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2章 赤き光
赤鬼
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「佐藤さん、運転替わりますか?」
「うん、ちょっと小便したいから、車停めるわ」「そうしたら替わってくれ」。
陸上自衛隊の装甲機動車の車内、二人の自衛官、走行中の車内。
「窓開けてくれ」。
「佐藤さん、まずいっすよ。一応禁煙車なんですから」。
「ガタッ」「ガタガタ」。
「佐藤さん、よそ見するから、道外れたっすよ!」
「ついでに、よう足すか?」
車を停めた。舗装道路じゃ、ない。
車を降り、くわえタバコで、林に向かって歩き出す佐藤。
「佐藤さん、山火事になりますよー!」
「大丈夫小便で消すから!」と闇に紛れる佐藤。
「小便って、軽犯罪法違反だっつうの」。
数分経っただろうか?
振り絞る様な、苦しそうな声で「赤井逃げろ!」
「佐藤さん?」
赤井が車の中にあわてて乗り込む。
闇の中から、再び佐藤の声「赤井逃げろ」
「佐藤さん、俺こうゆうの苦手すょ、幽霊とかテレビの心霊モノとか、超苦手なんすから」。
車の中で佐藤の帰りを待っ赤井。
「パン」と乾いた銃声、「佐藤さん?」熊?
車の前ヘッドライトに照らされて、佐藤よろけながら歩いて来る、固定されていた小銃を外し、セイフティーを解除する赤井。
よろけながら佐藤、林に向かってまた発砲する。
熊ではなかった、二人の男が刀を振りかざし佐藤に斬りかかって行った!また発砲、一人倒れたが、もう一人の刀が佐藤の腹を貫いているのが車内から見えた。
尋常では無い光景に、車から降りあわてて小銃を構える赤井。
佐藤から刀が抜けた瞬間血飛沫とともに崩れ墜ちる佐藤、刀を持った男が、こっちに歩いて来る。
完全な殺気を感じて、赤井は発砲した。
刀を持った男を一発で仕留めた。
既に赤井は覚醒していた、背後から来る二人の男の足音、即座に反応し仕留めていた。
この男、赤井竜二、まるでヤクザ映画の登場人物の様な名前だが、陸上自衛官である。
父親の顔は、知らない。幼い頃は優しかった母親、小学生の頃には変わり果てていた。
やさぐれて、家事もほとんどしなくなっていた。子供ながら、洗濯をして、自分で風呂に入り、母親が毎日買って来る、見切り品のパンや弁当を食べて寝る毎日、その弁当のおかずは、母親の酒のつまみも兼ねている、少しでも暗い顔をすると、酔った母親に、「あんたがそんな顔するから、私は幸せになれないんだよ!」
叩かれ、蹴られた、泣こうものなら、暴力はエスカレートした。
小学校の高学年の頃には、竜二は、全く感情を顔に出さない子供になっていた。
暴力も日常化していた、小学校を卒業する頃は、痛みすらコントロールできる様になってしまった。
母親の悪態に耐えて、住まいと食事を得る、こんな生活が、高校1年の夏に、いきなり終焉を迎えた、竜二が起きると母親は、風呂で亡くなっていた。
酒を飲んで、風呂に入り、寝てしまって溺れて死んだ。
普通に救急車を呼び、病院に遺体を取りに行き、淡々と市役所で火葬、埋葬許可をもらい、火葬した母親の埋葬許可書と骨壷を、涙ひとつ表情ひとつ変えずに、昔母親が、追い出された実家の玄関先に置いて帰って来た。
すぐにアルバイトは見つかり、高校は卒業した。
勉強もそこそこ出来真面目な性格だった竜二は自衛隊に入隊した。
母親の理不尽な暴力、生地獄の様な子供の頃を思えば、レンジャー隊員の訓練など、さほど辛いとは思わなかった。
しかし問題もあった、感情を顔に出さない、痛みすら感じにくい、だが、窮地に追い込まれると覚醒した。
訓練中に、敵役の上官を殺しかけた事が何度かあった、覚醒すると、竜二は完全な兵器になった。そんな竜二を、上官や同僚は、陰で赤鬼と呼ばれていた。それも竜二は、知っていた。
そんな竜二が、殺しかけた上官は、佐藤二尉である。レンジャーの教官、竜二の性格を見抜いた彼は竜二を完全な兵器に育て上げた、理不尽ではない扱き、耐えた竜二を成長していく竜二をまるで私事の様に喜んだ、竜二も佐藤にはわずかではあるが心を開いていた。
その佐藤二尉が、車の前で、変わり果ててた姿で息を引き取っている。佐藤の口の中にタグを一枚入れた。路肩に寄せ、無線機を握る、他隊に呼び掛けた、全く応答は無い?現在地を把握するためにGPSを確認した。検索から戻らない。
「此処は何処なんだよ!」と怒鳴り、車を発進させた、数分で明かりが見えた。しかし、もう道らしい道では無い!かろうじて明かりがついた家の横で車を停めた。
ヘルメットを脱ぎ、申し訳無さそうに、その家を覗く赤井。
「夜分にすいません」。
驚いてこっちを向く女と子供。女が立ち上がり、土間の方へ向かう、板戸越しに、女が問う。
「どうされました?」
「すいません。電話を貸していただきたいのですが?」
「でんわ?」「ですか?」「わかりません」「うちには?」「あなたさまは?」
「申し訳ありません」「私、東部方面隊、第48普通科連隊」「赤井竜二」「一曹であります」。
「とうぶ?」「普通か?」「あかい?」「りゅうじ?」「おさむらいさん?」
女は、木戸を開けた、入り口の竜二の姿を見て驚いた!
心張り棒を振り上げる女!
申し訳無さそうに、頭を下げた竜二を見て棒をおろした。
「うん、ちょっと小便したいから、車停めるわ」「そうしたら替わってくれ」。
陸上自衛隊の装甲機動車の車内、二人の自衛官、走行中の車内。
「窓開けてくれ」。
「佐藤さん、まずいっすよ。一応禁煙車なんですから」。
「ガタッ」「ガタガタ」。
「佐藤さん、よそ見するから、道外れたっすよ!」
「ついでに、よう足すか?」
車を停めた。舗装道路じゃ、ない。
車を降り、くわえタバコで、林に向かって歩き出す佐藤。
「佐藤さん、山火事になりますよー!」
「大丈夫小便で消すから!」と闇に紛れる佐藤。
「小便って、軽犯罪法違反だっつうの」。
数分経っただろうか?
振り絞る様な、苦しそうな声で「赤井逃げろ!」
「佐藤さん?」
赤井が車の中にあわてて乗り込む。
闇の中から、再び佐藤の声「赤井逃げろ」
「佐藤さん、俺こうゆうの苦手すょ、幽霊とかテレビの心霊モノとか、超苦手なんすから」。
車の中で佐藤の帰りを待っ赤井。
「パン」と乾いた銃声、「佐藤さん?」熊?
車の前ヘッドライトに照らされて、佐藤よろけながら歩いて来る、固定されていた小銃を外し、セイフティーを解除する赤井。
よろけながら佐藤、林に向かってまた発砲する。
熊ではなかった、二人の男が刀を振りかざし佐藤に斬りかかって行った!また発砲、一人倒れたが、もう一人の刀が佐藤の腹を貫いているのが車内から見えた。
尋常では無い光景に、車から降りあわてて小銃を構える赤井。
佐藤から刀が抜けた瞬間血飛沫とともに崩れ墜ちる佐藤、刀を持った男が、こっちに歩いて来る。
完全な殺気を感じて、赤井は発砲した。
刀を持った男を一発で仕留めた。
既に赤井は覚醒していた、背後から来る二人の男の足音、即座に反応し仕留めていた。
この男、赤井竜二、まるでヤクザ映画の登場人物の様な名前だが、陸上自衛官である。
父親の顔は、知らない。幼い頃は優しかった母親、小学生の頃には変わり果てていた。
やさぐれて、家事もほとんどしなくなっていた。子供ながら、洗濯をして、自分で風呂に入り、母親が毎日買って来る、見切り品のパンや弁当を食べて寝る毎日、その弁当のおかずは、母親の酒のつまみも兼ねている、少しでも暗い顔をすると、酔った母親に、「あんたがそんな顔するから、私は幸せになれないんだよ!」
叩かれ、蹴られた、泣こうものなら、暴力はエスカレートした。
小学校の高学年の頃には、竜二は、全く感情を顔に出さない子供になっていた。
暴力も日常化していた、小学校を卒業する頃は、痛みすらコントロールできる様になってしまった。
母親の悪態に耐えて、住まいと食事を得る、こんな生活が、高校1年の夏に、いきなり終焉を迎えた、竜二が起きると母親は、風呂で亡くなっていた。
酒を飲んで、風呂に入り、寝てしまって溺れて死んだ。
普通に救急車を呼び、病院に遺体を取りに行き、淡々と市役所で火葬、埋葬許可をもらい、火葬した母親の埋葬許可書と骨壷を、涙ひとつ表情ひとつ変えずに、昔母親が、追い出された実家の玄関先に置いて帰って来た。
すぐにアルバイトは見つかり、高校は卒業した。
勉強もそこそこ出来真面目な性格だった竜二は自衛隊に入隊した。
母親の理不尽な暴力、生地獄の様な子供の頃を思えば、レンジャー隊員の訓練など、さほど辛いとは思わなかった。
しかし問題もあった、感情を顔に出さない、痛みすら感じにくい、だが、窮地に追い込まれると覚醒した。
訓練中に、敵役の上官を殺しかけた事が何度かあった、覚醒すると、竜二は完全な兵器になった。そんな竜二を、上官や同僚は、陰で赤鬼と呼ばれていた。それも竜二は、知っていた。
そんな竜二が、殺しかけた上官は、佐藤二尉である。レンジャーの教官、竜二の性格を見抜いた彼は竜二を完全な兵器に育て上げた、理不尽ではない扱き、耐えた竜二を成長していく竜二をまるで私事の様に喜んだ、竜二も佐藤にはわずかではあるが心を開いていた。
その佐藤二尉が、車の前で、変わり果ててた姿で息を引き取っている。佐藤の口の中にタグを一枚入れた。路肩に寄せ、無線機を握る、他隊に呼び掛けた、全く応答は無い?現在地を把握するためにGPSを確認した。検索から戻らない。
「此処は何処なんだよ!」と怒鳴り、車を発進させた、数分で明かりが見えた。しかし、もう道らしい道では無い!かろうじて明かりがついた家の横で車を停めた。
ヘルメットを脱ぎ、申し訳無さそうに、その家を覗く赤井。
「夜分にすいません」。
驚いてこっちを向く女と子供。女が立ち上がり、土間の方へ向かう、板戸越しに、女が問う。
「どうされました?」
「すいません。電話を貸していただきたいのですが?」
「でんわ?」「ですか?」「わかりません」「うちには?」「あなたさまは?」
「申し訳ありません」「私、東部方面隊、第48普通科連隊」「赤井竜二」「一曹であります」。
「とうぶ?」「普通か?」「あかい?」「りゅうじ?」「おさむらいさん?」
女は、木戸を開けた、入り口の竜二の姿を見て驚いた!
心張り棒を振り上げる女!
申し訳無さそうに、頭を下げた竜二を見て棒をおろした。
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