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ダンジョン攻略の7 大魔王、現る
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「よく来たわね」
闇の中に地響きのような声が響いた。
「私の物語を滅茶苦茶にしてくれた者達......」
壁のそこここに焔が灯り、現れた姿は青い顔に真っ赤な髪、ねじ曲がった二本の角......まごうことなき魔王の姿だった。
口元から覗く牙は天を突き破るかと思うほどに巨大で、鋭利だ。
魔王はこちらを見回すと、長く尖った爪を俺の方に突き出した。
「ラフィアン、あんたキャラ変わりすぎよ。傲慢で見栄っ張りで愚かな美少年のはず。......断罪されてモブに玩具にされて我が身を嘆くはずだったのに」
「ふざけんな。僕の生き方は僕が決める。あんたの勝手になんかさせない」
そうだ俺は人形じゃない。お前の好き勝手になんかさせない。
「脇役キャラの癖に」
ごぉ......と炎のような息を吐いて、魔王が叫んだ。
そして、その爪をゆらりと揺らめかせて、アントーレに向けた。
「アントーレ、なんてポンコツなの。私の設定では、完全完璧な王子様なのに。ラフィアンを断罪するはずだったのに」
「主人公が攻略してこなかったんだ。断罪する理由は無いだろ」
魔王の言葉に反駁するアントーレ。魔王が再びごぅ......と火を吐いた。
「そうよ。あの子ったら、せっかく野心家のモテキャラに作ってあげたのに。ちっとも攻略しないばかりか、ラフィアン、あなたに惚れるなんて滅茶苦茶もいいところだわ。だからお仕置きしてあげたわ」
魔王がニヤリと笑い、指差した先を見て、俺達は戦慄した。中空にクリスの映像が浮き上がった。触手に宙吊りにされて、無数のゴブリン達が群がっている。
「ラフィアン、あの子がモブに犯される姿はどう?本当はあなたがああなるはずだったのよ」
魔王の裂けた口がニィと笑った。
「ふざけるな!クリスを離せ!」
叫ぶ俺に、魔王は大気を揺るがして高笑いした。
「ほほほ......。私に作られたキャラの癖に、創造主に逆らうつもり?まぁいいわ。ラフィアン、あなたには別なシナリオも用意してあるから」
「別なシナリオだとぉ!?」
ー社長に捩じ込もうとした、あれかー
俺とレイトン先生、すなわち課長は密かに目配せした。
「そうよ。アントーレに断罪されそうになったラフィアンが、横恋慕していた皇太子をたらし込んで、『ざまあ』するの。でもその代わりラフィアンは皇太子に監禁されて調教されるんだけどね」
うわ。こいつ根っからの変態だわ。
「いい加減にしろ!ラフィにそんなことはさせない!」
怒りMAX になったマグリットが、やにわに魔王に斬りかかった。ルードヴィヒが同時に魔法を放つ。が、魔法は難なく跳ね返され、マグリットは魔王に壁に叩きつけられた。
「マグ、大丈夫か?」
俺は急いでマグリットを抱き起こした。強く叩きつけられて骨折している。必死で治癒魔法を施す。
「モブの癖に、意気がるんじゃないわよ。ラフィアンと敵対するはずなのに、仲良しなんて冗談じゃないわ。まぁ別シナリオではラフィアンを助けに行って皇太子に殺される運命だけどね」
せせら笑う魔王に今度はアントーレが斬りかかった。が、これもああっさり弾き飛ばされた。が、レイトン先生の防御魔法が辛うじて激突からアントーレを守ってくれた。ありがとう先生。
魔王は冷ややかに俺達を見下ろし、口元を歪めた。
「あんた達キャラクターには、私は神なの。勝てるわけないでしょ。腹立つわ~。少し思い知らせてあげるわ」
片手を高くかざした魔王の頭上で真っ黒な気が渦巻いていた。
俺達は死を覚悟した。
その時だった。
闇の中に地響きのような声が響いた。
「私の物語を滅茶苦茶にしてくれた者達......」
壁のそこここに焔が灯り、現れた姿は青い顔に真っ赤な髪、ねじ曲がった二本の角......まごうことなき魔王の姿だった。
口元から覗く牙は天を突き破るかと思うほどに巨大で、鋭利だ。
魔王はこちらを見回すと、長く尖った爪を俺の方に突き出した。
「ラフィアン、あんたキャラ変わりすぎよ。傲慢で見栄っ張りで愚かな美少年のはず。......断罪されてモブに玩具にされて我が身を嘆くはずだったのに」
「ふざけんな。僕の生き方は僕が決める。あんたの勝手になんかさせない」
そうだ俺は人形じゃない。お前の好き勝手になんかさせない。
「脇役キャラの癖に」
ごぉ......と炎のような息を吐いて、魔王が叫んだ。
そして、その爪をゆらりと揺らめかせて、アントーレに向けた。
「アントーレ、なんてポンコツなの。私の設定では、完全完璧な王子様なのに。ラフィアンを断罪するはずだったのに」
「主人公が攻略してこなかったんだ。断罪する理由は無いだろ」
魔王の言葉に反駁するアントーレ。魔王が再びごぅ......と火を吐いた。
「そうよ。あの子ったら、せっかく野心家のモテキャラに作ってあげたのに。ちっとも攻略しないばかりか、ラフィアン、あなたに惚れるなんて滅茶苦茶もいいところだわ。だからお仕置きしてあげたわ」
魔王がニヤリと笑い、指差した先を見て、俺達は戦慄した。中空にクリスの映像が浮き上がった。触手に宙吊りにされて、無数のゴブリン達が群がっている。
「ラフィアン、あの子がモブに犯される姿はどう?本当はあなたがああなるはずだったのよ」
魔王の裂けた口がニィと笑った。
「ふざけるな!クリスを離せ!」
叫ぶ俺に、魔王は大気を揺るがして高笑いした。
「ほほほ......。私に作られたキャラの癖に、創造主に逆らうつもり?まぁいいわ。ラフィアン、あなたには別なシナリオも用意してあるから」
「別なシナリオだとぉ!?」
ー社長に捩じ込もうとした、あれかー
俺とレイトン先生、すなわち課長は密かに目配せした。
「そうよ。アントーレに断罪されそうになったラフィアンが、横恋慕していた皇太子をたらし込んで、『ざまあ』するの。でもその代わりラフィアンは皇太子に監禁されて調教されるんだけどね」
うわ。こいつ根っからの変態だわ。
「いい加減にしろ!ラフィにそんなことはさせない!」
怒りMAX になったマグリットが、やにわに魔王に斬りかかった。ルードヴィヒが同時に魔法を放つ。が、魔法は難なく跳ね返され、マグリットは魔王に壁に叩きつけられた。
「マグ、大丈夫か?」
俺は急いでマグリットを抱き起こした。強く叩きつけられて骨折している。必死で治癒魔法を施す。
「モブの癖に、意気がるんじゃないわよ。ラフィアンと敵対するはずなのに、仲良しなんて冗談じゃないわ。まぁ別シナリオではラフィアンを助けに行って皇太子に殺される運命だけどね」
せせら笑う魔王に今度はアントーレが斬りかかった。が、これもああっさり弾き飛ばされた。が、レイトン先生の防御魔法が辛うじて激突からアントーレを守ってくれた。ありがとう先生。
魔王は冷ややかに俺達を見下ろし、口元を歪めた。
「あんた達キャラクターには、私は神なの。勝てるわけないでしょ。腹立つわ~。少し思い知らせてあげるわ」
片手を高くかざした魔王の頭上で真っ黒な気が渦巻いていた。
俺達は死を覚悟した。
その時だった。
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