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本編 (紘目線)
どうしようもない後悔
しおりを挟むそれから三倉とは話さなくなった。
たまに困ったように眉を下げてこちらを見てくるのが憎たらしくてこちらからは声をかけない。あいつから声をかけてくればと思っていたら2ヶ月経とうとしていた。
俺に告白しなくなった三倉はモテた。
クラスの奴も一年の頃から俺にずっと告白し続けていたことを知ってる奴も三倉を好きだと言う。
三倉はまだ首を縦にはふっていないみたいだが、それがなおさらムカついた。
どうして俺への告白を止めたんだ。
そう一言聞けばいいのに、話しかける気が起きない。
告白に頷かないのは俺のことをまだ好きだからなんだろ。
そう聞きたいのに、三倉の前じゃ口が開かない。
意地になっているのは分かっていた。高校生らしくもないが、俺はプライドばかりが高くて。だから俺は最悪手を取った。
三倉は泣いていた。
好きな女からの貰い物だと思ったチョコは俺へのバレンタインチョコだったらしい。
破かれた手紙は俺へのラブレター。
三倉からの告白を、俺は見事にぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てさせた。
走り去ったあいつはごめんと俺に謝った。
最悪だ。
もうクラスメートにどう思われるかなんて考えなかった。
ゴミ箱を漁って真っ二つに破いた手紙を握りしめて走る。三倉は俺よりも足が早くて追い付けない。
俺が謝るべきなのに。
プライドとか意地とかそんな小さな物を守るために三倉は傷付いた。いや、今だけじゃない。
ずっと俺は三倉を傷つけていたのに、俺は認められなかった。
随分前から三倉が好きだ。
男同士とか相手が俺より格好いいとか思うところはあったけど、そんなの通り越してもう夢中だ。
告白される度に嬉しくなるし、クリスマスだって一緒に祝いたいし、誕生日はメッセージが来ないかと夜更かしした。
告白だって優越感に浸れるからとかじゃなくて、純粋に好意を喜んでいた。
卒業までは、この関係も悪くないって思ったんだ。
卒業式の前に俺から告白して、大学生になったらバイト先に送り迎えとかして、記念日はお揃い買ったりして。
俺からのプレゼントに喜んだり照れたり驚いたりしているところを見ていくつもりだった。
全部あいつが俺のことをずっと好きでいてくれることが前提なことに気が付きもしないで。
告白はもうしないって言われて拗ねて、三倉のこと傷つけたこと見て見ぬふりして怒ってまた傷つけて。
誰がこんな奴、好きになるんだよ。
結局追い付けなくて、それから三倉は1週間、高校を休んだ。
あれだけ酷いことをしたのに、手紙は5通もあった。諦めきれなくてごめんなさいと始まる手紙には俺の好きなところとか俺にされて嬉しかったこと、最後にもう告白はしないけど思い続けることだけは許してくださいと書かれていた。
謝らなきゃいけないのはこっちだ。
謝るし心を入れ換えるし俺から気持ちを伝えるから、許して欲しい。
話がしたい。
相変わらず、メッセージに既読はつかない。
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