やおよろず生活安全所

森夜 渉

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四章

36/幽世(かくりょ)の狭間

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アナウンスがまもなく目的地への到着を告げた。
依頼主が待つ、目指すべき場所は岐阜の高山の奥地。
「そろそろだな」
「そうですね」
棚から荷物を取りだすと新幹線はスピードを緩めてホームが見えてくる。
車両から降りると犬威は慣れた感じで通路を進み、ついていくとあっさり外に出た。
東京の複雑な路線に慣れきっていたのでとても新鮮に感じる。
駅周辺は空を遮ぎるビル群も見当たらず、解放感から伸びをしているとターミナルで袈裟姿の僧侶が立っているのに気がついた。
まだ若いが髪は剃っている、という事は見たままお坊さんなのだろう。
こんな所で珍しいなと思ったが、犬威はターミナルを進むと僧侶に近づき話しかけた。
「狸雲(りうん)殿だろうか?」
僧侶は驚いた表情で彼を見る。
「はい、狸雲でございます」
えっ、と蓮美は思った。
手紙をよこした相手とは山奥で会う想像をしていた、まさか街中で人に化けたお坊さんとは思っていなかったので。
しかし悟狸の行きつけの居酒屋、豆狸の親子は化け狸、狐乃の店のスタッフも化け狐だ。
身近にいるのは今更意外ではない。
「やおよろず生活安全所の犬の眷属、犬威です。調査に参りました」
彼が名乗ると狸雲は合掌姿で深いお辞儀をした。
「遠方よりお越し下さりありがとうございます、お待ちしておりました」
お辞儀から顔を上げた狸雲は後ろにいた蓮美と目が合う。
「彼女は朝霧といいます、人間ですが見習いの助手として参加させました。危害は加えませんのでご安心を」
落ち合う約束は済ませてあったらしい、紹介を受けて蓮美は頭を下げた。
「朝霧蓮美です、本日はよろしくお願いします」
「狸の眷属で狸雲と申します、こちらこそよろしくお願い致します」
彼は蓮美が人間と聞いても驚かず、にこやかに挨拶をする。
「ご案内の途中まで交通機関を使いましょう」
狸雲はテキパキとバス乗り場まで案内した。
人込みに紛れても浮いた感じはせず、彼もまた人間社会に慣れているようだ。
観光客や市民に交じり、バスに揺られる事数十分。
「次で降りて頂けますか」
合掌造りで有名な白川郷に着く手前でバスから降りた。
周辺は見渡す限りの山々だが狸雲が道路とは逆の方向へと導く。
民家がなくなり、舗道がなくなり。
道なき道を進み、雑草が生い茂る山のふもとへと辿り着いた。
「こちらへ、足場は悪いのですが獣道がございます」
しかし見つけたのは山登りのハイキングコースとは違う、蔦や草が覆う通り道だ。
蓮美は持ってきていた登山用の靴に履き替えていると天羽々矢(あめのはばや)の入ったアタッシュケースを犬威が持ってくれた。
三人が一列に並んで藪をくぐる。
狸雲は草履(ぞうり)、犬威はスニーカーだが斜面でも岩場でも足並みを乱す事なく登っていく。
二人の助けでついてはいけたが、素人では到底無理と思える悪路だった。
地上はどんどん遠ざかり、山を登りだして中腹に来た程か。
「我々の住む村の入り口です」
狸雲が立ち止まって手をかざしたが手入れのされていない木々が立ち並ぶだけだ。
違うといえば二本の木が距離を置いてそびえ立っている。
木は互いに太いしめ縄で繋げられ、神社などで見る紙垂(しで)が巻かれていた。
「朝霧君」
犬威が息一つあげないまま蓮美に声を掛ける。
「君や我々がいるこちら側を俺達は現世(うつしよ)と呼んでいる」
「うつしよ、うつしよですね……」
つたう汗を拭いながら教えを復唱した。
「対照的に狸雲殿達が住まわれている領域を幽世(かくりょ)と呼ぶ。普段過ごす所の異空間も言わば幽世(かくりょ)なんだ」
「かくりょ……」
「幽世は本来人間が立ち入れないんだが、聞いた事はないか。動物が人の様に話したり、暮らしているおとぎ話や異世界の物語などだ」
「……あります」
絵本で読んだ舌切り雀。
浦島太郎など。
「そういった話しはこの先に訪れる場所が元となって語り継がれた伝承だ。何かの間違いや巡りあわせで立ち入った奇譚なんだ、君は今からそれを目にする」
「はい……」
犬威が頷くと狸雲はしめ縄の下に一人立った。
「では参りましょう」
彼が木の間を進み、犬威が続くと。
「えっ」
なんと二人の姿が掻き消えた。
目を離した訳ではない、木の向こう側へ行く姿は見ていたのだ。
残されているのは自分一人。
「狸雲さん、犬威さん」
返事はなく、代わりに林で鳥が羽ばたいた。
「行かないと……」
人知を超えた不可思議は所で十分に体験している。
常識を振り払い、遅れて藪に飛び込むと体が波打つような体感がし。
空間が。
体がぐにゃりと曲がる様な、何とも言えない奇妙な感覚がした。
そして。
目の前に広がるのは。
外から見た藪などではない。
「わ……」
ドラマや時代劇などで見る、平屋でかやぶき屋根の続く大きな村だった。
「……すごい」
テーマーパークにでも放り込まれたような錯覚に襲われる。
職員と同じ、顔は動物だが二足歩行の動物達が数多く歩き回っている。
鹿や猪が薪を背負い、鍬(くわ)を担いで目の前をカモシカが通り過ぎる。
多くの動物達が行き来し、誰もが衣服は時代がかった着物を着ていた。
我を忘れてしばらく見入っていたが。
「人間だっ!」
村のどこからか叫び声が上がり、現実に引き戻される。
狸雲も犬威も動物の姿に戻っている、人でいるのは自分だけだった。
あちこちから悲鳴が上がり、彼らは一斉に家の中に隠れる。
「皆落ち着け、この方は人間でも敵ではない、客人を連れて戻ると今朝話していた筈だっ!」
村人達に狸雲は叫ぶが聞いてはいない。
それどころかパニックはますますひどくなる中。
「痛っ」
コツンッと固い物が蓮美の額にぶつかる。
なんだろうと思い、ぶつかった物を拾うと丸々としたドングリだった。
「大丈夫か朝霧君」
痛がった蓮美を犬威が心配する。
「平気です」
ドングリが飛んできた先には狸の子がいて蓮美を睨んでいた。
小学校高学年位の背丈の男の子だ。
「出ていけ人間っ!」
ぶつけたのは彼らしい。
蓮美に向かって大声で叫んだ。
「伊助(いすけ)っ!」
「狸雲様の嘘つきっ、人間を連れて来るなんて事は言ってなかったぞっ!」
伊助と呼ばれた子は言い捨てて走り去っていく。
「お怪我はないですか?」
「大丈夫です、大袈裟にしてすみません」
村内は閑散とし、さっきまでの人気はなくなっていた。
「村の者はお気にされず。私の屋敷と庵(いおり)が奥にありますので参りましょう」
彼の案内で村に入ると、どの家もきちんとした佇まいをしている。
干された大根や川魚の干物が軒先にぶら下がっていた。
「どうぞお入り下さい」
庭に花々が咲く家屋があり、土間の玄関から招き入れられる。
通された部屋は板の間で床の間もあり、掛け軸と花が生けられていた。
しばらく待つと座布団とお茶を用意され、犬威は胡坐(あぐら)をかいて座布団は遠慮したが正座に慣れていない蓮美はありがたく借りる事にする。
「さて、書簡の続きを聞かせてもらえるだろうか」
「……はい」
お茶を飲みながら犬威が伺うと、狸雲が重たげに口を開いた。
「百年程昔でしょうか。ここから下りた少し先に人間の集落があり、住民はわずかながらも炭などを焼いて暮らしていました。彼らは火を扱う生業から火災を恐れ、外れにあった古き神の宿る池を水神として祀っていたのですが、慎ましい暮らしぶりが良く映ったのか恩恵に預かり、炭売りの商(あきな)いは繁盛していたようです」
「なるほど」
犬威が湯呑を置くと狸雲は表情を曇らせる。
「しかし繁栄も時の流れには逆らえません。人が炭を扱わなくなれば人口も減り、時代と共に村は廃村となりました。やがてどこで聞きつけたのか、数年前から跡地には不要な荷物を積んだ車が出入りするようになり、かつての村は廃棄された品々で溢れかえってしまう始末。神の住まう池も汚れた沼と成り果ててしまったのです」
風が強く吹き、庭とを隔てるふすまがガタガタと鳴った。
「池の中心には村人が建てた祠があったのですが、近くを通りかかった者の話しでは集落跡に訪れた人間達がふざけて石でぶつけ壊しているのを目撃したと報告しました。これが後に祟りを買ったきっかけかと思われます」
風は更にふすまを揺らし、益々音は激しくなる。
誰かが外にいて揺らしているかのように。
「しばらくした頃、夕暮れ時になると池から妙な声が聞こえだしました。水底から響くような不気味なうめき声です。声は山のふもとまで届いたらしく、ある時調査の人間が入り、原因に気づいた池を埋め立ててしまいました。科学的な現象であると判断したのでしょうが」
風はやや勢いを落としたが、止む気配を見せようとはしない。
「その日でした、池の神がマガツカミとなったのは。怒れる神は夜な夜な泥の底から形を成して現れ、手当たり次第に暴れまわるようになったのです。暴れた場所では森が荒らされ、山崩れを起こして街にも被害がでました。幸い人死にはありませんでしたが、代わりにマガツカミは……」
狸雲はゴクリと唾を飲む。
「再び土地を調べに訪れた人間を喰っております」
膝に置いた蓮美の手がビクリと震えた。
「後日、消えた者を捜索隊が探していましたが見つかる筈もない。再びあの地に踏み入れれば二度(にたび)の犠牲は避けられないでしょう。それだけではない、マガツカミは生ける者を喰らい尽くします。村は結界により目眩ませていますが破られれば未熟な私では太刀打ちできず、力が及びません」
「すみません、質問を……」
蓮美はここで小さく手を挙げた。
「犬威さん、所の土地も確か結界でしたよね」
「そうだ、村の入り口に白い紙の紙垂(しで)としめ縄があったろう。あれが結界の目印だ。結界内は聖域であり、魔物となったマガツカミからは見れないが、気づかれた場合は力ずくでなら入ってこられてしまう。結界はあくまで目くらましだが、所に何もないのは土地が強力な結界だからなんだ。土地自体に術がかけられているから必要がない」
メモを書いてまとめていき、まとめ終えると犬威が狸雲に続きを促した。
「そこで今回書簡を送らせて頂き、起こし頂いた次第です。この度ははるばるお越し下さりありがとうございました。村人は朝霧様を恐れましたが改めて話しはしておきますので、忌憚(きたん)なく犬威様と調査をされて下さい。今からは昼餉(ひるげ)の時間ゆえマガツカミの現れる地へご案内してから準備を致しますので、夜はお泊りになられて庵と屋敷で別々の寝屋もご用意させて頂きます」
「……何から何まで片じけない」
犬威が頭を下げて礼を述べる。
「いえ、お二方は客人なのでお気にされず」
狸雲は穏やかな笑みを浮かべたが、蓮美は不思議だった。
「狸雲さんはどうして人間の私にも親切にして下さるんでしょうか、村の皆さんは私を怖がっていたのに……」
出会ってから思っていた疑問をぶつけてみる。
「実は私は子狸の頃に猟師の罠にかかりまして、寺の住職に助けられた思い出がありました……」
「……そうでしたか」
犬威がぬるくなったお茶を飲みなおして頷く。
「古い思い出ですが、以来人間を恐れぬようになりました。後に山の神に仕える眷属となりましたが、受けた恩が忘れられず仏の道へと進んだのです。当時の僧侶は人間の子供に文字の読み書きなどを教えていましたので、私も動物の子らに学問を教えたり人間と共存の模索をする学び舎を作ろうとしたのもきっかけでした」
「……神様のお使いからお坊さんにもなれるんですね」
人間同士の語らいを聞くように、疑問を抱くことなく蓮美は尋ねる。
「神の道と仏の道は元は別だったのですが、歴史の中で一部教えが合わさったのです。私は元は獣ですし、人間と違って形式はないので難しくはありませんでした。最も、双方の教えをまとめたのは人間ですが」
「その通りだ、俺や所の皆も学問の中で影響を受けて神仏の教えを兼ねている所はある。君達でいう明治と呼ぶ時代に神仏は別々に取りまとめられたが、今の時代の寺でも鳥居があったりなど当時の名残りが見られる」
「お寺に鳥居ですか……」
犬威の解説を受けて初めて知る。
神社や寺を巡る機会があれば観察してみようと思った。
「ですが教えは違えど、大切なのは想いであり、差異はないと私は考えているのです」
蓮美も出されたお茶に手を伸ばす。
香りは香ばしく、味はほうじ茶にも似ているがもっと濃い深みがあった。
「神は万物を育み生かして安寧を祈り、仏は生かされた御霊(みたま)の安らぎを願って弔います。生と死につながる循環と申しますか、対極ですが似ていると私は思っております。例えば朝霧様、あなた様がこうしていらっしゃるのはあなた様の父上、母上があり、ご先祖が命を繋いだからこそ現在に至っておられる。生命が繋がり、偶然生きているという訳ではないのです」
「……」
彼の。
狸雲の言葉に、激しく心を揺さぶられる。
幼き日、父と母から愛を得られる事があまりなく、両親は自分を必要としていなかったのだろうと思っていた。
だが、この言葉で自分を肯定していいのだと許しを得た気がした。
父と母だけではない、遠い過去の愛された命があり、この瞬間を生きているのだと気づかされたからだ。
「……はい」
つくづく不思議に思う。
やおよろず生活安全所に来てから、無意識に求めていた答えを与えられている気がしていた。
「神の道にも仏の道にも、縁という導きがございます」
狸雲は穏やかに続ける。
「朝霧様、犬威様、私がお会いしたのも今日まで生かされているご縁なのですから」
「……私達が」
縁。
縁であるなら。
全ての流れは偶然ではなく、必然なのだと確信する。
一人もがいて、抱えていた闇を解消するための導きだったと。
いつの間にか外を走る風は止んでいた。
彼女の心を覆った厚い雲を取り払い、過ぎ去っていったかのように。

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