女神の稀人候補は魔物たちとスローライフを送りたい！

さざめきの森編

畑には仕掛けがあるっぽい

朝起きてポーションと包帯を手に１階に降りてみるとお皿の中のご飯が無くなっていた。

「おはよう、気分はどう？」
「…」

子犬に近づいてしゃがんで声をかけてみるが昨日みたいな唸り声はなかった。

「包帯、取り換えてもいい？」

そう聞いてみるとそっぽを向いた。少しだけ触ってみても特に嫌がる素振りは見せない。どうやら少しだけ心を開いてくれたようだ。
包帯を外して傷口を見てみれば塞がってきているようで傷口は浅くなっていた。

「よかった～、ちゃんと薬が効いてるんだね」

また薬を塗って包帯を巻く。古いほうの包帯は後で捨てておこう。

「じゃあご飯にしようか」

昨日と同じメニューを作って器に盛りつけて差し出してみる。すると子犬はがつがつと私の目の前でご飯を食べ始めた。

「しっかり食べて早く良くなるんだよ」


ご飯を食べた後昨日収穫しきれなかった野菜を収穫しているとあることに気づいた。

「嘘、もう、実がなってる」

トマトときゅうりの実が小さくできていた。昨日収穫したばかりなのに…。

もしかして、と思い植物に鑑定をかけてみれば、状態の部分に「成長促進」の表記が出ていた。やはりこの植物自体も魔法がすでにかけられていてなるべく早く実がなるようになっているのかもしれない。

「植物の成長促進ってことは土魔法？でも前の家主は亡くなっているのに魔法が切れてないってことはただ魔法をかけただけじゃないってこと？」

そこまで考えてふと気づく。そういえば書庫には魔法に関する本がいっぱい置いてあった。昨日は時間がなくてあまり見れなかったけど、午後からはちょっと魔法に関する勉強をしてみたほうがいいかもしれない。

「よし、そうと決まれば早く収穫しないと」

後この世界について書かれた本もあればいいんだけど。