悪役令息はちょっと浮いてる

あくるめく咲日

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幼少期 Ⅰ

お兄ちゃんは動かない

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 一つ結びのルビーカラーの髪に、可愛いあの子と同じ金色の瞳。
 けれど、あの子とは似ても似つかない無表情。
 
「弟に会わせろ。弟を返せ」
 
 いつものように温度の感じない声には、珍しく苛立ちが乗っていた。
 異母兄弟にしても似ていないと感じるのは、ポーカーフェイスで隠しきれない豊かな表情に柔和な顔つきをしているフィルと違って、目の前の男は無表情で冷血な印象を受けるからだろう。
 
 これはまた面倒な奴に捕まったな、とレジレットは思った。
 
「久しぶりに友達に会ったのに、挨拶もなし?」
 ヴェレト・ナイトガムとレジレット王子は友人同士である。そう思っているのは、レジレットだけかもしれないが。
「はいはい本日もご機嫌麗しゅう。レジレット王子につきましては最近俺の弟と逢い引きをしているようですが、一体何の権利があって弟を独占しているのか」
「王子権限じゃない?」
「……………………」
 おどけるレジレットをヴェレトは真顔で見つめた。
 レジレットはため息をついた。 
 フィルから見つめられた時と雲泥の差だ。心がちっとも弾まない。 
 同い年のヴェレトは実年齢より上に見える端正な顔立ちだが、どうにも石膏像が目の前に置かれているような感覚になる。
 勿論、レジレットが友人と称しているのでヴェレトのことを気に入っているのは確かだが。
 
 フィルに会いに行こうとした道すがらヴェレトに捕まってしまったせいで、久しぶりの友人との歓談よりフィルに一秒でも早く会いたい気持ちの方が勝っている。
 けれど、レジレットにはヴェレトが折角見せてくれた弱点をつついて遊ばない選択肢は無い。 
 ……あと、フィルが『どうせ今日も来るんだろうから』と外出するのをレジレットが来るまで待っていそうな気がするのでそれはそれで早く行ってあげたい気持ちと、待ってくれているいじらしさを堪能したい気持ちがあるので、少しだけレジレットはヴェレトで遊ぶことにした。
 
「冗談冗談。全く、君ってそんなに弟大好きキャラだっけ? 数日引き離されてブラコンに目覚めた? 失ってから気付いちゃった?」
「弟の話はしない主義なだけだ。特に貴方のような人には」
 まるで極悪人のような言い草だが、レジレットはここまで言われるようなことをした記憶は無い。
 二人の間には友情のようなものがあるだけで、決して確執は無い……はずだ。
「フィルは」
「フィールベル」
「……フィルは、兄弟仲は良くも悪くも無いどころか特に何も無いって言ってたよ?」
 レジレットは意地悪のつもりで言ったが、しかしヴェレトの表情は全く崩れない。
 崩れないどころか、頷いた。
 
「関わってないから当然だ」
 どことなく満足気に聞こえるのは気のせいだと願いたいほどに。
 
 流石のレジレットも困惑した。
 
 レジレットの性質は適応能力の高さだ。
 子供らしくない自分と違って子供らしさの塊で成長を生暖かく見守っていた弟の精神年齢が突然ぶち上がり、本能のままだったのに人間らしくなった時。
 両親共々ぶっ倒れたが、レジレットだけは周囲の人間に箝口令を敷いて弟とコミュニケーションを取る事に成功した。
 何を言っているのか分からないということが無いように様々なことを聞いて。
 ほとんどの人間にとっては訳が分からない弟の話を、レジレットだけは理解し対話できるようにした。
 レジレットにとって、何が言いたいのか分からない状況はほとんどない。
 あってもかなり稀。
 今がそれだ。
 
「フィルに関わってないのに、ブラコンなの?」
「フィールベル」
「あだ名で呼ぶことを咎めるくせに本人には関わってないの?」
 レジレットは否定されるのを待ったが、ヴェレトは「当然だろ」と頷いた。二度と肯定して欲しくない。
  
 いやいや、まさか、そんなわけが無いだろう。
 関わってないというのは何も今までずっとという訳じゃないんじゃないか?
 ヴェレトは表情も無ければ言葉数も少なく、誤解されやすいことはレジレットは知っている。
 けれど、そんなことを思いながらどうしてもレジレットの脳裏を過ぎるのはフィルと初めて対話したあの時のフィルの表情だ。
 『ヴェレトの弟』と言ったとき、フィルには少し間があった。
 あの時はてっきり弟呼びが癪に障ったのだろうと思っていたけれど……思い返せばキョトンとしていた気がしてならない。
 ……いや。よそう。
 普通に考えれば、異母兄弟の確執。
 微妙なお年頃の距離のある仲。
 フィルはヴェレトの名前を出しても気まずそうじゃなかった気がするが、気丈に振る舞うところがある。
 レジレットの手に負える話ではない。
 というか、そもそも人の家庭に首を突っ込むべきでは無い。

「これで俺らの尊い兄弟関係が分かっただろ? はやく弟を返せ。経過観察が必要なだけだと聞いたぞ。そんなのは家でもできる」
「いや? その尊い兄弟関係は全く分からなかった。行間まで読んだけど全く」
「しばらく会わないうちに、察しが悪くなったな?」
 これが察して分かると言ったら、それはもう捏造だ。
 喉元まで出かかった言葉をレジレットは飲み込んだ。
 
「ちょっと、兄弟エピソードとか聞きたいな」
 
 にっこり言ったレジレットに、ヴェレトは訝しんだ。
 躊躇したが、好きな何かについて語るという機会に恵まれたことがなかったヴェレトは、弟について語る初めての機会を逃すのは惜しかった。
 普段ならば、弟に興味関心を抱かせたくないので語らないところだが、生憎レジレットは弟に出会ってしまっている。
 しかも、あだ名で呼んでいる。
 それなら語り、あだ名で呼ぶことを悔い改めてもらった方が良いだろうとヴェレトは考えた。
 
 目を閉じて、ヴェレトは記憶を遡る。
 
「そう、あれは春の訪れの日。生まれたばかりのフィールベルは目がまだ開いていなかったが、それはもう綺麗だった」
 レジレットは二度目の困惑を味わった。
「待って、ヴェレト。言いたいことは色々あるけど、とりあえず現実の話をしてくれないかな?」
「俺は現実の話をしている」
「フィルが生まれた時、自分が何歳だと思ってるの? そんな幼い頃の記憶があるの?」 
「当たり前だろう。俺の記憶はお母様が亡くなり、父子揃って泣いて葬儀をした翌日に父親が継母を連れてきた、あの時の父への腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えた辺りから明瞭だからな。フィールベル誕生もしっかり覚えている」
「本当にすまない。己が無知のせいで嫌な思いをさせてしまった。申し訳ない。二度と他人の記憶の始まりを疑わないよう努める。許せ」
「気にするな」
 レジレットが素早く謝罪をするが、ヴェレトは全く気に止めていなかったことなのでいつもの通り無表情で返した。
 そして無表情のまま話を続けた。
 
「この世の中でもっとも綺麗なフィールベルは、綺麗なだけではなく天才だ。
 特に剣の才能が素晴らしい。正に剣聖だった曽祖父の先祖返りだ。祖父も剣聖だが、あれは肩書きを与えられただけに過ぎない。
 心の臓から神聖で純粋な騎士である曽祖父こそが本物の剣聖であり、曽祖父のようなフィールベルは間違いなく素晴らしい剣聖になるだろう」
 ナイトガム家の曽祖父と言ったら、魔法もなしに愛剣一本で騎士団長に駆け上がり辺境だが豊かな土地を与えられるほどの功績を上げた伝説の騎士だ。レジレットも多少は知っている。
 というか、ナイトガム家の基準になっているように思えたのでフィルと知り合ってから調べたのだが。
 ……しかし、これは兄弟エピソードではない。
「それで?」
 この話は前提なだけで、今から兄弟エピソードが始まるのでは?
 そんなことは無さそうだが、レジレットは一応ヴェレトに続きを促した。
 しかし、ヴェレトは短くまとめただけだった。
 
「弟は神聖な存在だ。何人たりとも穢してはならないのがこれでよく分かっただろ? 早く弟を返せ。連れて帰る」

 毅然とした態度のヴェレトに、レジレットは理解するしかなかった。
 兄弟エピソードは話さないのではない。
 無いのだ。
 大真面目にこの話を、兄が語る弟の話を兄弟エピソードと言い張っているのだ。
「ヴェレト、兄弟間で会話をしたことある?」
「話を聞いてなかったのか? あるわけないだろ」
 嗚呼。なんて、頭のおかしいことか。
 
 レジレットはなんだかもう可笑しくてしょうがなかった。
 ここで大笑いをするほど場違いなことはないが、こうなってしまえばもう手を叩いて笑いたい気分だった。やらないが。 
 友人の異常性の今まで気づかなかった自分の鈍さにほとほと呆れたけれど、面白い。
 まさか、ここまでとは。
――理想の弟のためなら、なんでもやったのだこの男は。
 類は友を呼ぶなんてよく言ったものだなぁとレジレットは思った。
 そしてフィルに会いたくてたまらなくなった。
 会話をして、浮いて可愛らしい体を優しく抱きしめてあげたい。
 
 無駄とは言わないが、時間をだいぶ使ってしまった。
 早く行かないと、一緒に庭を散歩する時間が減ってしまう。
 レジレットはようやく話を切りあげることにした。
 
「フィルは帰さないし、返せないよ。安全に経過観察って言ったでしょ? 君の家ではフィルは今よりもっと休まらないよ」
「フィールベルだ。……はあ、愉快犯には話が通じないのは分かっていたがここまでとはな」
 ヴェレトの方がだいぶ話が通じて居なかったよ、とレジレットは言わないであげた。
 
「強行手段だ。弟の所に行くんだろう? 付いていく」
「……良いけど、フィルは帰りたがらないと思うよ」
 そしたら、どうするのだろうか?
 無理やり連れて帰るには、フィルがプカプカ浮いているので難しいし会話もできないんだから触れないんじゃないだろうか?
「説得するに決まってるだろ」
「説得ね」
 今まで会話をしたことの無い兄が突然家に帰ろうと説得してきたら……普通に考えたら怖いだろう。なにか裏があるんじゃないかと思う。
 
 でも、フィルはどうだろうか?
 可愛くて可愛くてたまらないあの子は、騎士らしく振る舞うけれど、誰かを傷付けるのを嫌っているように見える。
 あんなに人のせいに出来る状況でも誰のことも責めない。悲観的な素振りも見せない。
 徹底的に自分の言動で人が傷つくことが無いようにしている。騎士なんて、人を傷つけるものなのに。
 全く、私からするとフィルほど騎士らしくも騎士には向いていない子はいない。
 そんなフィルが、半分とはいえ血の繋がった兄弟にはどんなリアクションをするのだろうか?
 
 レジレットはつい好奇心に駆られてしまったので、とりあえずいくつか言い訳を考える。
 レジレットが立ち会わず突然ヴェレトとフィルが二人きりになる方が酷だろうから、レジレットの前で初の兄弟間の会話をしてもらった方がいいだろう。
 そういうことで。
 
「じゃあ、付いてきたら?」
「そうさせてもらおう」
 
 レジレットが医務室個人部屋に歩き出すと、ヴェレトは斜め後ろをついて歩いた。


――――――――――
フィールベル視点

 一週間も折り返し。もうすぐこの生活も終わる。
 今日は天気がいいから中庭でトレーニングするのもアリだ。全然眠れなかったけど。
 ああ、早く剣を握りたい。
 何も考えなくて済むあの感覚が恋しい。
 今日も今日とてレレ殿下は来るだろうけど、いつ来るんだろう。昨日三回も来たから、流石に午後か?
 今後は一日一回行動に留めて欲しい。レレ殿下も暇では無いはずなんだから。
 ……というか、今日も来るのか……来るよな。
 ……耳のキスは、どういうリアクションをするのが正解なんだろうな……。
 悶々としていると、レレ殿下が来た。
 
「おはよう、フィル。昨日はよく眠れた?」
 すごく自然な来訪に拍子抜けした。
「……おはようございます」
 意識しているの俺だけなようで、本当に腹立つ。
 最近薄々思い始めたんだけど、この人は俺のリアクションで遊んでないか?
 耳の裏にまだ熱がこもっている気がしているのは俺だけ?
 そう思ってレレ殿下の唇をこっそり見る。
 厚さがあまりあるようには見えないけど、柔らかいのを知っている。冷たそうに見えて、暖かいのも。
 あんまり見ていると、バレてまたからかわれるので目を逸らす。
 けれど、目を逸らした隙にレレ殿下は俺の隣に立って。
 耳元で囁いた。
「露骨に意識してて可愛いね」
 この人は本当に意地が悪い!
「そんなことないです。俺はいつも通りです。気にしてません!」
「あれ? 気にしてないなら今後挨拶の度にしようか」
「気になって仕方が無いのでやめてください」
 
 そんなやり取りを一通りしていると、レレ殿下が閉めた扉がゆっくり……それはもうゆーっくりと開き始めた。
 ……一体なんの演出だろうか。
 ホラー?
 それにしてはまだ午前中だ。せめて早くても夕方とかに出て欲しい。
 俺は見習いとはいえ騎士だからホラー系には耐性があるから全く怖くない。聖なる騎士は魑魅魍魎を斬れるものだ。
 しかし、扉が開ききって登場したのは、子供だった。
 子供、とはいえ俺も子供だけど。殿下より少し背が高い子供だから、俺より年上だろう。
 ザクロの実のような髪の色に何処かでよく見る金の瞳。
「……」
 無言だ。
 仰々しく登場したのに、無言。
 なんか既視感がある。
 そうだ、確かつい昨日思いを馳せたばかりな気がする。 
 いや、でも……もしそうならどうしてここに? 違う意味のホラーかもしれない。
 
 疑問はあるが、無言で目を合わせているのも辛い。
 アロイズ様の時に面識があることをすっかり忘れていた前科があるので、心当たりがあるなら声を掛けるべきだと、思う。
 
「……ヴェレト兄さん……ですか?」
 
 我ながら変な声がけになってしまったけど、許して欲しい。
 実は会話は碌にしたことがない。
 そして、実はあんまり顔を見合せたことが無い。
 ヴェレト兄さんは両親より祖父母に懐いてたからそっちの方に行っていたり、家の中で勉強ごとの方をやっていたような……でも、稽古もしていたような。
 そして俺は早朝から稽古なので、外にいる。稽古場で顔を合わせないのは、多分俺には師匠が付いていて特別メニューだから。 
 そういうすれ違いがあるからあんまり兄弟という感じがしないのも仕方ないだろう。

 俺に声を掛けられた兄はゆっくりと一礼した。人形劇でもスムーズだぞと思うくらいたどたどしかった。
 そして、眉ひとつ動かさずに淡々と話し出した。
「フィールベル、お兄ちゃんです。お久しぶりです」
「あ、はいお久しぶりです」
 初めて聞く兄の声。記憶の片隅にもない。本当に初めて聞いた。
「今日この頃、どのようにお過ごしですか?」
「浮いてます」
「そうですか」
 会話終了。
 ヴェレト兄さんは停止した。
 
 ……な、何しに来たんだろう。
 お見舞いに来てくれたんだろうか?
 何かを知っていそうなレレ殿下の方を見ると殿下は小さな声で「緊張をし過ぎてるみたい」と教えてくれた。
 緊張のし過ぎで人ってこんな人形みたいなことになる?
 
「……家に帰って来なさい」
「ヴェレト兄さん、俺は家出した訳じゃないんですよ」
 ヴェレト兄さんは天然なのかもしれない。
 
「家で療養しなさい」
「家ですか?」
 ここでようやく分かった。
 どうやら、家に連れて帰ろうとしているらしい。
 
 確かに、世間体を考えると家の方がいい。
 傍から見ると俺はしばらく入院しているわけなので、知っている人からすれば何事かと大事になるかもしれない。
 俺に必要なのは治療じゃない。療養なから家でも構わないはずだ。
 ナイトガム家は遠くないから、王城の医務室で療養じゃなくても家に帰ればいいだけだ。

 折角、ヴェレト兄さんも迎えに来てくださったんだから。家に連れて帰ってもらった方が良い。
 移動中ちょっと浮いてても、魔法ではしゃいだ子供だ。誰も事故のせいとは思わない。

「そうですね、確かに家に……」
 そこまで言うと、ヴェレト兄さんの顔はぱあと明るくなったような気がした。
 けれど、俺は隣と目が合った。
 目が合うという行為は、つまり目が合っているという訳で。
 お互いに見ないと成立しない。
 レレ殿下は目が合った時は微笑んだけれど、じっと俺を見つめている。
 一週間、夢みたいなもの。それも、折り返し。
 この悪夢が終わったら、レレ殿下が毎日来てくれるなんてことない。
 俺らは交友関係なんて深めてないから友達にはならないだろう。
 あとはもう護る騎士と護られる王になる未来まで関わることなんてないんじゃないか?

 俺はヴェレト兄さんに謝った。
 
「ごめんなさい兄さん、実は医務室にいた方が都合がいいんです。帰れません」
「……!」

 家はずっとあるけど、レレ殿下は今しかないし。
 仕方ない。うん。
 というか、こんなに行儀の悪い姿で、親に合わせる顔とかないし。
 
 レレ殿下のキラキラした目線と、ヴェレト兄さんの停止にいたたまれないけど。

 また兄がゆーっくり帰って行ったら、レレ殿下はあろうことか俺にぎゅうぎゅうと抱き着いてきた。
「フィルが私を選んでくれた。とっても嬉しい」
「いや別に理由はそれだけじゃないです」
「それだけじゃないって……可愛い」
 そして前回とは違う方の耳の裏にあの柔らかな感触と熱。ちゅっちゅっとリップ音がした。
 
 ……気が緩みすぎてるな、俺。
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