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魔王はいなくなったけど......
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俺達は、再び転移魔法で、ラムダの街に戻った。
酒臭いのはさすがにマズイので、俺達はポーションで体内浄化して、何食わぬ顔でサマリアの屋敷に戻った。
俺はレイトン先生に戻った課長と共に先生の部屋へ。エメルさんの宮下先輩は自分の部屋へそれぞれ転移した。
俺はマグリットと同室なので
『先生に教えてもらいたいことがあるから』
とマグリットに言って先生の部屋から転移した。
戻ってきたのは、夜中近い時間だったから、こっそりと部屋の扉を開き、自分のベッドに潜り込む予定だった。
けど.....。
マグリットはまだ起きていて、部屋に。入った途端に逞しい腕に抱きしめられた。
「お帰り」
という声はちょっと怒っている感じだったけれど、先生と俺の間に間違いは起こらないのを信じている。
「ただいま」
と笑顔を見せると、ほっとしたように、微笑んで深いキスをひとつされた。
「風呂に入ってくる」
俺は、マグリットに先に寝ていてくれるように言い、部屋に備え付けの風呂場に向かった。
魔法で湯船に湯を満たし、ゆっくり身体を沈めた。魔法が使えるのは本当に便利だ。
ふぅ.....と息をつき、モザイク模様の壁を見つめる。
ースゥエン兄さん......ー
アントーレは庇ってくれたけど、辺境伯にアントーレを殺すよう命令したのは、間違いなくスゥエン兄さんだ。
ーでも、何故......ー
ウィスタリア殿下が俺に興味を示したのは確かだけど、だからといってアントーレを殺させなければならないほどの話じゃない。
俺はアントーレの嫁になる気は全く無いし、それはウィスタリア殿下に対しても同じだ。と言うより誰の嫁にもなる気は無い。
ーだって俺は男なんだし......ー
マグリットの事は大好きだけど、それとこれとは話が違う。
俺はやはり俺の尻の無事は守りたい。
と言うより、そんな些細な理由で実の弟の生命を狙うだろうか?
もし、ウィスタリア殿下がアントーレの生命を狙う理由があるとすれば、
ー謀叛......?ー
だが、アントーレにそんな気は全く無い。少なくとも俺が見ている限りでは、玉座への野望なんてこれっぽっちも感じない。
誰かがアントーレを担ぎ上げて次の皇帝の座を奪わせようとしても、あのポンコツでは賛同する家臣などいるはずもない。
アントーレの謀叛をでっち上げたところで、証拠だて出来るものが全く無い。
たとえスゥエン兄さんが、アントーレの謀叛をでっち上げてウィスタリア殿下に吹き込んだにしても、あまりに信憑性が無さすぎる。もし、それを理由にアントーレを断罪させようとするにしても、あまりに意味が無い。
アントーレが何をしようと、少なくともウィスタリア殿下の皇太子の地位が揺らぐ事は無いし、ぶっちゃけなんの影響もない。
ーならば、どうして......?ー
そこで俺の思考は止まった。
ふと風呂場の扉を小さくノックする音が耳を捕らえた。
「誰?マグ?」
のそりとマグリットの大きな身体が風呂場の扉の隙間から覗いた。
「ごめん。......あんまり出てこないから、倒れてるんじゃないかと思って」
「あぁ、大丈夫だよ」
単に長風呂なだけなんだけど、俺は。
するとマグリットは少しばかりほっとしたような表情で、躊躇いがちに口ごもって言った。
「一緒に入ってもいいか?」
「え?別に構わないよ。背中流してやろうか?」
「いいのか?」
「だって男同士だろ?なんかマズいことでもあるのか?」
俺はまだマグリットのパオンを甘く見ていた。
酒臭いのはさすがにマズイので、俺達はポーションで体内浄化して、何食わぬ顔でサマリアの屋敷に戻った。
俺はレイトン先生に戻った課長と共に先生の部屋へ。エメルさんの宮下先輩は自分の部屋へそれぞれ転移した。
俺はマグリットと同室なので
『先生に教えてもらいたいことがあるから』
とマグリットに言って先生の部屋から転移した。
戻ってきたのは、夜中近い時間だったから、こっそりと部屋の扉を開き、自分のベッドに潜り込む予定だった。
けど.....。
マグリットはまだ起きていて、部屋に。入った途端に逞しい腕に抱きしめられた。
「お帰り」
という声はちょっと怒っている感じだったけれど、先生と俺の間に間違いは起こらないのを信じている。
「ただいま」
と笑顔を見せると、ほっとしたように、微笑んで深いキスをひとつされた。
「風呂に入ってくる」
俺は、マグリットに先に寝ていてくれるように言い、部屋に備え付けの風呂場に向かった。
魔法で湯船に湯を満たし、ゆっくり身体を沈めた。魔法が使えるのは本当に便利だ。
ふぅ.....と息をつき、モザイク模様の壁を見つめる。
ースゥエン兄さん......ー
アントーレは庇ってくれたけど、辺境伯にアントーレを殺すよう命令したのは、間違いなくスゥエン兄さんだ。
ーでも、何故......ー
ウィスタリア殿下が俺に興味を示したのは確かだけど、だからといってアントーレを殺させなければならないほどの話じゃない。
俺はアントーレの嫁になる気は全く無いし、それはウィスタリア殿下に対しても同じだ。と言うより誰の嫁にもなる気は無い。
ーだって俺は男なんだし......ー
マグリットの事は大好きだけど、それとこれとは話が違う。
俺はやはり俺の尻の無事は守りたい。
と言うより、そんな些細な理由で実の弟の生命を狙うだろうか?
もし、ウィスタリア殿下がアントーレの生命を狙う理由があるとすれば、
ー謀叛......?ー
だが、アントーレにそんな気は全く無い。少なくとも俺が見ている限りでは、玉座への野望なんてこれっぽっちも感じない。
誰かがアントーレを担ぎ上げて次の皇帝の座を奪わせようとしても、あのポンコツでは賛同する家臣などいるはずもない。
アントーレの謀叛をでっち上げたところで、証拠だて出来るものが全く無い。
たとえスゥエン兄さんが、アントーレの謀叛をでっち上げてウィスタリア殿下に吹き込んだにしても、あまりに信憑性が無さすぎる。もし、それを理由にアントーレを断罪させようとするにしても、あまりに意味が無い。
アントーレが何をしようと、少なくともウィスタリア殿下の皇太子の地位が揺らぐ事は無いし、ぶっちゃけなんの影響もない。
ーならば、どうして......?ー
そこで俺の思考は止まった。
ふと風呂場の扉を小さくノックする音が耳を捕らえた。
「誰?マグ?」
のそりとマグリットの大きな身体が風呂場の扉の隙間から覗いた。
「ごめん。......あんまり出てこないから、倒れてるんじゃないかと思って」
「あぁ、大丈夫だよ」
単に長風呂なだけなんだけど、俺は。
するとマグリットは少しばかりほっとしたような表情で、躊躇いがちに口ごもって言った。
「一緒に入ってもいいか?」
「え?別に構わないよ。背中流してやろうか?」
「いいのか?」
「だって男同士だろ?なんかマズいことでもあるのか?」
俺はまだマグリットのパオンを甘く見ていた。
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