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さざめきの森編
白い蜘蛛との出会い
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しばらく二人でキノコや野草をとりつつモンスターとも戦いながら進んでいると空腹感を感じるようになった。
「もういい時間かも。お昼にしようか」
「わう!」
持ってきていた鍋と薪を取り出し、鍋に水を入れて火をつける。そして野菜とお肉と食用キノコを投入していく。味付けは塩コショウだけだけどないよりはましだろう。
二人で遊びつつ鍋を混ぜていく。沸騰してきたら味を確かめるため小皿に少しだけよそった。
「わふわふ!」
「味見したいの?」
リリィが前足で私の膝を叩いてきたので冷ましてからあげる。そして別の小皿に私の分もよそう。
…うん、いい感じ。人参も柔らかいし問題なさそうだ。
「おいしい?」
「きゃん!」
リリィもお気に召したようでおかわりをせがんでくる。自分とリリィの分を装ったところで何気に周りを見回してふと気づいてしまった。
少し離れたところでこちらを白い蜘蛛が見つめていたことに。
突然のことで声も出ない。実家でシャワーを浴びていた時にふとタイルの隅に蜘蛛が張り付いているのを見つけてしまったときの感覚に近い。一瞬驚いたけど蜘蛛は目をこちらにじっと向けた状態で全く動かない。
いや、私というよりは私の手元を見ているような…?
「おなかすいてるのかな」
リリィの方を見てみるともう食べ終わったのかお皿は空っぽでさっきの魔物に遭遇したような唸り声を出さず座ってじっと見ている。つまりあの蜘蛛はこちらに敵意を抱いていないってことなのだろうか。
「食べる?」
さすがにスープは食べづらいと思うので事前に作っていたサンドイッチを地面に置いて聞いてみる。すると蜘蛛はこちらによってきてサンドイッチを食べ始めた。
「ちょっとかわいいかも……」
小さい頃は私は虫が大嫌いで蜘蛛を見るたびに叫びながら殺してしまったが、成長にするにつれ慣れてきてまた蜘蛛が益虫と呼ばれていることを知ってからは殺さずに、またいる……と思いながら無視している。さすがに風呂場に出たのは退治させてもらうが。
だが家で見た蜘蛛はどれも黒色だったけどこの蜘蛛は白くてもこもこしている。しかも目が赤い。アルビノ?猫や犬にもアルビノはいるっていうし蜘蛛にいるのも不思議じゃないのかも。
昼食を食べ終え片づけをして立ち上がる。
「よし、じゃあ私たちご飯も食べ終わったし行くね」
「わふ!」
蜘蛛に声をかけてリリィと一緒に森の奥の方へ進む。
「わ?!」
…ことはできなかった。
蜘蛛が糸を出して私の手首にまきつけてきたからだ。
「え、何、何?」
まさか私を捕食……じゃなさそう。リリィが落ち着いているし。なんだろう。
どうしたらいいのかわからず困惑していると蜘蛛はぴょんと跳ねて糸を手繰り寄せ私の腕に乗っかった。
「もしかして一緒に行きたいの?」
蜘蛛がぴょんぴょんと腕の上ではねた。どうやらそういうことらしい。特に断る理由もないしいいか。
「わかった、一緒に行こう蜘蛛ちゃん」
蜘蛛がまたぴょんぴょんと跳ねた。そういえば蜘蛛のステータスを見てなかった。見ることはできるのだろうか。
「先生、蜘蛛ちゃんのステータス鑑定お願いします」
蜘蛛ちゃん
HP:20/20 MP:100/100
なんかやたらMPが高いな……。蜘蛛らしく糸を吐き出すのにスキルが必要だったりするのだろうか。そして私よりもHPが5高い………。
私って蜘蛛以下なんだなぁとちょっとショックを受けてると蜘蛛ちゃんがぴょんぴょんと跳ねた。そして糸を出すと一方の方に伸ばした。
「その先に何かあるの?」
またぴょんと跳ねた。どうやら糸の先に何かあるらしい。まだ時間もあるから行ってみることにしよう。
「もういい時間かも。お昼にしようか」
「わう!」
持ってきていた鍋と薪を取り出し、鍋に水を入れて火をつける。そして野菜とお肉と食用キノコを投入していく。味付けは塩コショウだけだけどないよりはましだろう。
二人で遊びつつ鍋を混ぜていく。沸騰してきたら味を確かめるため小皿に少しだけよそった。
「わふわふ!」
「味見したいの?」
リリィが前足で私の膝を叩いてきたので冷ましてからあげる。そして別の小皿に私の分もよそう。
…うん、いい感じ。人参も柔らかいし問題なさそうだ。
「おいしい?」
「きゃん!」
リリィもお気に召したようでおかわりをせがんでくる。自分とリリィの分を装ったところで何気に周りを見回してふと気づいてしまった。
少し離れたところでこちらを白い蜘蛛が見つめていたことに。
突然のことで声も出ない。実家でシャワーを浴びていた時にふとタイルの隅に蜘蛛が張り付いているのを見つけてしまったときの感覚に近い。一瞬驚いたけど蜘蛛は目をこちらにじっと向けた状態で全く動かない。
いや、私というよりは私の手元を見ているような…?
「おなかすいてるのかな」
リリィの方を見てみるともう食べ終わったのかお皿は空っぽでさっきの魔物に遭遇したような唸り声を出さず座ってじっと見ている。つまりあの蜘蛛はこちらに敵意を抱いていないってことなのだろうか。
「食べる?」
さすがにスープは食べづらいと思うので事前に作っていたサンドイッチを地面に置いて聞いてみる。すると蜘蛛はこちらによってきてサンドイッチを食べ始めた。
「ちょっとかわいいかも……」
小さい頃は私は虫が大嫌いで蜘蛛を見るたびに叫びながら殺してしまったが、成長にするにつれ慣れてきてまた蜘蛛が益虫と呼ばれていることを知ってからは殺さずに、またいる……と思いながら無視している。さすがに風呂場に出たのは退治させてもらうが。
だが家で見た蜘蛛はどれも黒色だったけどこの蜘蛛は白くてもこもこしている。しかも目が赤い。アルビノ?猫や犬にもアルビノはいるっていうし蜘蛛にいるのも不思議じゃないのかも。
昼食を食べ終え片づけをして立ち上がる。
「よし、じゃあ私たちご飯も食べ終わったし行くね」
「わふ!」
蜘蛛に声をかけてリリィと一緒に森の奥の方へ進む。
「わ?!」
…ことはできなかった。
蜘蛛が糸を出して私の手首にまきつけてきたからだ。
「え、何、何?」
まさか私を捕食……じゃなさそう。リリィが落ち着いているし。なんだろう。
どうしたらいいのかわからず困惑していると蜘蛛はぴょんと跳ねて糸を手繰り寄せ私の腕に乗っかった。
「もしかして一緒に行きたいの?」
蜘蛛がぴょんぴょんと腕の上ではねた。どうやらそういうことらしい。特に断る理由もないしいいか。
「わかった、一緒に行こう蜘蛛ちゃん」
蜘蛛がまたぴょんぴょんと跳ねた。そういえば蜘蛛のステータスを見てなかった。見ることはできるのだろうか。
「先生、蜘蛛ちゃんのステータス鑑定お願いします」
蜘蛛ちゃん
HP:20/20 MP:100/100
なんかやたらMPが高いな……。蜘蛛らしく糸を吐き出すのにスキルが必要だったりするのだろうか。そして私よりもHPが5高い………。
私って蜘蛛以下なんだなぁとちょっとショックを受けてると蜘蛛ちゃんがぴょんぴょんと跳ねた。そして糸を出すと一方の方に伸ばした。
「その先に何かあるの?」
またぴょんと跳ねた。どうやら糸の先に何かあるらしい。まだ時間もあるから行ってみることにしよう。
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