流星群の落下地点で〜初恋の人が自罰的だったので溺愛することにした〜

古森きり

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初恋の人が自罰的だったので溺愛することにした

恋人同士の朝(1)

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 というわけで翌朝。
 朝食を食堂で食べていたシドの隣に座り、フィリックスは「相談があるんだ」と切り出した。
 非常に嫌そうな顔をしているシド。
 
「セックスって、もうしてもいいと思うか?」
「ウキィ」
「……お前はもう少し常識のある騎士だと思っていた」
「いや、おれもこの時間に聞くのはどうかと思ったんだけど、お前今日からしばらく遠出するんだろう?」
「あぁ……」
 
 帝国の方に、ノインとともに出向だと聞いていた。
 といっても剣聖二人が出向すれば二日程度で終わる任務。
 国境付近に逃れた流入召喚魔を、本部に護送する手伝い、と聞いている。
 リョウとリグは最近まで近くの村に護送されてきた召喚魔たちを送還していた。
 数日はゆっくり休み、魔力回復に努めなければならない。
 その間に、多くの流入召喚魔を捜索、帰還を望む者は状況に応じて護送するのが、最近の自由騎士団フリーナイツの仕事だ。
 たとえ任務が数日で終わるとしても、移動にも同じ日数かかる場合もある。
 出かけられる前に、相談しておきたかったのだ。
 
「昨日部屋に誘われてしまったんだが、おれはもう少しゆっくり仲を深めていけたら、と思ってそう答えたんだ。でもリグにはあまり納得してもらえなかった。多分ダロアログが十五年かけて歪んだ認識を体に直接教えてたからだと思う」
「ああ、なるほど。だからその認識を覆すには、同じ方法がいいと思ったわけか……確かに一理あるな」
「交際開始してすぐにそこまで進む恋人も世の中にいないわけではないだろうし。けれど、このまま“普通”というものをわかってもらいたいのに、シてしまっていいものか、と」
「それもそうだな。だが……そうだな……ヤってもいいと思う」
 
 マジか、と目を見開いて隣でサラダを頬張る彼の兄を見る。
 実の兄にこんな相談をするのもどうかと思ったが、実の兄の答えも驚くべきものだ。
 
「『男の体だから、手を出されないんじゃないか』とか、そっち方向に考えると思う。ダロアログが異常性癖だったのはアレもわかってるからな」
「ああ……」
「まともなセックスもしたことないはずだ。恋人らしいセックスとか、そういう意味では俺も知らんけど。とりあえず、お前の考える理想とか普通とかを話して聞かせて理解した上でヤってみれば? なんでも初めてなんだから、お前の理想や普通はお前と別れて別な相手としてみてもいいだろう。っていうか、多分お前の理想や普通はどのみち通じない。お前以降があるかもわからんし、お前が納得済みならアレの考える“恋人同士”に付き合ってみるのもありなんじゃねぇの」
「……リグの……」
 
 そう言われてハッとした。
 普通を教えることばかりに目がいっていたが、確かにリグ自身の希望を考えていなかった。
 果たして昨日のことがリグの希望なのかどうかは怪しい部分ではあるが、リグの知識とフィリックスの知識、常識のすり合わせをして、彼の思うところを聞いてみるのも必要なことだろう。
 恋人は決して独りよがりで続く関係ではない。
 お互いの考えることをきちんと話し合い、すり合わせ、わかりあうべきだ。
 
「そうだな。そうしてみるよ」
「でもヤッたあとまでこの手の相談はやめろよ。弟の最中の話は食欲が失せる」
「あ、まあ、それは……うん」
 
 ごめん、と謝ってから姿勢を正す。
 それは本当にそう。
 朝食を共にしながら目を閉じて考え込む。
 彼の兄からあっさりと許可が出てしまった。
 普通の、一般家庭で育った兄弟ならばそもそも交際の時点で反対される。
 貴族ならば尚更。
 平民のフィリックスは摘み出されるレベル。
 ハロルド・エルセイドが反乱など起こさず、強かに貴族社会に溶け込んでいたならば、かの天才は今頃伯爵家ぐらいには成り上がっていただろう。
 さらに言えばリグは[異界の愛し子]。
 
(本当に……釣り合わない)
 
 幼い頃から聡明な彼には、到底。
 そう思いながらも食事を終えるとシドに礼を言って別れ、リグの部屋まで行ってみる。
 出向のために朝の早かったシドに合わせたので、リグが起きる時間よりは早起きできた。
 寝起きは非常に悪い自覚があるも、自由騎士団フリーナイツにきてからは過労気味な体調もだいぶ元に戻り、十数年ぶりに起きたい時間に起きられるようになってきたのだ。
 あの寝起きの悪さは、体からの「休息を取れ」という信号だったのだろう。
 思えば学生時代は、あそこまでひどい寝坊はしなかったのだから。
 
「リグ、おはよう。起きているだろうか?」
「ああ」
 
 ノックすると、すぐに返事が聞こえてきた。
 朝から淡々として入るが、愛しい人の声が聞けるのは嬉しい。
 緩みそうになる口元を押さえながら待っていると、ドアが開く。
 
「朝からどうかしたのだろうか?」
「え、あ……」
 
 感情のままに訪れてしまったが、思えば用件らしい用件は特にない。
 一瞬口籠るが、見上げてくる紫眼につい「会いたくて」と言葉を漏らす。
 そう、会いたくて。
 彼自身が結界を張る、おそらく世界で一番安全な場所。
 しかしそれでも[異界の愛し子]である彼とリョウは世界中から狙われている。
 なので、ここは「心配で」と伝えて無事を確認する意味で会いにきたと伝えてもよかった。
 でも口をついて出たのは非常にシンプルな本音。
 
「――なぜ?」
 
 本当に、心底不可解とばかりに首を傾げて聞き返される。
 用はなく、会いたくて朝の迎えにきた。
 なぜと聞かれれば――。
 
「そりゃ……好きだから」
 
 なにかで包み隠す必要はないのだろう、ここまできたら。
 フィリックスの答えは、リグには結局不可解だったらしいけれど。
 
「そういうものなのか……恋というのは」
「うん、まあ。ごめん、迷惑だったかな」
「そういうことはないけれど……」
 
 部屋の中から香ばしい匂いが漂ってきたので、キィルーがフィリックスの肩から身を乗り出す。
 覗き込んだ視線の先を追うと、焼きたてのパンがテーブルに置いてあった。
 リグの部屋は広い。
 キッチンと食糧庫、石壁で区切られた奥に寝室、その隣に風呂やトイレがある。
 高山の中腹にある自由騎士団フリーナイツの本部では水も貴重なので、トイレと風呂がある部屋は上位の階級の者のみが支給される部屋だ。
 当然リグとシド、リョウとノインはこの区画のこういう部屋。
 フィリックスも階級自体は三等級並みの待遇であるため、この部屋に準ずる広さがあるものさすがに食糧庫はなくキッチンも簡易なものだ。
 リグの場合は元々ほぼ一人暮らしのため、自炊もするらしい。
 
「ウキキ!」
「朝食を食べにきたのか? 構わない」
「え、あ? いや。俺はさっき食べた……」
「キキ!」
「キィルーは食べ足りないのだな。パンでよければすぐ焼こう」
「ウキィ!」
「あ、こ、こら!」
 
 遠慮なく、フィリックスの肩からリグの肩にジャンプするキィルー。
 さすがは[異界の愛し子]、たとえフィリックスの相棒でもちゃんと意思疎通ができるらしい。
 ウキウキの相棒が初恋の人に擦り寄ると、どちらに嫉妬していいのかわからない状況。
 ダイニングのテーブルに招かれ、椅子に座らせられる。
 
「フィリックス……フィーは何枚食べる?」
「あ、いや……おれはさっき――あ、うーん。そうだな、一枚くらい食べたいかな」
「そうか?」
 
 食堂ですでに朝食は食べていたけれど、せっかくのリグの手作り朝食。
 食べないわけにはいくまい。
 しかしそれでもあまり多くは食べられそうにない。
 軽く炙ったパンにレレスタと目玉焼きを載せて出され、その上に香ばしい匂いのソース。
 
「美味しそうな匂いだな。このソースは、オリジナルか?」
「マモの実にオオルとスナマメをこしたものを混ぜた。野菜とパン、両方に合うらしい」
「へえ……」
 
 初めて食べるな、と感心して口に入れる。
 存外酸味が強くて一瞬「う?」となったが、半熟卵が酸味を包み込みパンと絡めて咀嚼すれば口の中は未だかつてない味わいが広かった。
 
「美味い! 初めて食べた。リョウちゃんの世界の食べ物か?」
「いや、帝国の料理だ」
「帝国……。リグは帝国にいたこともあるのか?」
「世界中転々としてきた。知り合いができるとすぐに移動していたが、十五、六になるとシドの方が強くなったからシドから逃れるために移動も頻繁になっていたな」
 
 また反応に困ることを。
 そう思うが、リグが生きてきた状況を聞く機会はあまりない。
 ダロアログとの生活は、暴力と飢え、魔力不足による不調、犯罪の幇助などろくなものではなかったようだ。
 詳しく聞くべきか悩んでいると、リグも席について朝食を取り始めた。
 差し込む朝の陽光に薄く紫に輝く黒髪と、氷のような紫眼。
 先程見た横顔の男と顔の作りは同じだというのに、儚げで無気力。
 食事自体はこんなに美味しいのに、食べる姿はまるで作業。
 フィリックスが話しかけなければ、黙々と食事をする。
 幼い頃――まだ父と母が生きていた頃。そしてユオグレイブの町で学生をやっていた頃は食事は誰かと話しながら摂る、幸せな記憶。
 彼の場合はそうではないのだろう。
 
「世界中を渡り歩いたんだな」
 
 帝国の料理なんて、初めて口にする。
 そう言うとリグは「世界中から追われているからな」と答えた。
 不意に目を背けられる。
 
「今は違うさ」
「……僕になにかあっても――リョウを優先してほしい」
「なん――」
「彼女の方が魔力量が多い。僕の魔力量も常人よりも多いが、[異界の愛し子]であり[聖杯]である彼女を利用される方がきっと世界にとっていいことにならない」
「っ」
 
 いわゆる[異界の愛し子]とは[原初の召喚魔法]を使える特殊体質の者をいう。
 八異世界の者と心を通わせる“体質”であり先天的に魔力量も多い。
 たとえばフィリックスが召喚魔法師の平均魔力量よりやや多い70の魔力量に対し、リグは8000、リグが異界より召喚した[聖杯]であるリョウは30000を越える魔力保有量を誇る。
 その破格の魔力量で流入召喚魔の送還を行っているのたが、当然悪きことに利用しようとすればいかなることにも使えるだろう。
 この世界は導火線に火が着けっぱなしの問題が山積している。
 リグとリョウがいれば、どの問題も偏った解決をしようとすれば簡単に解決できるのだ。
 なにしろ、詠唱も召喚に必要なコストもほとんど必要とせずあらゆる召喚魔を召喚できるのが[異界の愛し子]。
 リョウだけでも、リグだけでも、手に入れればそれだけで世界征服が可能。
 なんなら、ある程度の条件を揃えれば死者蘇生すら可能だろう。
 それほどの“奇跡”そのもの。
 けれど、フィリックスにとって彼らは――そういう意味での“奇跡”ではない。
 世界中から追われているのも、確かに今は中立の自由騎士団フリーナイツに保護されている状況。
 レンブランズ連合国とエレスラ帝国が本気でリョウとリグを獲りに動けば、ひどい戦争になる。
 その時はシドが
 世界最強の『剣聖』を二人も倒した、現世界最強の『剣聖』であり、魔剣使いの召喚魔法師。
 シドがあれほど強いのは、そうなった時にもリグを守り抜けるように。
 幼少期から国と一人で戦争をしてでも弟を守り抜く、という覚悟を持って自分を鍛えてきた男なのだ。
 その上、国以外にも数多の犯罪組織がその力を狙う。
 リグ自身も多くのことを想定して、あらゆる“最悪”を回避しようと生きている。
 本当に、なんという絶望の中に生きているのだろうか。
 自分なら息苦しくて、呼吸もままならない。



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