現実世界のカルマ ~『行為としての結果』が私の能力となる。転生しなかった代わりに神様から貰ったこの力でお助けマンを頑張ります~

行進12番

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第1章 本章

第19話 いざ、異世界へ・前編

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 主人公、中島義行なかじまよしゆき森繁未央もりしげみおとの集合場所に来ていた。

「この辺が集合場所か…」

 都会のど真ん中。こんな所から異世界に行けるゲートなるものが、存在するんだろうか。

 森繁さんが来た。

「お待たせ。中島君」

 普段のラフな格好と違って、綺麗な格好をしている彼女は大衆の注目を集めてしまう。

「いえ、それほどでも。ここから結構移動するんですか?」

「そうね。移動しながらお話しましょうか」

 歩きながら、これからの予定の説明を受ける。
 先ず、当初言われた通り、異世界に行く目的は私自身の戦闘訓練のため。
 基本的には向こうの世界で過ごすが、現実世界に帰ってくることもできる。
 あとは、慣れるまで、移動可能範囲は限定的らしい。まぁ、迷子になってもお互いに困るしな…。

「ここからは、タクシーで移動します」

 そう言われて、タクシーに乗り、車での移動を開始した。
 数十分ほどの距離を移動し、目的地についたようだ。

「ついたわよ」

「ここって……何かの工場ですか?」

「そう。表向きは普通の工場。中身も100%ね。ついて来て」

 言われるまま、正門の警備所を通過し、敷地内に入っていく。
 敷地の奥の方まで進むと、建屋があり、玄関の中に入ると自動ゲートがある。
 森繁さんにゲートキーを渡され、通過していく。
 コツコツと歩いている音が反響する。両開きの扉を開け、部屋に案内される。

 部屋の中央に、凱旋門のようなオブジェクトが佇んでいた。

「これが、世界を渡るゲート……」

「そうよ。正確には、ゲートを形成するための補助装置ね」

 森繁さんはゲートの横に手を当てた。起動をしているのだろう。
 ゲートの中央に空間の歪が現れ、向こう側の景色が見えてきた。

「さぁ、行きましょう。中島君」

 私は、半ば緊張しながら、一歩ずつ噛みしめていく。
 まさか自分が異世界に行くことになろうとは……。

 ゲートを潜り抜けると、そこは……。

「普通の、石造りの部屋……ですね」

 森繁さんがそれに答える。

「こういったゲートは野ざらしにしておくものでもないですからね」

 窓もなく、明かりが灯り、ゲートだけがある部屋。そこから私たちは出る。

 通路に出ると、外の光が目に入ってくる。建物の中は若干薄暗かったから、まだ目が慣れていない。

 眩しい太陽の光が目を刺激する。

 虚ろな目を擦りながら、石造りの通路の外を眺めると、城下町が一望いちぼうできる。

「凄い……、え、ていうか。ここ、お城?」

 彼女はきびすを返し、両手を広げ、こちらを向き、笑顔で答えた。

「フフ。驚いたかしら? ようこそ、私たちの世界“イーブナ”へ。そして、私たちの国“ホワイトキャッツ”へ」

 私は驚いている。これが、これが異世界か。
 存在は知っていたが、自分が行くことになるとは思ってもいなかったので、今まではそれほど関心が無かった。実際来てみると、これはこれで心躍るものがある。

「森繁さんは…、何者なんでしょうか?」

「それについては私がお答えしましょう!」

 通路の奥の方から執事風の男と、兵士風の男が2人。こちらに向かって歩いてきた。
 あれ? そういえば、言葉が日本語で聞こえた。魔法かな……。

 執事風の男が息を整え、話す。

「こちらにおわすお方こそ、我がホワイトキャッツ王国のフォレスト・オーバーグラウン・ミオ王女殿下にございます」

 森繁さんが若干照れた顔をしている。あ、威厳のある顔になった。

「と、いうことは、お姫様? で、ございますか?」

「フフ。そうよ」

 私は平伏する所作を取った。あたふたしている。森繁さんもあたふたしている。

「あ、あー。中島さんは、我が……、ゴホン、うちの国の国民じゃないから、いいのよ」

「で、ありますか。と、とりあえず自己紹介を……。執事さん。日本語が通じる…かな? 中島義行と申します」

「お話は伺っております。私は執事のチャップと申します。以後お見知りおきを」

「では、中島様。案内を任されておりますので、一緒にご同行願えますかな?」

「あ、了解です。それでは、もりし……えーと。ミオ王女殿下……」

「森繁で良いわよ。そうね。私もちょっとやらなくてはいけない事もあるので、チャップについて行って、しばらくゆっくりしているといいわ。また後で会いましょう」

「了解です。では、チャップさん。お願いします」

かしこまりました。こちらへ」

 そう言われて私はチャップさんの後へついて行くと、客間に案内された。
 客間…というより、お客さん用の宿泊部屋。客室というべきか。
 チャップさんは、何かあったら呼ぶように言われた。

 まるで、旅行にでも来たみたいだ。本来の目的を忘れてしまいになる。

 そう、私は、訓練をしにきたんだ……。忘れてはいけない。

 森繁未央もりしげみおさん…。本名はフォレスト・オーバーグラウン・ミオ。
 そして、これから、訓練をしてくれるお師匠でもある……か。

 考え事をしていたら部屋にノックする音がしたので、私はすかさず返事を返した。
 チャップさんだ。

「中島様。訓練の準備が整いましたので、こちらへどうぞ」
 
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