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しおりを挟む「シャルル」
「どうしたの?チャールズ。そんなに怒った顔をして」
「俺が怒らないとでも?」
「ふふ。平民の話?それともお兄様の話に?」
「アーロインの話だ。社交界では持ちきりだぞ。テレーズの姫をアーロインが勝ち取ったと」
「いいじゃない。わたくし、アーロインは嫌いではないもの」
「……シャルル」
「怒らないで、チャールズ。わたくしたち、ただの恋人でしょう。結婚は別の相手でもできるのよ」
「だから散々婚約しようと言ってるだろう」
「破棄されたらわたくしの人生詰むのよ」
「するわけがない」
「未来のことなんて分からないわ。……誰もね」
凍てついたクオーツはどこか遠い未来を見ているようで、チャールズは重苦しいため息を吐いた。そして、華奢な体を抱き寄せる。
「本当にきみは性格が悪い」
いつかチャールズはシャルルに向かって泣いて請わねばならない日が来るのだろうと思いつつ、今は大事なぬくもりをただ離さないでいた。
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