【R18】黒曜帝の甘い檻

古森きり

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第27話

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「あっ、ふっぅ、うっ……んぐっ、あ……イッちゃ、ぁあぁ!」
「俺も、さすがに……! 中に、出すぞっ!」
「あぁぁっん! 中、きてぇ! 出してぇ!」

 ばちゅん!
 強い音がした。
 その後も、ばしっ、ばしっ、と乾いた音が定感覚で響く。
 それがあまりにもいやらしい光景で目が逸らさない。
 クォドも達した。
 ルゥイギーの中で……中に出したのだ。
 まるでより深い場所に種つけするかのように、腰を奥へ打ちつけるその姿。
 持ち上げられた内腿が体液でてらてらと光り、上気した肌が淡い紅色に色づいている。
 それだけではない。
 ルゥイギーはズボンも下着も完全に取り払われており、長い裾も捲り上げられているから接合部がヒオリからはっきり見えてしまう。
 やはり、しっかりとルゥイギーはクォドのモノを尻で咥え込んでいた。
 地面に滴り落ちる白い液体はどちらのものなのだろうか。
 時折、ルゥイギーの下半身がビクッと跳ねる。
 余韻によるものだと、ヒオリには分かった。

(なんて、いやらしいのだろう……っ)

 胸がドキドキとうるさい。
 二人は濃厚な口づけを交わしたまま、少しの間その時間を楽しんでいた。
 二人ともとても綺麗な顔をしている。
 ルゥイギーも、息が先ほどより落ち着いてくると光悦としていた表情よりも色っぽく、美しい。
 赤い舌を覗かせながらクォドの顔を愛おしそうに撫でる。
 とてもいけないものを見ているようで、いや、その通りだ。
 これは、覗き見だ。
 よくない事だ。
 頭では分かっているのに、動けない。

「んっ、ん……ぅ、ふっ、ふ……は、はぁ、はぁ……」
「はぁ……なあ、もう一回、いいだろう?」
「え……いや、さすがに……」
「明日も移動だけなんだ。楽しめる時に楽しもうぜ」
「ンっ」

 顎を抑えられ、また深く口づけし合う二人。
 ルゥイギーの唇の端から唾液が漏れ伝う。
 こちらまで聞こえるぐちゅぶちゅという激しい水音は、二人分の唾液をルゥイギーの咥内でかき混ぜる音だ。
 ヒオリが黒曜帝に施される口づけよりも、はるかに激しく情熱的な交わり。
 無意識に自分の股間に手を伸ばし、押さえつけていた。
 ようやくルゥイギーの片足は地面に下ろされたが、それは中に入っていたクォドのモノが引き抜かれた瞬間でもあったようで……。

「んぁん! あ……垂れる……」

 なにが、とは野暮だろう。
 先ほど盛大に中に精液を出されていたのだ。
 それが、一物を引き抜かれて垂れている。
 ごくんと生唾を飲み込む。
 喉がカラカラした。
 ルゥイギー、なんという艶のある声を出すのだろう。
 普段の彼を知っているだけに衝撃が波のように襲ってくる。
 眉を寄せ、唾液で唇を濡らし、涙を流して頬を染めているその姿のなんと扇情的な事か。
 対してクォドの意地の悪い顔。
 嬉しそうで、楽しそうで、目の前の獲物をどう食ってやろうかとギラついている。
 ワクワクしている子どものようでもあり、ルゥイギーの首筋に歯を立てた姿は猛獣のようでもあった。
 彼の両足の膝を持ち上げ、力づくで馬車の中に押し込めるとクォド自身も馬車の中へと入っていく。

「ほら足開け、今度は正面から楽しもうぜ」
「いったぁ……頭打った……。乱暴にするなら今日は……アアッ! あっ指、待っ……!」
「まだまだたっぷり中出ししてやるよ。好きだろう? 熱いのが腹に広がる感覚」
「っ……! は、ああぁぁん! 入って、きたぁ!」

 はあ、はあ、と……ヒオリはその声を聞きながら自分のズボンを脱ぎ、下着の前を寛げて立ち上がった自分の性器を擦り始めていた。
 最初は自覚がなかったが、こうなってはもう完全に自分の意思だ。
 もう片方の指を唾液で濡らし、尻の穴へと押し込む。
 湿り気が足りなければもう一度唾液を垂らして……を、繰り返した。

「あっ、あっあっ、あっ、待って……イっちゃう、からぁ、は、やいぃっ! だめぇ、激しいの、イっちゃうってぇっ!」

 音と声。
 ルゥイギーが気持ちよさそうに喘ぐ。
 クォドのそそり勃った一物は、きっと、とても気持ちいいのだろう。
 思い出すのは男性器を模した張り型だ。
 一番最初に、黒曜帝に贈られたもの。
 あれが、今……欲しい。
 指では満足いかない。

(イイ、イイ……! 気持ち、いい……!)

 自分のものを自分で擦り上げながら、尻穴をほじくる。
 物足りない。
 でも気持ちがいい。
 二人の行為はとても気持ちがよさそう。
 羨ましい。

(あ、あぁ……! 僕も、僕も陛下に……!)

 木に背中を預けて、足を開き、指を必死に奥へと挿れようとする。
 角度的にも長さ的にも欲しいところへは届かない。
 それがひどくもどかしい。

「きもちぃ、い! すご、あ……奥、イイ……いぃ、きもちいいっ……クォド、あぁっ、おしり、奥……ひっ、いい……!」

 途切れ途切れの声のリズム。
 彼が突き入れられるのと同じタイミングを計って、自分の中へと指を挿れる。
 先端を擦り、刺激を繰り返し、目の奥がチカチカしながら痺れていく。
 気持ちいい、気持ちいい。

「イク……イクッ、から……あっ……、ンァ、あっ、あっあっ」

 動きが早くなる。
 声の間隔が狭くなる。

(イク……イッちゃう……気持ちよくなっちゃうっ……!)

 声が途切れた。
 下半身が重くなる。
 次の瞬間、体が浮遊感に襲われて頭が真っ白になった。
 ……達した。
 とても、気持ちよかった。

「は……ふぁ……」

 星が煌めく。
 月の光が眩しかった。
 だが、出した直後スゥ、と冷静になる。
 ちらりと後ろを見ると、二人はまだ馬車の中。
 ルゥイギーの喘ぎ声は再開していた。
 クォドの攻めは、まだまだ続きそうだ。

「っ……」

 慌てて立ち去る。
 なんという事を、してしまったのだろう。


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