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パラレル世界の君と僕
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いつも、君は優しかった。楽しそうだった。可愛かった。かっこよかった。ー僕の、憧れだったー
「名前、なんていうん?」
初めて隣になった時、君に聞いた、ありきたりな一言。
「ねね、このアーティスト好き?」
きっと、高校生ならよくするであろう、ありきたりな会話。
「勉強どうやってしてるん?」
息詰まって、頭のいい君に助けを求めて…
『自分勝手だよな』
そう、ふと呟いた、その言葉は、まるで、今の自分を責めているようだった。
『この気持ちは、本当に持っていていいのかな』
高嶺の花とか、そんなんじゃない。それでも、手の届かないところに、君はいるかもしれない。
…自分に自信がなかった、君の隣にいる、自分はこの世界にはいないと、気がついた。
いつも通り、君は誰かと話している。楽しそうに、話している。その視線に、僕は、どこにもいなかった。
君に対して、勝手な愛情を持っていたかもしれない。それが、君の、君が大切な人に使うであろう時間を、奪っていたかもしれない。
そして、僕は失恋した
この世界は、「不釣り合い」という選択肢を、僕に与えた。それは、新しいスタートかもしれない。それでも、君を忘れることが、君への気持ちを忘れることは、これからとても時間はかかるし、もしかしたら、完全には無理かもしれない。
世界を恨むことも、自分を恨むことも、君を恨むことも、誰かを恨むことも、何も無い。ただ、足りなかったんだと思う。相応しくないだけだった。それだけなんだから、恨む必要は無かった。
それでも、辛いものは辛かった。
泣けない自分がいる、それでも、心が泣いている。君を思い続けた心が、1人寂しく、泣いている。
部屋で大音量で聴いている音楽は、失恋の曲。今日だけは、ゆっくりと休ませてほしい。
勝手に愛して、勝手に諦めた、僕を許して欲しい。
パラレルワールドなら、僕らはどうなっていたのだろう。知る由もないことを、今も考えている。
君の幸せを願いながら
「名前、なんていうん?」
初めて隣になった時、君に聞いた、ありきたりな一言。
「ねね、このアーティスト好き?」
きっと、高校生ならよくするであろう、ありきたりな会話。
「勉強どうやってしてるん?」
息詰まって、頭のいい君に助けを求めて…
『自分勝手だよな』
そう、ふと呟いた、その言葉は、まるで、今の自分を責めているようだった。
『この気持ちは、本当に持っていていいのかな』
高嶺の花とか、そんなんじゃない。それでも、手の届かないところに、君はいるかもしれない。
…自分に自信がなかった、君の隣にいる、自分はこの世界にはいないと、気がついた。
いつも通り、君は誰かと話している。楽しそうに、話している。その視線に、僕は、どこにもいなかった。
君に対して、勝手な愛情を持っていたかもしれない。それが、君の、君が大切な人に使うであろう時間を、奪っていたかもしれない。
そして、僕は失恋した
この世界は、「不釣り合い」という選択肢を、僕に与えた。それは、新しいスタートかもしれない。それでも、君を忘れることが、君への気持ちを忘れることは、これからとても時間はかかるし、もしかしたら、完全には無理かもしれない。
世界を恨むことも、自分を恨むことも、君を恨むことも、誰かを恨むことも、何も無い。ただ、足りなかったんだと思う。相応しくないだけだった。それだけなんだから、恨む必要は無かった。
それでも、辛いものは辛かった。
泣けない自分がいる、それでも、心が泣いている。君を思い続けた心が、1人寂しく、泣いている。
部屋で大音量で聴いている音楽は、失恋の曲。今日だけは、ゆっくりと休ませてほしい。
勝手に愛して、勝手に諦めた、僕を許して欲しい。
パラレルワールドなら、僕らはどうなっていたのだろう。知る由もないことを、今も考えている。
君の幸せを願いながら
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