野良の管狐は幼女に妖狐の夢を見させられる

ma-no

文字の大きさ
46 / 63
第二章

46 妖狐 修行する

しおりを挟む

 俺は妖狐。
 修行する事を強制的に決められてしまった。
 それから数日、お姉さんの神社で修行している。

「お姉ちゃん。掃除終わったよ~」

 もちろんひよりも一緒だ。
 基本的に二人の学校が終わると、神社で巫女装束に着替えて境内の掃除をし、それが終わると戦闘訓練になる。

「お疲れ様。それじゃあ、殺ろっか?」

 うっ……
 お姉さんの目が怖い。
 その目だけで、殺されそうだ。

「今日は逃げてばかりいないで、攻撃もするんだよ~? 普通の木刀なんだから、当たっても消える事はないからね?」

 いやいや。
 その殺気が信用出来ないんだ!

「もう少し手加減してくれないか?」
「そんな事したら、ヨウコちゃんの為にならないじゃない。行くわよ。喰らえ。『真突き』~~~!」
「わ~~~!」

 いきなり必殺技を出すな!
 それは大きなあやかしを貫いた技だろ!!
 うお!
 今度は連撃。
 避けるので精一杯だ。

「ちょこまかと……」

 お姉さんの殺気が膨らんだ!?
 勘弁してくれ。
 よっ! はっ! とう!!
 ふう。
 逃げに徹すればギリギリ避けられる。
 だが攻撃ってのがわからない。
 当然だ。
 つい先日まで、戦いに無縁な管狐だったからな。

「逃げてばかりいないで、攻撃して来なさい!」

 怒られた……
 毎日これでは、そのうち退魔の木刀を持ち出して来そうだ。

「お姉さん。俺は戦い方を知らないんだ。先にそれを教えてくれないか? そうじゃないと、攻撃しようもない」
「あ……一理あるわね。う~ん……」

 ホッ。
 ひとまず攻撃は止まったな。
 出来れば、修行もやめて欲しい。

「ヨウコは尻尾で戦えばいいんじゃない? 尻尾をブワーってして、ブワーってあやかしをやっつければいいの!」

 ひより……
 ブワーってところを説明してくれ。

「なるほど。その手があったわね」

 お姉さん……
 どの手だ?
 今の説明でわかったのか?

「要するに、霊気を尻尾に集めて大きくした尻尾で殴り殺したり、絞め殺したりしたらいいのよ」

 言いたい事はわかったが、殺すのは必須なのか?

「あとは、獣のように噛み殺したり、爪で引き裂いて殺す……頭からぶつかって殺すって手もあるわね」

 殺す殺すとぶっそうな事は言わないでくれないか?
 訓練だろ?

「さあ、続きよ!!」
「ま、待って……わ~~~!」

 話も聞かずに木刀を振るな!
 まだ考えもまとまっていないんだ。
 たしかに噛む、引っ掻くは俺に合った戦い方かもしれない。
 ただ、そんな事をすると、お姉さんが怪我をしてしまう。
 そうなったら、お姉さんのお父さんが怖い。
 修行を始める前に「娘を傷物にしたらわかっているよなぁ?」と、とびきりの殺気を頂いた。

 となると、戦闘方法はひよりの言っていた尻尾と体当たりが主力となりそうだ。
 尻尾に多く霊気を集めるだったか……
 こうか?
 お! 尻尾が強くなった気がする。
 長さも自在っぽい。
 これならお姉さんの木刀を受け止められるかも?
 怖いけど、覚悟を決めよう。

 頭を狙って来た次の木刀に合わせて……

 ガシッーー!

「やった! お姉ちゃんの攻撃を止めたよ!!」
「ふ~ん。やれば出来るじゃない。面白くなって来た~」

 頼むから、殺意のこもった目をやめてくれ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】悪の尋問令嬢、″捨てられ王子″の妻になる。

Y(ワイ)
ファンタジー
尋問を生業にする侯爵家に婿入りしたのは、恋愛戦略に敗れた腹黒王子。 白い結婚から始まる、腹黒VS腹黒の執着恋愛コメディ(シリアス有り)です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される

さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。 慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。 だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。 「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」 そう言って真剣な瞳で求婚してきて!? 王妃も兄王子たちも立ちはだかる。 「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

処理中です...