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三章
25/蓮美、帰還す
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何があったんだろう。
職員室内は荒れに荒らされた荒れっぷりだ。
散乱した書類、ひっくり返された引き出しに散らばった文房具。
壁には獣が引っ搔いたような爪痕もある、何かあったのかと出勤した蓮美は心配した。
出勤時間は過ぎているのに職員室には誰もいない為、尋ねようがない。
門や玄関は開いていたが命も来ていない、昨日は体調を崩し休みをもらったが所内で何かあったようだ。
命だろうか。
一昨日のバグとの戦い後、星のような物が落ちてきてアップグレードと言った。
荒れた現場は彼に関係した事態かもしれない、話しを聞こうと宿直室まで急ぐ。
「命君」
ノックをしたが返事がない。
入るよと声を掛けて慎重に扉を開けた。
中には布団が敷かれており人型の膨らみがある。
「命君、おはよう。体調悪いの?」
部屋に上がり、布団の傍まできてゆすった。
反応がない。
まさか気を失っているのでは。
「大丈夫……?」
恐る恐る布団をめくると、現れたその正体に驚愕する。
「うっ……」
あられもない衣装のアニメキャラの女の子の抱き枕があった。
恥じらいを帯びた表情でこっちを見ているが、こんな物こないだまではなかった。
「あっ!」
声がして振り向くと入り口で命が立っている。
彼女と目が合うと後ろに何かを隠した。
「蓮美さん、辞めたんじゃ」
「はい?」
辞めたと言われて何の事だかわからない。
隠した物も妙に気になる。
「これ、買ったの?」
蓮美は死んだ目で枕を見つめた。
「蓮美さんが辞めたと思ったら悲しくて、通販で急いで買いました」
辞めたと思ったら悲しくて、は理解できるが、なんでそこでエロ枕と自分が結びつくのかわからなくてちょっとキモイ。
「辞めないよ」
「ほ、本当ですかっ!」
ガサリと音がし、隠した物がチラリと見える。
コンビニの袋。
蓮美の視線が向けられると命は慌ててまた隠す。
「コンビニ?」
「通販の荷物を取りに行っただけですっ!」
彼女はピンときた。
やらしいゲームとかの類だ。
「この枕とかさ、ゲームの中の女の子を見ても何も思えないし、って言ったけど、あれは嘘なんだ」
「僕の許可なしに勝手に部屋には入らないで下さいっ!」
「ふーん、わかったよ」
死んだ目のまま彼の横を通り過ぎ、宿直室を出て職員室に向かう。
滅多に怒らない彼女だが頭にきていた。
心配していたのだ、熱でうかされながらも命を案じていた。
バグとの戦いの後、おかしくなっていたりはしないかと。
ついて回る子供のようだったのに、生活用品を買いに行った日は部屋に入るな、なんて言わなかった。
急に男臭さが出てなんだかこちらが距離を取ってしまう。
それは自分が男子の事をよく知らない未熟さからくるとわかってもいた。
異性と付き合った事がないから好みも考えもわからない。
人間より動物愛の方が大きいですよ。
興味の対象が男子より動物ですよ。
高校時代、動物の事ばっか話して、理想のタイプ聞かれて白熊みたいな人ってゆったら意味わかんねえって言われてあだ名がアニマル朝霧になりましたよ。
「彼氏なんかずっといませんよ……」
なぜか自虐になる自分。
方向性が逸れ、黒歴史ばかりが浮かんで拗ねてしまいそうになる。
仕事に持ち越さないよう冷静になろうとして、命の変化に気が付いた。
「入らないで下さい?」
さっきの彼は流暢に会話をした。
今までぼそぼそ話していたのに、部屋に入るなと自己主張をしたのだ。
女性に興味がなかったのは本当で、ここ数日で大人びたのではないか。
成長の段階の一つとして。
どうなんだろうと思いながら、職員室に戻ったがやはり誰も出勤してはこない。
仕方なく荒れた室内を一人で片付ける。
部屋の隅にはホワイトボードがあり、手書きの始末書と書かれた物がマグネットで張り付けてある。
『もうしません』
と、書類に命の文字で書いてあり、犬威のサインもあった。
彼が何かしたのだろうか。
落ちた文房具を拾っていき、散らかった書類を回収していく。
プリンター周辺には何枚もの紙がばら撒かれていたが、やたらデカい文字で蓮美ちゃん、蓮美ちゃんと自分の名前が印刷されている。
一部には蓮美ちゃん×稲荷寿司=俺への愛と謎な公式が書いてあり、作成主は狐乃だと予想はついた。
が、深い闇を感じてそれだけ回収するのを躊躇う。
顔を背けて拾えば大丈夫かなと入り口の方へ顔を向けると、その入り口には当の狐乃が立っていた。
たった今出勤してきたらしい。
「狐乃さ……」
この有様を尋ねようとして固まる。
彼が涙を浮かべて自分を見つめていたからだ。
「蓮美ちゃん」
「はい」
「蓮美ちゃん」
「はい」
「マイフェアレディ……」
蓮美は沈黙するが、狐乃の恋愛メンタルの耐久性は抜群だ。
雨にも強く、風にも負けない。
恋愛メンタル鋼が鋼の翼を広げて彼女を抱きしめる形で前に出たが、突然ガンッと激しく転んだ。
顔からいった。
転んだ彼の足元では屈んだ命が足首を掴んでいる。
「……」
彼は立ち上がったが鼻血が出ていた。
上着を脱ぎ、廊下へ出ろと親指を立てる仕草をして二人で出て行く。
「うらあぁあああああっ!」
「おぉおおおおおおおっ!」
彼方から怒号が響く。
再び室内を片付けだすとドタドタと足音がし、犬威、和兎、悟狸、猿真が入って来た。
「朝霧君……」
「蓮美……」
「蓮美君……」
「嬢ちゃん……」
全員が蓮美を見て目を丸くしている。
「く、靴がげ、玄関にあったから……」
彼女を見る悟狸は震えていた。
「はい、昨日は急病で休みを頂いてすみませんでした」
和兎が目を潤ませ、着物の袂でそっと拭く。
「私の思い過ごしだったのね。良かった、戻ってきてくれて……」
「ああ、本当に良かった……」
「もうサツマイモを食わんでええんだな……」
犬威はげっそりとし、俯く猿真の手には生のサツマイモが握られていた。
「皆さん……」
蓮美は感極まる。
一日休んだだけだが、こんなにも心配されていたなんて。
荒れた惨状が何を表しているのかはさっぱりだが。
「今日からまた頑張ります」
彼女が笑顔で言うと、皆の表情が一斉に明るくなる。
「お帰り蓮美!」
「お帰り朝霧君っ!」
「待ってたよ蓮美君っ!」
「嬢ちゃん、頼むぞっ!」
「はい……」
蓮美まで涙ぐむ。
やおよろず生活安全所に務める事ができて良かったと心から思った。
だが、そのお帰りの言葉の合間には。
「お帰り蓮美!」
「楽しみお供物っ☆!」
「お帰り朝霧君っ!」
「楽しみお供物っ☆!」
「嬢ちゃん、頼むぞっ!」
「お供物頼むよっ☆!」
そんな合いの手が入っていた事に彼女は全く気づいてはいなかった。
職員室内は荒れに荒らされた荒れっぷりだ。
散乱した書類、ひっくり返された引き出しに散らばった文房具。
壁には獣が引っ搔いたような爪痕もある、何かあったのかと出勤した蓮美は心配した。
出勤時間は過ぎているのに職員室には誰もいない為、尋ねようがない。
門や玄関は開いていたが命も来ていない、昨日は体調を崩し休みをもらったが所内で何かあったようだ。
命だろうか。
一昨日のバグとの戦い後、星のような物が落ちてきてアップグレードと言った。
荒れた現場は彼に関係した事態かもしれない、話しを聞こうと宿直室まで急ぐ。
「命君」
ノックをしたが返事がない。
入るよと声を掛けて慎重に扉を開けた。
中には布団が敷かれており人型の膨らみがある。
「命君、おはよう。体調悪いの?」
部屋に上がり、布団の傍まできてゆすった。
反応がない。
まさか気を失っているのでは。
「大丈夫……?」
恐る恐る布団をめくると、現れたその正体に驚愕する。
「うっ……」
あられもない衣装のアニメキャラの女の子の抱き枕があった。
恥じらいを帯びた表情でこっちを見ているが、こんな物こないだまではなかった。
「あっ!」
声がして振り向くと入り口で命が立っている。
彼女と目が合うと後ろに何かを隠した。
「蓮美さん、辞めたんじゃ」
「はい?」
辞めたと言われて何の事だかわからない。
隠した物も妙に気になる。
「これ、買ったの?」
蓮美は死んだ目で枕を見つめた。
「蓮美さんが辞めたと思ったら悲しくて、通販で急いで買いました」
辞めたと思ったら悲しくて、は理解できるが、なんでそこでエロ枕と自分が結びつくのかわからなくてちょっとキモイ。
「辞めないよ」
「ほ、本当ですかっ!」
ガサリと音がし、隠した物がチラリと見える。
コンビニの袋。
蓮美の視線が向けられると命は慌ててまた隠す。
「コンビニ?」
「通販の荷物を取りに行っただけですっ!」
彼女はピンときた。
やらしいゲームとかの類だ。
「この枕とかさ、ゲームの中の女の子を見ても何も思えないし、って言ったけど、あれは嘘なんだ」
「僕の許可なしに勝手に部屋には入らないで下さいっ!」
「ふーん、わかったよ」
死んだ目のまま彼の横を通り過ぎ、宿直室を出て職員室に向かう。
滅多に怒らない彼女だが頭にきていた。
心配していたのだ、熱でうかされながらも命を案じていた。
バグとの戦いの後、おかしくなっていたりはしないかと。
ついて回る子供のようだったのに、生活用品を買いに行った日は部屋に入るな、なんて言わなかった。
急に男臭さが出てなんだかこちらが距離を取ってしまう。
それは自分が男子の事をよく知らない未熟さからくるとわかってもいた。
異性と付き合った事がないから好みも考えもわからない。
人間より動物愛の方が大きいですよ。
興味の対象が男子より動物ですよ。
高校時代、動物の事ばっか話して、理想のタイプ聞かれて白熊みたいな人ってゆったら意味わかんねえって言われてあだ名がアニマル朝霧になりましたよ。
「彼氏なんかずっといませんよ……」
なぜか自虐になる自分。
方向性が逸れ、黒歴史ばかりが浮かんで拗ねてしまいそうになる。
仕事に持ち越さないよう冷静になろうとして、命の変化に気が付いた。
「入らないで下さい?」
さっきの彼は流暢に会話をした。
今までぼそぼそ話していたのに、部屋に入るなと自己主張をしたのだ。
女性に興味がなかったのは本当で、ここ数日で大人びたのではないか。
成長の段階の一つとして。
どうなんだろうと思いながら、職員室に戻ったがやはり誰も出勤してはこない。
仕方なく荒れた室内を一人で片付ける。
部屋の隅にはホワイトボードがあり、手書きの始末書と書かれた物がマグネットで張り付けてある。
『もうしません』
と、書類に命の文字で書いてあり、犬威のサインもあった。
彼が何かしたのだろうか。
落ちた文房具を拾っていき、散らかった書類を回収していく。
プリンター周辺には何枚もの紙がばら撒かれていたが、やたらデカい文字で蓮美ちゃん、蓮美ちゃんと自分の名前が印刷されている。
一部には蓮美ちゃん×稲荷寿司=俺への愛と謎な公式が書いてあり、作成主は狐乃だと予想はついた。
が、深い闇を感じてそれだけ回収するのを躊躇う。
顔を背けて拾えば大丈夫かなと入り口の方へ顔を向けると、その入り口には当の狐乃が立っていた。
たった今出勤してきたらしい。
「狐乃さ……」
この有様を尋ねようとして固まる。
彼が涙を浮かべて自分を見つめていたからだ。
「蓮美ちゃん」
「はい」
「蓮美ちゃん」
「はい」
「マイフェアレディ……」
蓮美は沈黙するが、狐乃の恋愛メンタルの耐久性は抜群だ。
雨にも強く、風にも負けない。
恋愛メンタル鋼が鋼の翼を広げて彼女を抱きしめる形で前に出たが、突然ガンッと激しく転んだ。
顔からいった。
転んだ彼の足元では屈んだ命が足首を掴んでいる。
「……」
彼は立ち上がったが鼻血が出ていた。
上着を脱ぎ、廊下へ出ろと親指を立てる仕草をして二人で出て行く。
「うらあぁあああああっ!」
「おぉおおおおおおおっ!」
彼方から怒号が響く。
再び室内を片付けだすとドタドタと足音がし、犬威、和兎、悟狸、猿真が入って来た。
「朝霧君……」
「蓮美……」
「蓮美君……」
「嬢ちゃん……」
全員が蓮美を見て目を丸くしている。
「く、靴がげ、玄関にあったから……」
彼女を見る悟狸は震えていた。
「はい、昨日は急病で休みを頂いてすみませんでした」
和兎が目を潤ませ、着物の袂でそっと拭く。
「私の思い過ごしだったのね。良かった、戻ってきてくれて……」
「ああ、本当に良かった……」
「もうサツマイモを食わんでええんだな……」
犬威はげっそりとし、俯く猿真の手には生のサツマイモが握られていた。
「皆さん……」
蓮美は感極まる。
一日休んだだけだが、こんなにも心配されていたなんて。
荒れた惨状が何を表しているのかはさっぱりだが。
「今日からまた頑張ります」
彼女が笑顔で言うと、皆の表情が一斉に明るくなる。
「お帰り蓮美!」
「お帰り朝霧君っ!」
「待ってたよ蓮美君っ!」
「嬢ちゃん、頼むぞっ!」
「はい……」
蓮美まで涙ぐむ。
やおよろず生活安全所に務める事ができて良かったと心から思った。
だが、そのお帰りの言葉の合間には。
「お帰り蓮美!」
「楽しみお供物っ☆!」
「お帰り朝霧君っ!」
「楽しみお供物っ☆!」
「嬢ちゃん、頼むぞっ!」
「お供物頼むよっ☆!」
そんな合いの手が入っていた事に彼女は全く気づいてはいなかった。
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