冬の兎は晴の日に虎と跳ねる。【センチネルバース】

古森きり

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心が跳ねる

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「楓くん、退院おめでとう!」
『ありがとうございます』
 
 頭の中に響く声。
 力なく、笑顔を浮かべる相馬楓は少ない荷物の上に子馬のスピリットアニマルを乗せてゆっくり病室から出てきた。
 楓は今日から白虎ビル十三階の1320号室に入室して一人暮らしすることになったのだ。
 冬兎の部屋は1315号室なので、五部屋分隣。
 
「そういえば、楓くんは――家に一度戻るんだっけ?」
『はい。持って来たい荷物がありますから。そのあと定時高校に通って高卒証明だけは取っておきたいかなって。今から大学受験は無理なんで……』
「センター試験終わっちゃったもんね」
『はい。高卒証明だけ取って大学に行くかどうかは、その時考えようかなって。おれはガイドなので、そのまま[花ノ宮]に就職しても問題ないって思うし』
「そうかぁ」
 
 病院の玄関にいた晴虎と合流して、駐車場に向かう。
 楓は父がゾーンアウトして死んだ、と聞いている。
 晴虎が殺したことは知らない。
 母が生きていることは聞かされているが、もう二度と会うことは不可能だということも理解しているそうだ。
 だからこれからは、自分の人生を考えなければならない。
 二年間、地下牢に捕えられていた楓は高校に行くことが叶わなかった。
 なので今から勉強し直して定時高校に通うと決めたらしい。
 しっかりした子だと思う。
 まだ声は出ないようだが、それもいつか時間が解決してくれるはずだ。
 
『冬兎さんは[花ノ宮]に就職するんですよね』
「うん、来月から。明日から仕事納めだから、事務員さんたちは仕事しないってことで」
『そうか、もう十二月も末なんですよね……時間の感覚が全然も戻ってないや』
「少しずつ戻していけばいいよ。あ、年末は烏丸さんが鍋パーティーしようって言ってたから、一緒に参加しない?」
『鍋食べたいです』
 
 微笑む楓に「楽しみだよね」と返す。
 どことなく晴虎が嫌そうな顔になったのが気になった。
 駐車場にはワゴン車が停車している。
 運転手は怪物討伐専門株式会社[花ノ宮]事務所、本部医務チームの一人、パーシャルの猿渡潤介さわたりじゅんすけ
 華之寺と同じく医師免許のある本物の医者。
 ただし、肛門科。
 希望するセンチネル、パーシャル、ガイドにセックス指導を行うとという大変偏りのある担当で、通称『調教師』。
 その顔を見るなり晴虎がここ一番嫌な顔をしたのを、冬兎は思い出して苦笑いした。
 楓の体調のこともあるので、医者免許と運転免許証のある猿渡が運転手になったのだ。仕方ない。
 
「このまま本部に戻る、でいいのかな?」
「はい。あ、楓くん、寄りたいところある?」
 
 ふるふる、と首を横に振る楓。
 必要なものは最低限、入院中に買って来ている。
 
「相馬くんは高校生なんだっけ? 病院でしっかり治してもらったと思うけれど、ガイドとして働くなら粘膜接触のケアもあるから今のうちにしっかり開発しておいた方がいいと思うよ。相談にはいつでも乗るからね」
 
 運転席から後部座席に座った楓に、親指を立てて笑顔でそんなことを言う。
 晴虎からのアイアンクロー。
 これは仕方ない。
 
「夜凪さんも華城くんの専属になる予定なんだろう? 彼のはデカいからねー。いつでも相談しておくれ。拡げるのは得意分野だから! ――いだだだだだだだ! 華城くん砕ける砕ける! シャレにならないよ!」
「力加減間違えそうだなって思うので黙りましょうか」
「間違えちゃダメェ!」
 
 なんとなく、衣緒と同じ系統の匂いがする。
 パーシャルってこういう人が多いのだろうか。
 いや、槙さんもパーシャルだが、こんな系統ではない。
 一緒にしてはいけない。
 
(でも、三十センチの500mlペットボトルサイズをお尻に……いっ、挿入れるなら……ちゃんと指導してもらった方がいいんだろうな……!)
 
 それはなにもケアのためだけではなく、恋人として。
 あの太い腕と大きな胸の中に抱かれたらと想像したら胸がドキドキと高鳴ってしまう。
 
(いや! 早い! まだ早い! まだキスもしてないじゃないか! それなのにこんなこと考えて……あああ! う、浮かれすぎている! 浮かれすぎているぞ僕!)
 
 眉間を揉みほぐす。
 晴虎とはなんだかんだ、一緒にいる時間があまり多く取れない。
 皮膚接触によるケアは毎日しているのだが、夜勤でほぼ毎日いない晴虎と引き続きストレス軽減のために規制正しい生活を心がけるよう指導されている冬兎はすれ違いが続いている。
 一応毎日お弁当は作って手渡しているのだが、手を繋ぐ以上のことがまだできていない。
 おかげで最近は顔を合わせる度に、気がつくと晴虎の唇を見つめている。
 自分がこんなにすけべだったなんて思わなかった。
 生まれて初めての両思い。
 初めての恋人にこんなに浮かれ果てているとは。
 
『どうしたんですか?』
「ど、どうもしてないですっ!」
『……?』
 
 隣の楓にものすごく不審なものを見る目で見られてしまった。
 シートベルトをして、駐車場を出る。
 クリスマスも終わっているのに、昼間ということもあって通行人はとても多い。
 
「あーあ、浮かれちゃってるね~。ここ数年、竜血鬼様のご加護もあって平和ボケしているな」
「そうですね……ちょっと危ない気はします」
「浮かれててすみません!」
「あれ、夜凪さんも浮かれてたの? まあ、ブラック企業から解放された年末は絶対楽しい事間違いないもんねぇ。初めての彼ぴっぴとの夜も期待しちゃうだろうし」
「猿渡さん、そういうところが親父くさいって言われるんだと思います」
「うーん、華城くんは本当言葉の切れ味がいつも鋭い~」
 
 ははは、と笑う猿渡。
 しかし、冬とは否定の言葉なんて出せない。
 その通りだったから。
 信号で停車する車の中で背もたれに寄りかかる。
 一つ前の席に一人で座る晴虎の横顔に見惚れた。
 そして、またその唇に視線がいってしまう。
 
「猿渡さん」
「悲鳴だな。八時の方角。獣の声だ」
「え?」
 
 青になっても発車しないどころか、晴虎が車から降りる。
 車止めに足をかけた瞬間、数メートルジャンプして見えなくなった。
 
「二人は車で待っていて! 緊急車両が通ります! 全車、左に寄ってください!」
 
 猿渡が運転席に備えつけのマイクを手にすると、周辺の車両に注意喚起しながら開いたスペースを急発進して左に曲がる。
 コンビニの駐車場に停車させ、猿渡も車から降りた。
 
「あの――!」
「二人は車から降りないで。君たちはうちの社員ではないし、非戦闘員だ。車内待機!」
「あ……う、は、はい」
 
 トランシーバーは渡されるけれど、まだ使い方を知らない。
 猿渡がジャケットの下から拳銃を取り出して安全装置を外す。
 扉を閉めて、しっかりと鍵までかけていく。
 不安気な楓に、笑いかけて安心させる余裕も冬兎にはない。
 忘れていたわけではないのだが、中央無都は竜血鬼折宮六花の加護の下であっても下級の妖怪や怪物は平然と人を襲う。
 圧倒的に夜がその回数は多いが、時折こうして昼間でも腹を空かせた怪物が暴れる。
 昼間に暴れる怪物は、大体なにかしらの理由で暴走状態になっていることが多い。
 間もなく爆音と建物が爆発する粉塵が見えた。
 
『よ、夜凪さん……』
「ぼ、僕たちはここで待機命令を受けているので、大人しく待とう、ね?」
『は、はい』
 
 実際戦闘においてガイドができることはない。
 華之寺にも言われたことだが、実働部隊は命懸けだ。
 資格や体力や護身術などが必要なのも頷ける。
 今現在、自分はなにもできない。
 こういう局面に遭遇すると、心底華之寺の言っていたことが正しいのだと思い知る。
 
「あ」
 
 粉塵を纏いながら、なにか大きなものがコンビニの方に飛んできた。
 ゴロゴロとコンクリートに回転しながら着地したのは毛のない赤い土の体を持つ怪物。
 
『なにあれ……!』
「グールだ……!」
 
 スマートフォンをかざすと名称が出てくる。
 グール――東南アジア圏発祥の怪物。
 屍肉を好み、生き物に擬態する能力を有する。
 知性は五歳児程度。
 ゾンビと同一視する者もいるが、屍肉が動くゾンビとは決定的に違う、生まれながらの怪物だ。
 四つん這いになって鋭い牙を見せ、吠える。
 
「あ!」
 
 コンビニの方に四つん這いのまま四足獣のように走ってくる。
 ちょうどそこには、コンビニから出て来たカップルの姿。
 襲われる――!
 
「きゃ、きゃああああ!」
「ひいい!」
 
 彼氏が彼女を突き飛ばしてコンビニの中に逃げ込む。
 ええ、と場違いにドン引きしてしまう。
 飛びかからんとしたグールを、オレンジの閃光が叩き飛ばす。
 
「ギャァアッ! ギ、ギイィイ!」
 
 五メートルは吹き飛ぶグール。
 その場に女性を守るように立ち上がったのは晴虎。
 またも場違いに「かっこいい……」と見惚れてしまう。
 体勢を立て直したグールが、晴虎に背を向けて逃げようとした。
 晴虎の腕に精神具現化能力で具現化したパイルバンカーがあり、もう敵わないと本能で察したのだろう。
 杭がキリキリと奥へ押し込まれる。
 グールの足元に数発の銃弾が撃ち込まれた。
 
「今だ!」
「ン」
「ギイアアァアア!」
 
 猿渡のサポートで、晴虎のパイルバンカーの杭がグールに打ち込まれる。
 無惨なほどバラバラに飛び散るグール。
 それを確認してから、晴虎がゆっくりと立ち上がってパイルバンカーをスピリットアニマルの姿に戻す。
 怪物の死体は、砂になって消えていく。
 髪をかき上げる仕草にすら、見惚れてしまった。
 
「晴虎くんかっこいい……」
 
 しかし、精神具現化能力を使ったからなのだろう、表情に疲労感が伺える。
 車に戻ってくる晴虎を、コンビニの入り口にいた女性が呼び止めて頰を染めながら話しかけているのが見えた。
 その様子に、ギョッとしてしまう。
 
『まあ、そうなりますよね。彼氏振られるだろうなぁ』
「ぐ、う……で、でも、でも! 晴虎くんは……!」
 
 と、正式な恋人としては、この場で割って入るべきか。
 しかし車内待機はまだ解かれたわけではない。
 ぐぬぬ、となっていると運転席のドアが開いて猿渡が入ってきた。
 スマートフォンで本部に連絡を入れている。
 
「ああ、炎落町五丁目のコンビニ前だ。標的はグール。華城が討伐済み。だがビルの一部が破壊され、怪我人がいる。俺は現場に戻って応急処置を行うから、救急車の派遣を頼む。二人はこのまま車内で待っていてくれ。迎えがくるはずだ」
「え、あ、あの」
「すまない、怪我人が多いんだ。楽丸、おいで」
 
 猿渡が手を出すと、小さな猿がジャケットの中から現れた。
 あれが猿渡のスピリットアニマル。
 なぜかソーイングセットを持っている。
 首を傾げていると、運転席のドアが閉められてしまった。
 引き続き、車内待機。
 げっそりしつつ、改めて外を見ると晴虎が冬兎よりも、戦ったあとよりもげっそりした表情で真ん中の席に入ってきた。
 
「冬兎さん……」
「はい! あ、お疲れ様です。大丈夫ですか――」
 
 席に座るなり、疲れた顔で手を差し出されて慌てて指を絡める。
 どうして戦った時より疲れ果てているのだろうか。
 
「大丈夫ですか?」
「意味がわからないです。連絡先を聞かれました。女性の後ろに彼氏らしい人が声をかけていたのに、無視して俺に声をかけて……当て馬にされました……」
「うぉ、お、お疲れ様です」
 
 晴虎くん、彼女はさっき彼氏に突き飛ばされているんです、とも言えず、ぐったりした晴虎のケアに努める。
 大きな手に触れていると、なぜか冬兎の方も安心してしまう。
 この手に、もっと触れられてみたい。
 
「恋人じゃなかったのかな」
 
 そう言って外で喧嘩を始めた男女を横目に見る晴虎。
 その視線がどことなく切な気に見えて、冬兎も目を細める。
 
「恋人同士には、見えましたね」
「……ああ、彼氏が彼女を突き飛ばして、一人でコンビニの中に逃げ込んだのか。それは怒られても仕方ない」
「え? 聞こえるんですか?」
 
 車内はかなり防音が利いている。
 外の音も聞こえづらい。
 しかし、晴虎はセンチネル。
 しっかりと喧嘩の内容が聴こえるらしい。
 
「――冬兎さんは、やっぱり俺でいいんですか?」
「え? もちろん、ですけど……え? ど、どうしてですか?」
「俺の仕事って、あの彼氏とやってること大して変わらないです。あなたを最優先にすることって、多分、ないです。……本当にそれでもいいんですか?」
 
 指が解ける。
 離れていく彼の手を、冬兎は両手で掴む。
 まだケアが終わっていない。
 でも、理由はそれだけじゃない。
 
「あなたがいいんです。何度でも言いますけど……僕は晴虎さんのそういうところも、大好きなんですよ」
「でも……いつかきっと……」
「その時は……その時です! えっと、不満ができたらちゃんと相談します!」
「相談」
「はい」
 
 彼女のように、怒りに任せることはないように。
 不満ができたら、ちゃんと彼に告げてどうしたらいいのかを相談する。
 あのカップルは、咄嗟のことすぎて仕方ない気もするけれど。
 
「だから晴虎くんも、僕になにか不満が出たら教えてくださいね。頑張って改善を志します」
「……わかりました」
 
 少し考えてから、顔を逸らされつつそう約束してもらう。
 嫌だったのだろうか、と心配したが目許がほんのりと赤い。
 照れ隠しだと知って、はにかむ。
 
「大丈夫ですよ。ちゃんと、わかってます。明人さんが守りたかったものを、あなたは守りたいんですよね」
「――ちょっと違うんです。本当は」
「え?」
「明人を守れなかったから、明人が守りたかったものを守ることで……生きる理由にしてたんです。冬兎さんに会うまで、俺はいつ死んでも別にいいや、って思ってたので」
 
 目を見開く。
 けれど、ガイドとして開花した時に流れ込んでいた晴虎の感情を思い出すと――それはとても、悲しみに満ちていた。
 心の指針を失って、感情が、心が、静かに死んでいくような感覚。
 自暴自棄だったのだ。
 他人にも、本人にすらそうとわからないように、とても静かに心が死んでいった。
 
「明人を殺した相手に怒りもなにも感じないほど、俺はダメになっていたんですよね。明人を言い訳に使って、生きてる理由づけをしていただけで」
「晴虎くん……」
 
 でも、明人は言っていた。
『僕の大切な晴虎くんを』と。
 だから明人も、晴虎には生きていてほしかったはずだ。
 
「でも冬兎さんが俺の代わりに泣いてくれたから、少し、思い出しました。怒ることとか、喜ぶこととか」
「っ……ほ、本当ですか? 僕、晴虎くんを癒せていますか?」
「はい。――明人が言っていたことも、冬兎さんと一緒にいるとたくさん思い出せます」
 
 晴虎が微笑んでくれる。
 その笑顔がなによりも嬉しくて、手を引き寄せて頰に押しつけた。
 
「明人が、言っていたことがあるんですけど」
「はい、どんなことですか?」
 
 晴虎が彼の話をするのも、嬉しい。
 彼から明人の話を聞くのが。
 だってその時、晴虎が嬉しそうなのだ。
 彼に笑っていてほしい。
 その笑顔を見ると、冬兎も嬉しくなる。
 心が跳ねるのだ。
 
「『一度でいいから、一人でいいから、恋をしてみたい』って。俺も明人も、恋をするの、諦めていたんです。でも俺は……冬兎さんに恋をしました。冬兎さんが好きです、俺」
「…………っっっ」






 終
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sato000
2025.07.26 sato000

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