現実世界のカルマ ~『行為としての結果』が私の能力となる。転生しなかった代わりに神様から貰ったこの力でお助けマンを頑張ります~

行進12番

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第1章 本章

第21話 異世界三日目

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 異世界に来て三日目の朝となる。今日もいつも通り起床して朝食を取り、午前から訓練に向かう予定。

 昨日お城に帰って来てから、リンは上司にこっぴどく怒られたらしい……。
 南無……。これについては援護してあげたいが、機会が無かった。不運な出来事の連続だったとしか。昨日の犯罪者集団が持っていた閃光を放つ異物が気になるしなぁ。

 と、訓練の時間だ。訓練場に行こう。お師匠様(森繁さん)がいたら聞いてみるか。

 訓練用の防具を着用し訓練場に赴くと、お師匠様がいた。

「おはようございます。お師匠様」

「中島君。おはよう。それとごめんなさい。招待しておいて危険な目にあわせてしまって」

「いえ、無事でしたし。リンにも助けられました。聞いているとは思いますが、カクカクシカジカで……」

「異物を持った犯罪者集団ね。衛兵が回収しているので、こちらで管理はしているわ」

「リンいわく、このような事が起きるのは珍しいと言っていました」

「そうね。ウチの国で白昼堂々と、そのような事件が起きるのは珍しい事だわ。街の管理局にも通達は行っていると思うから、何かあったら、中島君にも情報を共有するわね」

「ありがとうございます。ああ、それと、訓練を始める前に異物について聞きたいんですが、昨日、犯罪者の一人が、閃光を放つ異物を持っていたんですが、ああいうのが他にも存在するんですか?」

 森繁(お師匠)さんは考える人のポーズを取り……話を続ける。

「ある。といえば。しかし、犯罪者集団が持っているという事自体が、既に問題なのよね……」

 含みのある言い方が気になったので、私は質問をしてみた。

「つまり、本来は入手が困難なものである……と?」

「そう……。なので今、取り調べを行っている最中よ。この件については、また今度お話しするわ。さぁ、今日の訓練を始めるわよ。と言っても先ずはお勉強からね。魔法についての基本的な知識から」

 そういって手を叩き、気持ちの切り替えを行うお師匠様。私もそれに合わせる。

 今日は、講義が主な内容だった。

 魔法と一口で言っても、千差万別。生活用に使われるものから、戦闘用まで。
 今回は主に、戦闘用に使われる魔法についての座学だった。

 今日は、各属性についての触りだけ教えてもらった。
 魔法には各属性があり、火、水、雷、土、風、光、闇、無。

 この前、大型デパートの屋上で犯罪者の魔法使いが使用していたのは火属性の魔法だった。

 村瀬さんにも教えてもらったことがあるが、威力の高い魔法には準備が掛かる。
 あの時、大火球の魔法を直撃してしまったら、本来は無事では済まなかったそうだ。

 その時、私は庇護ひごのカルマでお師匠様を守ったことについて、改めて礼を言われた。

 普段、お師匠様や村瀬さんが使っている探知魔法や防御魔法、切断魔法は無属性に該当するらしい。
 日本で活動する上で、戦闘用に使う魔法としては使い勝手が良いそうだ。

 座学は簡易的なもので済まし、前日に引き続き棒術による戦闘訓練を行う。
 初日の頃よりかは動けるようになってきた気がする。驕らず精進。
 
 こうして訓練をしていて身に染みる。
 神様から授かった能力さえなければ、私は普通の人間なんだと。
 何かを学ぶというのは得てして楽しいものがある。

 午前の訓練を終え、リンの様子を見に行った。
 付近のお城の人に聞いてみたが、見かけないらしい。

 そこで、チャップさんを呼んでもらい、聞いてみる事にした。

「お呼びですか? 中島様」

「リンさんはどこにいるか分かりますか?」

「はて、見かけておりませぬ。もしかしたら……。森の鍛錬場かもしれません」

「城の外ですか? ちょっと探してきます」

「お一人でございますか? 護衛を……」

「あー……。でしたら、道案内お願いできます?」

「畏まりました。こちらで少々お待ちくださいませ」

 さすがに、前日あんなことがあった後、お城側もおをひとりで出歩かせたりはしたくないらしい。

 護衛の兵士の人が2人来てくれたところで、軽く挨拶をする。忙しいかもしれないのに恐縮である。お城の外まで移動し、森の鍛錬場まで案内してもらうと、何人かの兵士が訓練を行っていた。

 その中に、リンの姿を見かけたので声を掛ける事にした。少し話をしてくると護衛の兵士の人に伝えたら「護衛をするのが役目故、ここで待っています」と言われた。恐縮……。

 リンもこちらに気が付き、近づいてきたので挨拶を交わす。

「こんにちは。城の中で見かけなかったもので」

「ワザワザ来て頂いたのですか? それは申し訳ないです」

「いや、こっちが勝手にやったことさ。護衛の兵士の人には迷惑かけちゃったかも。と、少し話せるかい?」

「ええ、大丈夫です。お待ちください」

 準備を終えて、森の鍛錬場の休憩室で話し込むことに。

「中島様。お待たせしました。本日は、どのようなご用件で」

「いや、昨日のことがあったから、落ち込んでいるのかと思ってね」

「そんなことで、来て頂いたのですか? 恐れ入ります」

 リンは照れながらも申し訳なさそうに答えてくれた。

 とりあえず元気そうな顔が見れたので目的達成という所か。あとは軽く雑談でも。

「ここの鍛錬場は、兵士の人が良く利用しているみたいだね」

「そうですね。他にも、街のギルドに登録している冒険者なども訓練目的で使用されてますね」

 冒険者…。噂には聞いたことがある。続けてリンが話し始めた。

「実は、私も冒険者あがりなんですよ」

「へえ。そうなんですか。それはなんでまた?」

「元々、各地で冒険者として活動していたんですが、生まれ育ったこの街に戻ってきたときにチャップさんにスカウトされまして。別に冒険者活動が嫌になったわけではないんですが、チャップさんの熱意に負けたと申しますか」

 軽く笑いながら話してくれているリン。

「そういえば、中島様は、訓練のためにこちらの世界に来訪されたと聞きましたが、差し支えなければお聞きしても?」

「ああ。それは……」

 私は自身の能力に関しては説明を省き、リンと世間話をした。気が付けば結構な時間が立っている。そろそろお城に戻る事にして、リンと挨拶をして別れた。

 待たせている護衛の兵士の人に申し訳なさそうに声を掛け、お城に戻る。護衛の人が「これが仕事ですから」と当たり前のように答えてくれたので、さすがだなぁと思った。

 あと気になるのは、こちらの世界の異物についてか……。考え事をしつつも今日も一日が終わる。
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