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第二章
46 妖狐 修行する
しおりを挟む俺は妖狐。
修行する事を強制的に決められてしまった。
それから数日、お姉さんの神社で修行している。
「お姉ちゃん。掃除終わったよ~」
もちろんひよりも一緒だ。
基本的に二人の学校が終わると、神社で巫女装束に着替えて境内の掃除をし、それが終わると戦闘訓練になる。
「お疲れ様。それじゃあ、殺ろっか?」
うっ……
お姉さんの目が怖い。
その目だけで、殺されそうだ。
「今日は逃げてばかりいないで、攻撃もするんだよ~? 普通の木刀なんだから、当たっても消える事はないからね?」
いやいや。
その殺気が信用出来ないんだ!
「もう少し手加減してくれないか?」
「そんな事したら、ヨウコちゃんの為にならないじゃない。行くわよ。喰らえ。『真突き』~~~!」
「わ~~~!」
いきなり必殺技を出すな!
それは大きなあやかしを貫いた技だろ!!
うお!
今度は連撃。
避けるので精一杯だ。
「ちょこまかと……」
お姉さんの殺気が膨らんだ!?
勘弁してくれ。
よっ! はっ! とう!!
ふう。
逃げに徹すればギリギリ避けられる。
だが攻撃ってのがわからない。
当然だ。
つい先日まで、戦いに無縁な管狐だったからな。
「逃げてばかりいないで、攻撃して来なさい!」
怒られた……
毎日これでは、そのうち退魔の木刀を持ち出して来そうだ。
「お姉さん。俺は戦い方を知らないんだ。先にそれを教えてくれないか? そうじゃないと、攻撃しようもない」
「あ……一理あるわね。う~ん……」
ホッ。
ひとまず攻撃は止まったな。
出来れば、修行もやめて欲しい。
「ヨウコは尻尾で戦えばいいんじゃない? 尻尾をブワーってして、ブワーってあやかしをやっつければいいの!」
ひより……
ブワーってところを説明してくれ。
「なるほど。その手があったわね」
お姉さん……
どの手だ?
今の説明でわかったのか?
「要するに、霊気を尻尾に集めて大きくした尻尾で殴り殺したり、絞め殺したりしたらいいのよ」
言いたい事はわかったが、殺すのは必須なのか?
「あとは、獣のように噛み殺したり、爪で引き裂いて殺す……頭からぶつかって殺すって手もあるわね」
殺す殺すとぶっそうな事は言わないでくれないか?
訓練だろ?
「さあ、続きよ!!」
「ま、待って……わ~~~!」
話も聞かずに木刀を振るな!
まだ考えもまとまっていないんだ。
たしかに噛む、引っ掻くは俺に合った戦い方かもしれない。
ただ、そんな事をすると、お姉さんが怪我をしてしまう。
そうなったら、お姉さんのお父さんが怖い。
修行を始める前に「娘を傷物にしたらわかっているよなぁ?」と、とびきりの殺気を頂いた。
となると、戦闘方法はひよりの言っていた尻尾と体当たりが主力となりそうだ。
尻尾に多く霊気を集めるだったか……
こうか?
お! 尻尾が強くなった気がする。
長さも自在っぽい。
これならお姉さんの木刀を受け止められるかも?
怖いけど、覚悟を決めよう。
頭を狙って来た次の木刀に合わせて……
ガシッーー!
「やった! お姉ちゃんの攻撃を止めたよ!!」
「ふ~ん。やれば出来るじゃない。面白くなって来た~」
頼むから、殺意のこもった目をやめてくれ!
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