鬼の時

またたび

文字の大きさ
8 / 18
1章 青き光

決意

しおりを挟む
抱き締めて寝たはずの、お雪に起こされた、じいちゃんとばあちゃんは、寝ていた。
朝靄の中、まだ寝ぼけながら、手をひかれ10分程歩いた、小さな小屋が靄の中現れた。
「あたいの家だよ、汚い?まあ入って!」
この女積極的な女だなぁ~。妄想を抱きながら小屋に入った。
女性の一人暮らし、1DK、いや違う、そこそこ片付いては居るが、煤けた土間、その先の囲炉裏の板の間の奥に布団が敷いてある。
一生懸命囲炉裏の中を探して居る、「無いか」落胆して、懸命に火を着けるお雪、袂を探った。「あった!」ライターだ、杉の葉に火を着ける、小枝をお雪が、その火の上に、そっと乗せた。
「それすごいね!」嬉しそうに火と俺を交互に見つめた、こんな簡単な事、ライターで、火を着けただけ、この時代は一仕事なんだな!
「水飲むかい?」現代ならおしゃれなマグカップにコーヒーかなんか?出てくる?
甕から柄杓でひとすくい、お雪が飲んだ、その柄杓を差し出した、たかが水、口を喉をすうっと潤した、天然水、当たり前か!
何気に、お雪の手を見たくなった。そんなに大きく無い華奢な手だが、手のひらは武骨な男の様な手だった。
「あたいはおじいとおばあの野良仕事手伝って、それでなんとか生きて来たんだ」苦もない顔して話すお雪。
高校、大学、卒業して会社に入って一人暮らし一生懸命仕事して、今日まで頑張って来た。
お雪をそんな娘と重ね合わせて、手を握った。
組をぶっ潰した後、フィリピンに高飛びして、新築のマンションにメイドを雇って、優雅に一人暮らし、日本の警察とICPOに怯えながら、引きこもり同然の生活。
もしこれがタイムスリップなら人としてこの時代でお雪とじいちゃんばあちゃんと野良仕事して人生をまっとうする。都合のいい話だが、
日の当たる世の中で人として生きる、それも悪くない。しかし打算では生きられない、苛酷な時代である。迷う俺にお雪が言った。
「あんたと夫婦になって、子どもいっぱい作って」「みんなで、どんどん畑大きくして、おじいとおばあが、みんなが、幸せに暮らせたらいいな」「あんたとここで佐平の分も幸せに暮らしたい!」
大きい畑?大規模農業?土壌改良?じいちゃんは農業のプロそこに俺の知識、なんとかなるかなぁ?
お雪とここで生きてみる、俺の第二の人生、兄貴の分彼女の分、俺、精一杯この時代で生きてみる。
今決めた。
お雪を抱き締めて布団に寝転んだ。
「ガタッ」と音がして、何かが目のまえに落ちて来た。
猫だ!
「花、いたの?」抱き上げいとおしく猫を撫でるお雪。
俺は両親が死んでからペットなんて、飼った事ない。
お雪の懐から飛び出た猫が俺の膝に擦り付いてきた。
「花も、誠二が気に入ったみたい」満面の笑みで俺を見つめるお雪。
もしタイムスリップならば!
俺はこの時代で生きてみる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...