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さざめきの森編
石の精霊さんと新しい魔法
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『よくやってくれたわ!』
「へ?」
3人で勝利を祝っているとどこからか女の子の声が聞こえてあたりを見回す。けど誰もいない?
『あ、ちょっと待って今出るから』
「出る?」
どういうことかと思っているとモグラの口ががパリと開き茶色の髪をした女の子が出てきた。
「はぁーい、初めまして。私はフレリア。石の精霊よ」
「石の精霊?」
「そう。もっといってしまえばこの鉱山を根城にしている精霊ね」
フレリアさんの話をまとめるとこうだ。
この鉱山は色々な鉱石が取れるということで色んな人間がここに労働者を派遣して鉱石を採取していたらしい。ルビーやアクアマリン、ダイヤモンドなど色んな宝石がとれたから人々は奥へ奥へ掘り進んでいった。
「けど、毎日毎日カンカンカンうるさかったのでしょうね、この鉱山に元々住んでいた土龍がブチ切れちゃって当時鉱山にいた人間たちを皆殺しにしちゃったのよ」
「ひえ……」
モグラは土竜って呼ばれてるけど、皆殺しなんて言うから絶対ドラゴンの方だ……。
「あ、今はもういないから大丈夫よ。寿命で死んじゃったからね」
「そうなんですね……」
「で、あのモグラよ。土龍がいなくなったから今度はあのモグラが暴れるようになっちゃったの。私もどうにかしようと思ったんだけど油断したところを飲み込まれちゃって。脱出もできないしモグラが死ぬまでこのままなんて嫌ー!って思ってたら今日、あなた達が現れたの」
「そうだったんだ……蜘蛛ちゃん、フレリアさんが困っているって知っていたの?」
蜘蛛ちゃんは首をかしげている。違うらしい。
「ふんふん……どうやら貴方に奇麗な石をあげたかったらしいわね。貴方のような人間は奇麗な石を好むから料理のお礼になると思った……って言ってるわ」
「言葉わかるんですか?」
「あ、そっちの子犬はわからないわよ、この子が主の祝福持ちだから言いたいことがわかるっていうだけ。それにしても偶然とはいえ主の客人が助けに来てくれるとはね」
「祝福持ちって……この蜘蛛ちゃんが?それに主って?」
「あら、知らなかったのね。そう、この子も貴方と同じ祝福持ちの魔物。そして主は勿論女神オルトリア様よ。貴方オルトリア様の導きでこの世界にやってきたんでしょう?」
彼女の言葉に目を丸くする。まさか異世界人だということも、女神様に導かれてやってきたことも知っていたなんて。
「オルトリア様が貴方をこの森に送ったのも、貴方が魔物を連れていることも、今日私たちが出会ったのも、きっと運命ね」
「運命、ですか」
「あれ、嫌だった?」
「いえ、ちょっと壮大だなと思っただけです」
「そう?私たちに出会いにぴったりの言葉じゃない。あ、そうだ貴方にお礼をしなくちゃね」
フレリアさんはそういうとくるくると鱗粉のようなものまき散らしながら私の周りをまわる。すると体の中から何かが沸き上がるような感じがした。
「これで貴方は岩石魔法を使えるようになったわ」
「岩石魔法?」
「簡単に言うと、鉱物や宝石を作り出すことができるわ。試しに何か1つ作ってみて」
「ど、どうやれば…?」
「頭の中で作りたい鉱石を思い浮かべるだけでいいわよ」
鉱石……えっとじゃあ、無難にルビーにしてみよう。
「ルビーよ出てこい!」
そうつぶやくとポンと音を立てて目の前にルビーが現れた。
「上出来上出来」
「おお、こんな簡単ですね……」
「まぁそういう魔法だからね、できないわけがないわ……そういやそろそろもう夜になると思うけど帰らなくていいの?」
おっともうそんな時間か。そういえばすっかり忘れていた。
「大丈夫です。このブレスレットで帰ります」
「そんなのもあるんだ、人間って面白いものを作るわね」
モグラの死体を回収しリリィを抱きかかえたところで蜘蛛ちゃんが地面に降りてフレリアさんの前に行く。
「蜘蛛ちゃん?」
「お?何……ふんふん、なるほどなるほど………」
フレリアさんがしゃがんで蜘蛛ちゃんに目線を合わせる。どうやら何か伝えているようだ。
「この白蜘蛛、貴方たちの仲間になりたいって言ってるわ」
「仲間?」
「この子、どうやら仲間から迫害されていたようね」
「へ?」
3人で勝利を祝っているとどこからか女の子の声が聞こえてあたりを見回す。けど誰もいない?
『あ、ちょっと待って今出るから』
「出る?」
どういうことかと思っているとモグラの口ががパリと開き茶色の髪をした女の子が出てきた。
「はぁーい、初めまして。私はフレリア。石の精霊よ」
「石の精霊?」
「そう。もっといってしまえばこの鉱山を根城にしている精霊ね」
フレリアさんの話をまとめるとこうだ。
この鉱山は色々な鉱石が取れるということで色んな人間がここに労働者を派遣して鉱石を採取していたらしい。ルビーやアクアマリン、ダイヤモンドなど色んな宝石がとれたから人々は奥へ奥へ掘り進んでいった。
「けど、毎日毎日カンカンカンうるさかったのでしょうね、この鉱山に元々住んでいた土龍がブチ切れちゃって当時鉱山にいた人間たちを皆殺しにしちゃったのよ」
「ひえ……」
モグラは土竜って呼ばれてるけど、皆殺しなんて言うから絶対ドラゴンの方だ……。
「あ、今はもういないから大丈夫よ。寿命で死んじゃったからね」
「そうなんですね……」
「で、あのモグラよ。土龍がいなくなったから今度はあのモグラが暴れるようになっちゃったの。私もどうにかしようと思ったんだけど油断したところを飲み込まれちゃって。脱出もできないしモグラが死ぬまでこのままなんて嫌ー!って思ってたら今日、あなた達が現れたの」
「そうだったんだ……蜘蛛ちゃん、フレリアさんが困っているって知っていたの?」
蜘蛛ちゃんは首をかしげている。違うらしい。
「ふんふん……どうやら貴方に奇麗な石をあげたかったらしいわね。貴方のような人間は奇麗な石を好むから料理のお礼になると思った……って言ってるわ」
「言葉わかるんですか?」
「あ、そっちの子犬はわからないわよ、この子が主の祝福持ちだから言いたいことがわかるっていうだけ。それにしても偶然とはいえ主の客人が助けに来てくれるとはね」
「祝福持ちって……この蜘蛛ちゃんが?それに主って?」
「あら、知らなかったのね。そう、この子も貴方と同じ祝福持ちの魔物。そして主は勿論女神オルトリア様よ。貴方オルトリア様の導きでこの世界にやってきたんでしょう?」
彼女の言葉に目を丸くする。まさか異世界人だということも、女神様に導かれてやってきたことも知っていたなんて。
「オルトリア様が貴方をこの森に送ったのも、貴方が魔物を連れていることも、今日私たちが出会ったのも、きっと運命ね」
「運命、ですか」
「あれ、嫌だった?」
「いえ、ちょっと壮大だなと思っただけです」
「そう?私たちに出会いにぴったりの言葉じゃない。あ、そうだ貴方にお礼をしなくちゃね」
フレリアさんはそういうとくるくると鱗粉のようなものまき散らしながら私の周りをまわる。すると体の中から何かが沸き上がるような感じがした。
「これで貴方は岩石魔法を使えるようになったわ」
「岩石魔法?」
「簡単に言うと、鉱物や宝石を作り出すことができるわ。試しに何か1つ作ってみて」
「ど、どうやれば…?」
「頭の中で作りたい鉱石を思い浮かべるだけでいいわよ」
鉱石……えっとじゃあ、無難にルビーにしてみよう。
「ルビーよ出てこい!」
そうつぶやくとポンと音を立てて目の前にルビーが現れた。
「上出来上出来」
「おお、こんな簡単ですね……」
「まぁそういう魔法だからね、できないわけがないわ……そういやそろそろもう夜になると思うけど帰らなくていいの?」
おっともうそんな時間か。そういえばすっかり忘れていた。
「大丈夫です。このブレスレットで帰ります」
「そんなのもあるんだ、人間って面白いものを作るわね」
モグラの死体を回収しリリィを抱きかかえたところで蜘蛛ちゃんが地面に降りてフレリアさんの前に行く。
「蜘蛛ちゃん?」
「お?何……ふんふん、なるほどなるほど………」
フレリアさんがしゃがんで蜘蛛ちゃんに目線を合わせる。どうやら何か伝えているようだ。
「この白蜘蛛、貴方たちの仲間になりたいって言ってるわ」
「仲間?」
「この子、どうやら仲間から迫害されていたようね」
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