す。
「中島君の訓練を行うには、こちらの世界では不便です」
「それは、分かりますが……」
村瀬さんがオロオロしている。こういう表情を見るのも珍しや。
続けて森繁さんが話す。
「手続き的な事に関しては何とかします。何とでもなるでしょう」
「お師匠様なら……。で、できるんでしょうけども」
これ、私も会話に混ざったほうがいいのかな? とりあえず聞いてみよう。
「あの。具体的に、いつから異世界に行くことになるんです?」
「そうねぇ…」
森繁さんは考える人のポーズをとった。さすが村瀬さんのお師匠様。
“弟子は師に似るもの”とはこのことか。
「中島さんの準備ができ次第。と言ったところかしら。いつでもいいわよ。明日にでも」
「明日……ですか。うーん。家の事に関しては、マリと村瀬さんにお願いする事になるのかな」
《家の管理。問題ありません》
「ま、まぁ。こっちの世界の事に関しては、私たちで上手くやっておくから大丈夫。よ…」
村瀬さんは何とも歯切れが悪い言い方をしている。それもそうか、現実世界の人間が、異世界に行こうとしているのだから……。向こうの世界の都合もあるんだろう。
森繁さんは手を叩き、場の雰囲気を整えるように話す。
「では、そうと決まったら、中島君の異世界渡航の手続きがあるので、今日はこの辺で失礼します」
そう言って森繁さんは帰って行った。
異世界かぁ……。
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