僕の私の夢は超イージーモード。だった・・・

ma-no

文字の大きさ
42 / 52
四章 宇宙人との戦争

42 堀口家

しおりを挟む

 石坂と情報交換していた蒼正は時計をチラチラと見て、頃合いとなったら用事があると立ち上がる。

「なんだか緊張しているように見えるが、これから何かするのか?」

 流石はベテラン刑事。石坂は蒼正の顔が徐々に強張っていた事に気付いている。

「これから彼女のお母さんと初めて会うので……」
「フッ……そういうことか。父親と会うよりマシなんだから、気楽に行け。堀口の母親も優しそうな人だったから大丈夫だ」
「そうなんですか……ちなみに石坂さんは、結婚の挨拶とかどんな感じだったんですか?」
「結婚の挨拶?? 相手の父親に刑事なんかと大反対された」

 石坂は変な事を聞くなと思ったが、蒼正の緊張をほぐしてやろうと結婚について語る。
 相手方の父親に反対された後は、誠意を見せてなんとか結婚が出来たらしい。だがしかし、職業柄、家に全然帰って来無いので、10年で破局。子供の親権も当然母親になり、養育費を払いながら一人で生活しているそうだ。

「と言う訳で、義父が正しかったという訳だ。助言は聞くもんだな」
「はあ……それで石坂さんは幸せなんですか?」
「考えた事が無い。俺の子供が幸せならそれでいい。そうだ。俺も最後になるかも知れ無いんだから会いに行か無いとな。忘れる所だった。有り難うな」

 少し石坂の事が格好いい大人に見えた蒼正であったが、子供の事を忘れていたから、だから離婚されるんだと納得する。

「それじゃあ……そうそう。これ、アメリカ土産だ。これから彼女に会うなら渡しておいてくれ」
「あ、有り難う御座います」
「頑張れよ」

 こうして石坂は紙袋をふたつ蒼正に押し付けると、右手を軽く挙げて振り返らずに去って行くのであった。


 ちょっと石坂と話をし過ぎた蒼正だったが、元々早く出過ぎていたので、堀口家に余裕を持って到着。早く着き過ぎたのでどうした物かと考えた結果、とりあえず純菜には連絡する。
 遊園地デートでは、1時間も近くに立っていて時間を無駄にしたから、それを考慮したらしい。

 するとすぐに純菜から返事が有り、外に出て来てくれるとのこと。母親はまだ準備中だから外で二十分程お喋りしながら待ってから、二人で家に入った。

「純菜さんとお付き合いさせていただいている、吉見蒼正です。宜しくお願いします。こちら、つまらない物ですが受け取って下さい」
「ウフフ。そんなにかしこまらなくても大丈夫よ。さあ、上がって上がって」

 蒼正が緊張して手土産を差し出しながら挨拶をすると、晴美は笑顔で受け取って奥へと案内する。リビングまで入ると純菜がダイニングテーブルに連れて行き、そこに蒼正と共に座った。

「大したおもてなしが出来無くてゴメンね。お口に合うといいな~」
「い、いえ。美味しそうです」
「アハハ。有り難う。そっちの料理は純菜が作ったから、絶対美味しいわよ~?」
「もう! ママ。早く食べようよ」

 晴美がからかって純菜が怒った所で、歓迎会の開始。一先ひとまず蒼正は純菜が作ったという料理を食べて、美味しいと褒める。
 その言い方が大袈裟だったので、純菜は照れて蒼正の肩をバシンと叩いていた。晴美はそんな二人のやり取りを微笑ましく見て、「若いな~」とか思っている。

 蒼正は母親から出された物は全部平らげろと言われていたけど、晴美が張り切って作り過ぎていたので、ギブアップでランチは終了。しばらく動けそうに無い。

「蒼正君。有り難う」

 純菜がトイレに入ったタイミングで晴美から感謝の言葉が出ると、蒼正はほうけた顔になる。

「なんの事ですか?」
「小学校の時に純菜を助けてくれたらしいじゃない? それに今も、暗かった純菜をこんなに明るくしてくれて……全て蒼正君のお陰よ」
「いや、僕は別に何も……僕も純菜さんに助けられているのでお互い様ですよ」
「そんな事無いよ。ずっと純菜と仲良くしてくれると、安心出来るからお願いね?」
「はい。それは約束します」

 二人が喋っていたら純菜が戻って来てどんな会話をしていたか聞かれていたが、晴美が誤魔化すのでそれに合わせる蒼正。
 しばしその場で世間話をして、お腹が少し落ち着いたら、蒼正は手を引かれて純菜の部屋に移動した。

「僕と一緒で本がいっぱいだね。こ、これは……」
「まだ残ってた!?」

 初めて女子の部屋に入った蒼正は手持ち無沙汰だったので、なんとなく本を手に取ってみたらBL本。タイトルが普通だったから漏れがあった模様。
 なので蒼正が普通の本を読んでいる間に、純菜は慌てて怪しい本はクローゼットに押し込んだ。

「卒業アルバムとかって取ってあるの?」
「一応……酷い写真ばっかりだけど……」
「あ、見せるの嫌ならいいよ。小さい頃の写真とかは見たいけど」
「ううん。ちょっと待って」

 純菜は小中とイジメられていたから見られたく無いが、蒼正はイジメが酷かった頃の卒業アルバムも見せてくれたので、覚悟を決めて持って来た。
 ただ、卒業アルバムには純菜がほとんど映っていなかったので、すぐに終了。小さい頃の写真に移るが、蒼正はずっと可愛いと言っていたから純菜は顔が真っ赤だ。

 写真等を見終わると、蒼正は石坂から得た情報を報告。意外と話が進んでいたから、純菜も驚いていた。
 それからこれからの話をしていたら、晴美がおやつと飲み物を持って来てくれたけど、ノックも無しに入って来たので純菜に怒られていた。晴美はガッカリした顔をしている所を見ると、イチャイチャしてる所を見たかったのだろう。

 晴美が出て行った後に、もういいかと甘い一時を送る純菜と蒼正。こんな事もあろうかと、二人共我慢していたみたいだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...