ひかり

ながせ るい

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第1章

爽やかな笑顔と彼

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ーーカランカラン
「いらっしゃい、さつきちゃん」
「マスターこんにちはー!」
「今空いてるから好きなとこいいよ」
「はーい。……あ、蓮くん!」
蓮くんはイケメンで学校の王子様的存在。すらっと高い背にさらさらで茶色の髪の毛、透き通った綺麗な目。いつも向けてくれる優しい笑顔は時折何かを隠しているようにも感じるときがある。
「おー、西村さん。こんにちは」
「こんにちはー。蓮くん来てたんだ!お邪魔してもいいかな?」
「もちろんだよ。るきは今トイレ行ってるところ」
「そうなんだ、あっ!!このケーキ美味しそう!!食べていい?」
「あー、うん大丈夫じゃない?」
「やったあー!いっただきまーす!……うん、これ美味しい!!」
実は、私完璧すぎる蓮くんが少しだけ苦手。何かしていないと空気がもたないような気がして、こうしていつも黒瀬くんのケーキを食べてしまう。ごめんなさい!黒瀬くん!!
「黒瀬くん。こんにちはー」
「あ、西村さん。こんにちは、来てたんだ」
「うん。丁度さっき来て、蓮くんみつけたからお邪魔しちゃった」
よかったー、黒瀬くん来た!あ、ケーキみてる。ですよねー…ごめんなさい…ごめんなさい、黒瀬くん。
「大丈夫だよ。って、西村さんそれ僕のケーキ」
「え!!そうなの!?またやっちゃった、美味しそうでつい…。ごめんなさい!!」
黒瀬くんも流石にに怒るかな…?3回目な気がするし…。
「いいよ。それあげる」
「…いいの?ごめんね!これいくらだった?」
やっぱり優しいな、黒瀬くん怒らないでいてくれる。せめてお金だけでも払わせてもらわなきゃ…!
「そんなお金とかいいよ。それくらいおごる」
「えー!そんなの悪いよ!勝手に食べちゃったわけだし、自分で払う!!」
「そうだ、西村さん明日誕生日でしょ?誕生日ケーキにしよう」
「なんで知ってるの!?すごい!嬉しい!!!」
「なんか今日クラスの子が言ってたから。ってことでお金はいりません」
「う、うー。申し訳ないけど、そう言ってくれるならお願いします」
「うん、よろしい」
「黒瀬くん、ありがとう」
そう。見ての通り黒瀬くんはとっても優しい。しかも、頭が良くてとても落ち着いているから同い年なのに大人にみえる。黒瀬くんにこれ以上迷惑かけないようにしなくちゃ!
……そしてはやく仲良くなって、相談しないと
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