ひとくち物語たち

クレープ

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「雪の朝」「時計」「飲む」

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時刻は、午前4時。
冬はこの時間だと、まだ太陽は昇らない。にも関わらず、人々は目を覚まし始める。
産業が盛んなこの町、人々の大半は工場に勤めている。労働者の朝は、早いのだ。

町の一角に、工場に勤めていないごく少数の人達が住む小さい住宅地がある。機械が主流になりつつあるこの町で、未だに手工業を生業とする職人達が暮らしているのだ。
その中に、こじんまりとした時計屋がある。時計職人の男と、その息子が暮らしている。

「アレン、起きなさい。」
「ふぁ~。父さん、おはよう」

息子•アレンは、8歳の少年だ。毎日、父の仕事の手伝いをしていて、店を継ぐために修行をしている。


「アレン、朝飯前に仕事だ。届け物をしてきてくれ。」
「誰に渡せばいい?」
「オリバーさんっていう人。懐中時計の修理が終わったんだ。」
「わかった!いってきますー!」

帽子を被り、コートとマフラーを身につけ玄関を出る。

「雪だ、、、」

あたりはまだ暗い。そこに、しんしんと静かに、雪が降っていた。この冬一番の雪は、少しだけ積もっていた。そして、いつもより冷たく刺すような寒さ…。



「急がなくっちゃ」




町の子どもは、皆働いている。雪ではしゃぐ子どもはいない。



「オリバーさん、おはようございます!ブラウンです、修理した時計をお届けに来ました!」

ボロい、レンガ造りの二階建ての家だった。オリバーは、一階に住んでいるようだ。しばらくすると、中年の汚れた帽子を被った男性と、またまた汚れたエプロンをした女性が出てきた。オリバーとその奥さんのようだ。

「あぁ、ブラウンさんとこの息子さんか。助かったよ、今から仕事に行く所だったのでね。」
「朝から早いのね、ご苦労様。…あら、雪が降ってるじゃない。」

オリバーは時計を受け取って、仕事に出掛けていった。
「では、僕はこれで。時計のことなら、またご相談ください」
「あ、待って、坊や」

オリバー夫人はそう言うと、家に何かを取りに戻った。そして5分後、ティーカップを持って戻ってきた。


「寒いでしょう。ホットミルクでも一杯、飲んでらっしゃい」
「いいの?ありがとう、、、!」

アランとオリバー夫人は、家の前に腰掛けた。


雪は相変わらず降り続けている。日が昇り始め、町を照らし始める。そして…。

「うわぁ、きれい…」

雪が、光に反射してキラキラと輝いてた。アランは、初めて雪を綺麗だと思った。


その朝の一杯は、格別に美味しかったのだった。
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