8 / 38
08 追跡者にゃ~
しおりを挟む初仕事で森の奥へ奥へと薬草を探しながら魔物を倒していると、魔物の種類が変わる。
オークやオーガも大きくなり、ゴーレムやサイクロプスなんかも出て来た。それらは、わしとコリスならワンパン……わしはニャンパンで倒せる。
べティはてこずるようになり、ノルンは何発も掛かってやっと倒せる程度なので、もう動かないでほしい。
数も増え、百匹近くのゾンビや骸骨に囲まれたりして恐怖に震えるが、わしの広範囲魔法で一蹴。次に出会った鎧の集団と戦っているところで、わしの探知魔法に気になる反応があった。
「コリス。わしはちょっとやることができたから、べティのこと頼めるかにゃ?」
「うん。いいよ~」
「あたしなら一人で大丈夫なのに~」
なのでサブリーダーのコリスに一言掛けたら、べティはブーブー言ってた。でも、無視してわしはこの場から消えるのであった……
* * * * * * * * *
「ゼーゼー……くっそ~~~!!」
わしが急いで移動した理由は、わし達をつけていた人物が魔物に囲まれていたから。
今までは息を潜めていればバレなかったようだが、コウモリみたいなデカイ魔物の前では超音波で発見されたようで、追跡者は必死にクナイを振って戦っている。
「にゃあにゃあ?」
「いま忙しいの!」
そんな現場に到着したわしは、紫色のショートヘアのクノイチみたいな女性の後ろについて声を掛けてみたのだが、こちらも見ないで断られてしまった。
「にゃあにゃあ?」
「だから! ……へ??」
再度声を掛けてみたら、クノイチはこちらを見て固まってしまった。
「おっとにゃ。これ、わしが倒していいかにゃ?」
突然の出来事にクノイチは隙だらけになっていたから巨大コウモリに噛まれそうになったので、わしは刀の峰で受け止めた。
「え、ええ……倒してもらえると助かる……」
「じゃあ、ちゃっちゃっとやっちゃうにゃ~」
クノイチから許可をもらったら、わしは素早く動いて巨大コウモリに攻撃。瞬く間に七匹を斬り捨ててやった。
「フンッ。峰打ちにゃ……」
「そうなの? 全部一撃で死んだわよ??」
「余韻を楽しんでたんにゃから黙っててにゃ~」
「あっ! ごめんなさい」
せっかくかっこよく人助けできたのにクノイチが口を開いてしまったので、いまいち決まらないわしであったとさ。
「ところでお姉さんって、こんにゃところでにゃにしてるにゃ?」
わしはクノイチの行動を全て理解しているので、ニヤニヤしながら質問。
「えっと……道に迷って……」
「へ~。迷子なんにゃ~。仲間は居ないにゃ?」
「い…る。一緒に森に入って狩りをしてたんだけどハグレちゃって……」
「じゃあ、仲間を探さないとだにゃ~。手伝ってあげるにゃ~」
「えっ……それは悪いかな~? それに、もしもハグレたら森の入口で集合することになってるし……」
「プッ……ふ~ん。ここから一人で戻れそうにゃ?」
わしはちょっと吹き出してしまったがずっとニヤニヤしているから、クノイチにはあまり怪しまれていないと思われる。
「……ちょっと厳しいかも」
「それじゃあ、送ってあげるにゃ~。あ、わしはシラタマと申すにゃ~」
「私は……ハナコ。少しの間、お願いできるかな?」
「いいにゃ~。でも、名前はそれでファイナルアンサーにゃ?」
「う、うん。ファイナルアンサーだけど……なんで?」
「それじゃあこっちにゃ~。ププッ」
「なんでずっと笑ってるの??」
「にゃんでもないにゃ~」
さすがにバレそうになったので、わしはこれ以降振り返らずに笑いを堪えながら走り出したのであった。
「肩がめちゃくちゃ震えてるけど大丈夫?」
「にゃはははは」
「なに笑ってるのよ!?」
堪え切れずに、わしは大笑いしながら走り続けるのであったとさ。
コリス達の元へ戻ったら、鎧の騎士を倒し終わってドロップアイテムを集めていたので、ハナコには座っているように言ってわしも参加。べティが笑ってないで手伝えと怒るので仕方がないのだ。
素早く動き回り、鎧や剣や魔石等を次元倉庫に入れまくったら、皆にハナコを紹介する。
「こちらは、冒険者って言ってるハナコさんにゃ~。ププププ」
「え? お城から派遣された、あたし達の見張りでしょ??」
「なっ……」
べティが本当のことをぶっちゃけるので、ハナコが大口を開けて固まってしまった。
「本人がそう言ってるんにゃから信じてあげようにゃ~」
「信じてあげるって……ずっとあたし達を一人でつけていたんだから、嘘言ってるに決まってるじゃない」
「だからその嘘に付き合ってあげようと言ってるんにゃ~」
「あ、そゆこと。プププ。シラタマ君ってイジワルね~。きゃはははは」
「親切って言ってくれにゃ~。にゃはははは」
「な、ななななな……」
「「「「にゃ~はっはっはっはっ」」」」
ハナコがとんでもなく焦った顔をするので、わし達は大笑い。おそらくノルンはわかって笑っていて、コリスはわしが笑っているからノリで笑っているのだろう。
「も、もういいわよ! あなた達の見張りでここに居るのよ!!」
さすがにバレバレでは、ハナコも簡単にゲロッた。というか、バカにされているからキレてる。
「あ、もうバラすんにゃ。もうちょっと楽しみたかったのににゃ~。べティがよけいにゃことを言うから~」
「ごめ~ん。でも、それならそうと言っておいてよ~」
「もういいって言ってるんだからやめてよ~」
それでもわし達が追い詰めるから、ハナコは顔を押さえてうずくまるのであった。よっぽど恥ずかしいみたいだ。
「んじゃ、尋問はこの先でしようにゃ~」
ちょっと進んだところに薬草の群生地があるので、そこに移動。ちょうどお昼になったので、テーブルに料理を並べてランチにする。
「実は私は……」
「先に食べようにゃ。そのあとゆっくり聞くにゃ~」
「は、はあ……」
カミングアウトは食事のあと。多く出したけど早く食べないとコリスの頬袋に収められるので仕方がないのだ。
「何これ!? 美味し~~~い!!」
その甲斐あって、先程まで死んだ目をしていたハナコは元気になるのであったとさ。
「いっぱい食べたにゃ~」
「はっ!?」
食事を終えたら、ハナコはお腹パンパン。料理が美味しすぎて夢中で食べていたのを今ごろ気付いたみたいだ。
「ほんで、名前はハナコでよかったにゃ?」
「うっ……本当は違います……」
「えぇ~。ファイナルアンサーって言ってたにゃ~」
「イジワル言わないで……」
もう一度立場を教えてあげたら、諦めたような顔に変わった。
「名前は……アオイです」
「ふ~ん……そのアオイさんは誰の使いにゃ? 王女様かにゃ? それとも王様かにゃ~??」
「そ、それは……」
「言えないってことは王様みたいだにゃ……」
わしが真面目な顔で見詰めると、アオイは視線を落とした。
「ホント、シラタマはアホ面なのに察しがいいんだよ」
「ノルンちゃんは黙ってろにゃ~」
アオイの代わりにノルンがわしを愚弄するのでムカつく。
「となると、わし達の暗殺までが仕事なのかにゃ~?」
「言えない……」
「それって、答えを言ってるのと変わらないんにゃよ?」
「くっ……殺せ!」
わしが核心を突くと、アオイにキッと睨まれた。
「プッ……べティ、こんにゃこと言ってるにゃ~」
「そりゃこんだけ恥を掻かされたら死にたくなるわよ~。シラタマ君。謝ったほうがいいわよ」
「あっちゃ~。からかいすぎちゃったにゃ~。ごめんにゃ~」
わしが頭を下げると、アオイは目をパチクリしている。
「どうしたにゃ?」
「いえ……言ってる意味が……」
「悪いことしたから謝ってるんにゃ。にゃにか問題でもあるにゃ? あ、美味しいケーキでも食べるにゃ??」
「うん……いやいや。悪いことしたのは、私のほうでしょ!? どうしてあなたが謝っているのよ!!」
「アオイさんはただ仕事をしただけだからにゃ。その仕事をバカにしたにゃら、謝るのが筋にゃろ?」
「私はあなたを殺すかも知れなかったのよ!!」
わしが的外れなことを言い続けると、ついにアオイは仕事内容を言っちゃった。
「あ、やっぱり、悪者だと判断したら殺すように言われてたんにゃ」
「あっ……」
アオイが口を塞いでも、もう遅い。
「別に向かって来ても、わしは一向に構わないにゃ。アオイさんがわしを殺せると思っているならにゃ」
「そ、それは……」
「ぶっちゃけ君の実力じゃ、わしに触れることすらできないにゃ。クナイで斬られても傷を負うこともないにゃ。それほど、君とわしとでは差があるんにゃ~」
椅子に座っているアオイの目の前まで近付いてわしがわざと背中を見せると、アオイは懐に手を入れてクナイで襲い掛かった!
「なっ……」
「てにゃ感じで、動くこともできないってわけにゃ~」
しかしアオイは、わしに後ろから押さえられて立つこともならぬ。わしが侍の勘で動き出しを捉えて回り込んだからだ。
「ま、もう少し薬草採取を続けるから、好きにゃように襲い掛かって来てにゃ~。みんにゃ~。休憩は終わりにゃ~」
アオイはわしを殺すことは諦めたように天を仰いでいるので、わし達は薬草をブチブチ抜いて採集。ほどほどで終わらせて、次の群生地を探すのであった。
わしの鼻には、森のさらに奥に行けば薬草がありそうなにおいがあったので、奥へ奥へ。木々は薄気味悪く、大きくなって行く。
それに伴い魔物も大きくなるのでそこそこ手強い。と言っても、現地の人にとってはだ。
「キメラかにゃ? キマイラかにゃ??」
「何を悠長なことを言ってるのよ! 災害級の魔物なんだから早く逃げないと!!」
アオイが焦っているが、10メートル程度の生き物ならお手の物。
「ほい。終わったにゃ~」
「もう! あたしにやらせてくれてもよかったでしょ~」
キマイラの、ライオンの頭から羊の胴体に掛けて蛇の尻尾までを、目にも留まらぬ早業で真っ二つにしたわしが戻ると、べティが文句を言うのであった。
「はい? 何をやったかも見えなかった……」
わしの刀を抜く姿どころか体捌きすら見えなかったアオイは、へなへなっと腰を落とすのであったとさ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる