貴方だけを愛しすぎた。

柿野汰猫

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出会いと戸惑い

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玲「ヤバイ急がなきゃ!!!」



家の鍵を持って、バタバタとエレベーターに乗り込み
1階に着くと、確かにポストの所でくたばっている男性が居ました。


玲「う~・・・ここまで臭う。身なりで絶対ホストだな・・・」


ソロソロと歩いていると、男性の近くに落ちている携帯が鳴った。
男性は気づかずに爆睡している。


玲「見なかった事にしようかな・・・」


男「・・・・んっ・・。」


玲「?!!!」


男性は携帯の音に気づいたのか、手探りで携帯を探していました。



男「あれ・・・・け・・携帯・・・」


軽くため息を付きながら、どうしようか迷っていると
男性が目を開けてコチラを見た。



男「あ・・・誰?」


玲「・・・・貴方こそ誰ですか?ここに居たら邪魔ですよ」


男「・・・うおっ!!完全に部屋に帰ったと思ってた(笑)っか頭いてぇ・・・」


玲「大丈夫ですか?あの、携帯そこにありますからね」


男「ああぁ・・・ありがと」


頭を抱える男性。私は、出勤時間がとっくに過ぎているのを忘れていた。


気づいたら自販機に駆け寄り、水を購入して
男性の元へ戻っていた。



玲「あの、これよかったらどうぞ」


男「え?あ、お金・・」

玲「大丈夫です。それより、早く部屋に戻ったほうがいいですよ。
  ここの管理人さん少しうるさいし」


男「言われなくてもわかってるよ。・・・立たせて?(笑)」


腕を引っ張りながら、グチグチ文句を言う私を
切れ長で、どこか優しい目をした視線が私を見つめていた。



玲「なんでこんな酔いつぶれるまで飲んでるんですか!!」

男「仕事だから。仕方ないでしょぉ・・?」


男性を起こすと、フラフラと歩く姿に不安を覚えた。




玲「あの・・・部屋まで送りましょうか?」


男「ははは(笑)何?部屋まで来て身体でお礼してほしいの?(笑)」



玲「永遠に潰れてしまえ」




捨て台詞を吐きながら、私は猛ダッシュで店に向かった。




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