バックレそびれた(元)悪役令息の冒険日記

大団円......だよね？

　父の謀叛で、当然、家の公爵位は剥奪。兄さん達は父の謀叛をいち早く陛下や殿下に伝えたので、断罪は免れ、庶民には降格したけど、命は無事。
　スゥエン兄さんは地方の下っ端役人に、トリスタン兄さんは国境警備隊で一からやり直し。

　でも甘くないすか？陛下。

『未来ある若者は大事にしないとな』

　温情感謝いたします。
　でも、父さんと兄さん達、仲悪かったのね、知らなかった。
　俺、ラフィアンを政治の道具にされるのが嫌だったんだって。
　スゥエン兄さんがウィスタリア殿下に手引きしたのは、宮中にいれば、すぐ会えると思ったんだって。どんだけブラコンよ。ウィスタリア殿下と仲いいはずだわ。



　で、大きな疑問なんだけど......

　父がなぜダルニア国に通じていたかというと.....

　なんのことはない。ダルニア国の宰相の家から養子に入ったんだって、だから代々狙ってたんだね、サイラス家。さすが悪役令息の実家。
　エメルさんとこの重臣も同じ。


　てことで、ダルニア国、両方の大国から攻められて滅亡しました。南無南無.....自業自得ですね。攻撃の総大将はもちろんアントーレ......ではなくエメルさんです。当然ですね。




で、俺達はどうしたかというと.....。

　俺のラフィアンも父親が公爵位を剥奪されたので、庶民に降格。当然、王族との婚約は解消。万歳！
　で、マグリットとルードヴィヒは悪事に加担させられた(してないけど)、ということで国外追放。名目上だけどね。



　なので、俺達は今、コンスタンツィア帝国の帝都で暮らしてます。
　俺は皇室御用達の街の治療師。マグリットは、コンスタンツィアで騎士団に雇用されて、ルードヴィヒも同じようにコンスタンツィアで魔術師やってます。

　ワグナー先生、泣くかと思いきや、コンスタンツィアの方が魔術は進んでるから、修行に調度いいって、ドライなもんね。


　アントーレは......。
　エメルさんの嫁になりました。

　も一回言います。
　エメルさんの嫁です。

　結局、エメルさんが、皇帝になるらしいので、皇配です。
　良かったね、アントーレ。

　かなりウィスタリア殿下と揉めたらしいんですが、

『ブラコンもいい加減にしろ！』

ともぎ取ってきたらしいです。



　ぶっちゃけ、宮下さんは二宮が好きだったわけですね。隠してたけど。知ってました、俺。
　二宮、課長と同じ性向だったけど、この世界なら問題なし。お前、性格M だしな、絶対ネコのほうだ、うん。俺の尻の痛みを知れ！

　とは言うものの、結構仲良くやってるらしいです。仲睦まじくて有名ですもん。国内で。

　ま、いいんじゃね？


　あ、俺もマグリットの嫁してます。ちなみにカカア天下です。

　ルードヴィヒはによによして見てましたが、近々引っ越します。
パートナーが出来た模様。

　課長のレイトン先生とは離れたけど、定年になったらこっちの海辺のリゾートに移住する計画らしい。


　結局、婚約者からも、サイラス家からも、マーラー帝国からもバックレたけど、チーム青薔薇からはバックレられませんでした。


　恐るべし、青薔薇の呪い！？(笑)