「【限界突破】なんてやばいスキル誰が使うんだ(笑)」と言われて放置されてきた俺ですが、金級ギルドに就職が決まりました。

古森きり

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王都探索 4

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「いや、話はこれからだぞ!」
「「「え?」」」
「『騎士』をレベル23に上げたと言っただろ!? そうしたらな、職業一覧に『聖騎士見習い』と『闇騎士見習い』が現れたんだ!」
「「え!」」
「聖騎士見習いと闇騎士見習い……?」

 とは?
 魔獣の知識中心——自分の『魔獣博士見習い』のレベル上げで手一杯だったため、職業に関してはまだまだ知識不足。
 エナとティアは驚いた顔をしていたが、聞くからに『騎士』の上位職なのだとは思うが。

「すみません、まだ勉強不足で俺は知らない職業なんですけど……普通とは違うんですか?」
「無理もありません。『騎士』の上位職は『剣騎士』『槍騎士』『盾騎士』『魔法騎士』など、得意武器に特化するものなんです」
「『聖騎士見習い』や『闇騎士見習い』はそれらの複合で、攻撃に特化していると防御回復に特化していると聖騎士、攻撃回避に特化していると闇騎士になるっていわれてるんだよぉ。その両方の『見習い』が出たってことは、全体的に“才能”があったってことじゃない?」
「そうなんですね! すごいってことですね!」
「そういうことですね」

 エルンたちはケイトに「おめでとう」と心から称賛とお祝いを告げる。
 ちょうど料理が運ばれてきたので、店員さんにティアが「すいませーん、お祝いがあったのでケーキとお酒追加でぇ!」と頼む。
 それにケイトは照れに照れて「やややややめてくれ! まだ見習いが出現しただけだから!」と両手を上下左右に動かしまくる。
『聖騎士見習い』と『闇騎士見習い』が取得可能になっただけだと言うが、エナの話からもかなりのレア職が二つも同時に出現したのは数百年に一人のレベルらしい。
 とてもすごいことだ。
 しかし、気になることもあると、エナはエルンに体を寄せてきた。
 すごくいい匂いがする。
 ではなくて。

「ケイトさんはワタシと同じくエルンさんに見習いのレベル上限を上げてもらって、それで『騎士』になったんですよね?」
「は、はい。そうですね」
「ワタシ、まだ『装飾師』になってから作品も少なくて『装飾師』レベルは15なんですけど、ワタシたちのようにやりたくても『才能がない』とか『適性がない』って言われていたのにレベル上限が上がって得た職業の、その上位職がこんなにレアって……ちょっと気になりません? 才能や適性がなければ、ケイトさんのようなレア色が出現しないと思うんです」
「な——なるほど?」

 すごくいい匂いがする。
 じゃなくて。
 あと、顔もとても綺麗だ。
 さすがはエルフ。美人。
 しかも森の爽やかないい香り。
 細身で足が美しい。
 じゃなくて。

「…………。ギルマスに相談してみます」
「ワタシも『装飾師』のレベルが上がって、新しい職業が出たらお知らせしますね」
「は、はい」

 すごく顔が近いしいい匂いがする。
 笑顔が美しい。
 思わず目を背けると、反対側に強く睨みつけてくるティアがいる。

「うちも!」
「え?」
「うちも新しい上位職出てるの! 今日はその話もしようと思ってたんだよねぇー! 『魔法使い見習い』の上位職! 『魔法剣士』と『暴走者バーサーカー』っていうやつぅ」
「「「暴走者バーサーカー!?」」」
「みゅみゅみゅみゅみゅーーーん!?」

 さすがにそれはエルンも聞いたことがある。
 魔人という種族のみが会得できる、二つの最強職のうちの一つ。
 一つは『魔王』。
 もう一つは『暴走者』。
 どちらも魔法と武力に長けていなければならず、『魔王』に関しては『人を導くカリスマ』が必要不可欠という。
『暴走者』はあらゆる種族の最強職をひっくるめても、その中で最強。
 それは『魔王』すら上回る戦闘能力を誇り、世界でも過去にたった一人しかなった者はいないと言われている。
 あまりにも強大な力は神にすら匹敵し、それゆえに戦いになると体力を使い果たすまで動くものすべてを破壊し、その間記憶はない。
 さらに長寿種でありながら、人間程度の寿命になってしまうという。
 対価があまりにも大きいため、出現しても会得する者はいない。

「ま、まさかティア、会得するつもりなのか……!?」
「いくらうちがソロでも『暴走者』はちょっとねぇ……」
「だ、だよな。よかった」
「そうですよね、よかった」

 危うく立ち上がりそうになったケイトとエナが、ゆっくり腰を落とす。
 さすがに『暴走者』は危険すぎる。
 アレは女神エレメンタルプリシスが、創星神タパロンを殺ろうと殺意込め込めで生まれた職種であるため、まさしく『神を殺す力』を持つという。
 女神の殺意がそのまま投影されているので、『暴走者』が生まれたら創星神タパロンは雲隠れする、とまで言われているのだから。

「まぁ、けどぉ~。人間と同じぐらいの寿命はアリなのかもねぇ、とか、考えちゃったり?」
「え?」

 ジッと顔を覗き込まれて思わず仰け反る。
 さっきからエナとティアは顔が近くないだろうか?
 健康的な褐色の肌が角度によって深みを増す。
 真っ白なエナと対照的だ。
 魔人族は大人になると、出るところがかなりバーンとドーンっと出るらしいので、ティナも将来的には——。

(ってなに考えてるんだ!)

 少なくとも、今のティナに大人の魔人特有の色気は皆無。
 なんならエナより絶壁かもしれない。

「ぐぬぬぬぬ……」

 と、エルンと二人の距離を見てまた苦い顔をするケイト。
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