異世界に転移す万国旗

あずき

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序章・世界転移

世界転移

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202X年、震度3ほどの地震と共に海底ケーブルが寸断された。
だが、無線通信は通常通りつながっている。
日本政府はアメリカ政府と協力し、情報収集を開始した。
ワシントンD.Cから出港した米艦隊が日本海に現れたことで、
アメリカ大陸が日本の西に移動していることが判明。

さらに横須賀から出発した護衛艦隊がグレートブリテン島を発見。
このことから、世界中の国々が位置や向きを変え、
違う惑星、もしくは世界に転移していることが判明した。
ユーラシア大陸も反転していて、シベリアの永久凍土が今にも溶けそうになっている。
日本は旧地球国家の中でもましな方であり、全体的に気温が数℃上がるだけで済んだ。
シベリアで畑がつくれるようになったのは良いのか悪いのか……まあ、食料生産に問題はなさそうだ。

現在、世界各国は混乱状態にある。
世界規模で食糧不足になる可能性もあったが、 幸いなことにアメリカ大陸の気候があまり変わっていなかったため、
世界人口数億人の難民が生まれることはなかった。

それでも日本に比べれば気候が大きく変わったため、食料は超ギリギリ。
日本政府は前々から構想していた海上農業農場計画を急いで進め、海上に巨大農場を作り上げ、その農場を作るために均された山では太陽光発電がおこなわれた。
日本は何とか『異世界転移危機』を乗り越えたのだ。
ある程度安定すると、各国政府は情報交換を行った。
まず、なぜこのようになったか、原因は何か?という疑問が出た。
だが、誰も何もわからなかった。
なぜか一緒に転移してきたこの世界に一つしかない日本の衛星から取った衛星写真を見ると、
アフリカ大陸が消えていたり、オーストラリア大陸が無かったりと明らかにおかしい所がある。
次に、元の世界に戻りたいという意見が出てきた。
「転移した原因もわからないのに、帰れるわけないだろう」
という意見が大半を占めた。

その後、議題は衛星写真に写る未確認大陸の話へ。
何度も会議を重ねた結果、他の国に比べて安定している日米連合艦隊が調査に向かう事に。
衛星写真によると大陸には文明があるようだったため、平和的接触が望まれた。
日米連合艦隊の内訳は、海上自衛隊より
・こんごう型イージス護衛艦「こんごう」「みょうこう」
・あたご型イージス護衛艦「あたご」「あしがら」
・あまぎ型戦闘機搭載護衛艦「あまぎ」「にいたか」
・むらさめ型汎用護衛艦「ゆうだち」「はるさめ」「むらさめ」
アメリカ海軍より
・ニミッツ級航空母艦「ロナルド・レーガン」
・アーレイバーク級駆逐艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」「カーティス・ウィルバー」「スタウト」「ジョン・S・マケイン」
・タイコンデロガ級巡洋艦「アンティータム」「レイテ・ガルフ」「ノーマンディー」「シャイロー」
・アメリカ級強襲揚陸艦「アメリカ」
海上保安庁から
・しきしま型巡視船「しきしま」「あきつしま」
以上。なお、旗艦は「にいたか」と「ロナルド・レーガン」である。
そして202X年8月6日、調査隊は出発した。
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