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検討会は続く
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チーム青薔薇のミーティングは終わった。
アントーレの二宮は、どうしても皇帝陛下とウィスタリア殿下に会って、秘宝の剣を返したいという。
『あれは皇位継承者に与えられるアイテムなんですよ』
つまり本来なら主人公が持つべきだったのだが、アントーレがダンジョン攻略に参加したことで、主人公の皇位継承は無くなった。
『けど、僕はアントーレを皇帝にはしたくないんです。家族がいさかいを起こすのは、嫌です』
宮下さんのエメルが大きく頷く。
前世、二宮は、家族を早くに亡くしている。この世界で得た家族に執着があるのは気持ちとしてわかる。
『ウィスタリア殿下も策略家ではありますけど、小さい時はアントーレを可愛がってくれてましたから.....』
アントーレとウィスタリア殿下は決して不仲ではない、と二宮は言う。ただ、猜疑心が強いので、アントーレは敢えて兄と並び立つような人間ではないとポンコツに徹していたらしい。
『アントーレは兄が好きなんです。兄が皇帝になることをのぞんでいる』
だから剣は絶対に返さなければならない、という。
アントーレはみんなを集め、ひとまず王都に帰ることを伝えた。
エメルさんが皆を見渡しながら念を押すように言う。
「まずは、アントーレを無事に皇帝に謁見させないとな」
クリスの得てきた情報では、ウィスタリア殿下に特に動きは無い、という。
「やはり......な」
宮下さんのエメルは兄ふたりのいさかいで、皇位継承者になった。
「私、エメルだって望んで皇位継承者になったわけじゃない」
上の兄ふたりが、突然に父親に反旗を翻した。そのために追放になっただけだ、という。
「やり方がな...似てるんだよな」
エメル(宮下)さんが顔をしかめた。
エメルさんの兄達は、何者かが吹き込んだ偽りによって父親に排除されると誤解した結果、反乱を、起こそうとして鎮圧された、という。
だから、アントーレが兄と戦わないことを選択したのは賢明だ、というのだ。
エメルさんの母国、コンスタンツィア帝国でも重臣にあたる貴族がふたりを煽動した。が、その重臣はさほど頭の効く男ではなかったらしい。
マーラー帝国でもサイラス家の後ろにいるヤツが気にかかる、という。
「黒幕がな、いるんだよ。何処かに」
エメルさんは再びクリスにサイラス家の動きを、特に父上の動きを探るように命じた。
「スウェン兄さんじゃなくて?」
いぶかる俺にエメルさんが言った。
「スウェンは駒だ。いいか、隠居が早すぎるだろ?そういう場合は大概、裏で動きやすくするために表から退くんだ」
俺達はまず危険を極力避けるためにやはり転移魔法を使うことにした。
転移先は、レイトン先生の家だ。レイトン先生がアントーレをルードヴィヒがリヴァロ先生、俺がマグリットを転移させることにした。
エメルさんはみんなの転移を見届けて、馬で戻る、という。
『少し用事があってな』
軽くウィンクして、エメルさんは何処かへ馬で走り去った。
宮下さん、どこでそんな技、覚えたんですか?!
アントーレの二宮は、どうしても皇帝陛下とウィスタリア殿下に会って、秘宝の剣を返したいという。
『あれは皇位継承者に与えられるアイテムなんですよ』
つまり本来なら主人公が持つべきだったのだが、アントーレがダンジョン攻略に参加したことで、主人公の皇位継承は無くなった。
『けど、僕はアントーレを皇帝にはしたくないんです。家族がいさかいを起こすのは、嫌です』
宮下さんのエメルが大きく頷く。
前世、二宮は、家族を早くに亡くしている。この世界で得た家族に執着があるのは気持ちとしてわかる。
『ウィスタリア殿下も策略家ではありますけど、小さい時はアントーレを可愛がってくれてましたから.....』
アントーレとウィスタリア殿下は決して不仲ではない、と二宮は言う。ただ、猜疑心が強いので、アントーレは敢えて兄と並び立つような人間ではないとポンコツに徹していたらしい。
『アントーレは兄が好きなんです。兄が皇帝になることをのぞんでいる』
だから剣は絶対に返さなければならない、という。
アントーレはみんなを集め、ひとまず王都に帰ることを伝えた。
エメルさんが皆を見渡しながら念を押すように言う。
「まずは、アントーレを無事に皇帝に謁見させないとな」
クリスの得てきた情報では、ウィスタリア殿下に特に動きは無い、という。
「やはり......な」
宮下さんのエメルは兄ふたりのいさかいで、皇位継承者になった。
「私、エメルだって望んで皇位継承者になったわけじゃない」
上の兄ふたりが、突然に父親に反旗を翻した。そのために追放になっただけだ、という。
「やり方がな...似てるんだよな」
エメル(宮下)さんが顔をしかめた。
エメルさんの兄達は、何者かが吹き込んだ偽りによって父親に排除されると誤解した結果、反乱を、起こそうとして鎮圧された、という。
だから、アントーレが兄と戦わないことを選択したのは賢明だ、というのだ。
エメルさんの母国、コンスタンツィア帝国でも重臣にあたる貴族がふたりを煽動した。が、その重臣はさほど頭の効く男ではなかったらしい。
マーラー帝国でもサイラス家の後ろにいるヤツが気にかかる、という。
「黒幕がな、いるんだよ。何処かに」
エメルさんは再びクリスにサイラス家の動きを、特に父上の動きを探るように命じた。
「スウェン兄さんじゃなくて?」
いぶかる俺にエメルさんが言った。
「スウェンは駒だ。いいか、隠居が早すぎるだろ?そういう場合は大概、裏で動きやすくするために表から退くんだ」
俺達はまず危険を極力避けるためにやはり転移魔法を使うことにした。
転移先は、レイトン先生の家だ。レイトン先生がアントーレをルードヴィヒがリヴァロ先生、俺がマグリットを転移させることにした。
エメルさんはみんなの転移を見届けて、馬で戻る、という。
『少し用事があってな』
軽くウィンクして、エメルさんは何処かへ馬で走り去った。
宮下さん、どこでそんな技、覚えたんですか?!
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