3 / 6
死神 case 2
しおりを挟む
歴史上名高い人物がいらっしゃることは多々あります。
私自身、俗世でどんな人物が活躍してらっしゃるのか、気になって人間のフリして下界へ降りることがあるのですが、この人物は当時からある一種の恐怖を抱くほどでした。
ですが町民の話を聞いてみると、「楽に商売ができる」、「世間では魔王と呼ばれているけど民のことを考えてくれる良いお方です」など庶民からの人気はとても高く感じました。
そんな人物が、まさか私の担当になるとは思ってもみなかったのでこの時のことは衝撃的だったのを覚えております。
まさか、ワシが死神なんぞと会う羽目になるとはの。
ここまで神、仏も信じず天下を収めんと邁進してきたがいやはや、お主は本当に死神か?
しかし奇天烈な恰好じゃ、ワシも南蛮渡来の衣服を集め身にも着けてきたがそんなシュッとした服は見たこともないぞ?
世は広いと思ってきたがいやはや、その首に巻いておるのはなんじゃ?苦しくないのか?
そうか、「ねくたい」と申すか。それはどこぞの国にあるものじゃ?
日本か?明か?それとも南蛮か?
ほぉ、そうか。未来のものか?なんかお主と話していると新しい物が知れて楽しいぞ。
ワシは常にこの狭い日本という国が大嫌いじゃった。
何故かだと?こんな狭い島国で南蛮渡来のものや明伝来のものに触れてみるとの、
日本が如何に醜悪でちっぽけ存在であるかを悟ったのよ。
ワシはな、常に何か新しいものを探しておった。
ガキの頃からその場にジッとしているのが嫌での、着物ですらちゃんと着れなかったわ。
親父の葬式の時ですら、無駄な時間を使いおってと思ったもんじゃ。
それは大人になっても変わらんかった。古臭い家臣どもにワシの考えも理解できんかったらしく、何度も何度も裏切られたわ。
その度に恩赦を与えたり、許したりと心をつかんでやろうかと思うたけどな、また裏切るんじゃ。
下剋上とはよく言ったものよ。そこで気づいたんじゃ、裏切られるくらいなら殺せばいいとな。
じゃが有能な奴はやはり有能じゃ、手元に置いておきたいのが人間ってもんじゃ。
以前に松永という男がおってな、このじじぃは誠に頭が切れる奴じゃった。
考えもワシと似ておったのか話もよう合うての、部下というより気心知れた関係のような気がしたもんだわ。
だが、あやつも同じことを考えとったかもしれんの、いつか邪魔になるとな。
だから攻め滅ぼそうとした。じゃがあいつは茶器とともに爆発しおったわ。茶器をよこせば助けると言ったんじゃがの。そんなに茶器を渡したくなかったじゃろうな。冗談じゃ。
そいえば寺も燃やしてやったわ。なに、あの寺の坊主どもは色欲にまみれ、街には女を住まわせておった。
何が神仏じゃ、神仏もそんな不届きな輩なんぞいらんじゃろ。だから代わりに成敗してやった。実際坊主どもは攻めてきたと分かるなりすぐさま逃げ出したがな。
まあ盛大に燃やしてやったから京の町からも見えたそうじゃ。じゃから他の国々も見えたであろうな。
他国に関してはワシの力を見せつけられ恐れおののいたじゃろ。
おかげで第六天魔王などという名がついたわ、気に入ったんでそのまま使ったわ。
寺を焼いたと言えば光秀もそうじゃな、ワシを真似したんじゃろうな。これも冗談じゃ。
まさか寺まで攻めてきたと思わなんだ。まあ分かっておったがの。
なぜかってワシは第六天魔王ぞ、知らん事なぞないわ。
あやつの謀反の意は分かっておった。おおよそサルやタヌキが光秀をそそのかしたんじゃろうな。
単なる予想じゃがの。
人間はいつか死ぬ。それは間違いないことよ。
ワシの好きな歌に「敦盛」というのがあっての、「人間は五十年」なんじゃ。
その五十年をひたすらに走ってきたが、あと二年じゃったな。
ところで死神よ、ワシは天国でも地獄でもどちらでもよいぞ。
また新しいものが見れるんじゃ。それを邪魔するのであれば神仏や閻魔大王を相手に一戦交えるのみよ、、、
私自身、俗世でどんな人物が活躍してらっしゃるのか、気になって人間のフリして下界へ降りることがあるのですが、この人物は当時からある一種の恐怖を抱くほどでした。
ですが町民の話を聞いてみると、「楽に商売ができる」、「世間では魔王と呼ばれているけど民のことを考えてくれる良いお方です」など庶民からの人気はとても高く感じました。
そんな人物が、まさか私の担当になるとは思ってもみなかったのでこの時のことは衝撃的だったのを覚えております。
まさか、ワシが死神なんぞと会う羽目になるとはの。
ここまで神、仏も信じず天下を収めんと邁進してきたがいやはや、お主は本当に死神か?
しかし奇天烈な恰好じゃ、ワシも南蛮渡来の衣服を集め身にも着けてきたがそんなシュッとした服は見たこともないぞ?
世は広いと思ってきたがいやはや、その首に巻いておるのはなんじゃ?苦しくないのか?
そうか、「ねくたい」と申すか。それはどこぞの国にあるものじゃ?
日本か?明か?それとも南蛮か?
ほぉ、そうか。未来のものか?なんかお主と話していると新しい物が知れて楽しいぞ。
ワシは常にこの狭い日本という国が大嫌いじゃった。
何故かだと?こんな狭い島国で南蛮渡来のものや明伝来のものに触れてみるとの、
日本が如何に醜悪でちっぽけ存在であるかを悟ったのよ。
ワシはな、常に何か新しいものを探しておった。
ガキの頃からその場にジッとしているのが嫌での、着物ですらちゃんと着れなかったわ。
親父の葬式の時ですら、無駄な時間を使いおってと思ったもんじゃ。
それは大人になっても変わらんかった。古臭い家臣どもにワシの考えも理解できんかったらしく、何度も何度も裏切られたわ。
その度に恩赦を与えたり、許したりと心をつかんでやろうかと思うたけどな、また裏切るんじゃ。
下剋上とはよく言ったものよ。そこで気づいたんじゃ、裏切られるくらいなら殺せばいいとな。
じゃが有能な奴はやはり有能じゃ、手元に置いておきたいのが人間ってもんじゃ。
以前に松永という男がおってな、このじじぃは誠に頭が切れる奴じゃった。
考えもワシと似ておったのか話もよう合うての、部下というより気心知れた関係のような気がしたもんだわ。
だが、あやつも同じことを考えとったかもしれんの、いつか邪魔になるとな。
だから攻め滅ぼそうとした。じゃがあいつは茶器とともに爆発しおったわ。茶器をよこせば助けると言ったんじゃがの。そんなに茶器を渡したくなかったじゃろうな。冗談じゃ。
そいえば寺も燃やしてやったわ。なに、あの寺の坊主どもは色欲にまみれ、街には女を住まわせておった。
何が神仏じゃ、神仏もそんな不届きな輩なんぞいらんじゃろ。だから代わりに成敗してやった。実際坊主どもは攻めてきたと分かるなりすぐさま逃げ出したがな。
まあ盛大に燃やしてやったから京の町からも見えたそうじゃ。じゃから他の国々も見えたであろうな。
他国に関してはワシの力を見せつけられ恐れおののいたじゃろ。
おかげで第六天魔王などという名がついたわ、気に入ったんでそのまま使ったわ。
寺を焼いたと言えば光秀もそうじゃな、ワシを真似したんじゃろうな。これも冗談じゃ。
まさか寺まで攻めてきたと思わなんだ。まあ分かっておったがの。
なぜかってワシは第六天魔王ぞ、知らん事なぞないわ。
あやつの謀反の意は分かっておった。おおよそサルやタヌキが光秀をそそのかしたんじゃろうな。
単なる予想じゃがの。
人間はいつか死ぬ。それは間違いないことよ。
ワシの好きな歌に「敦盛」というのがあっての、「人間は五十年」なんじゃ。
その五十年をひたすらに走ってきたが、あと二年じゃったな。
ところで死神よ、ワシは天国でも地獄でもどちらでもよいぞ。
また新しいものが見れるんじゃ。それを邪魔するのであれば神仏や閻魔大王を相手に一戦交えるのみよ、、、
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
他国ならうまくいったかもしれない話
章槻雅希
ファンタジー
入り婿が爵位を継いで、第二夫人を迎えて後継者作り。
他国であれば、それが許される国もありましょうが、我が国では法律違反ですわよ。
そう、カヌーン魔導王国には王国特殊法がございますから。
『小説家になろう』『アルファポリス』に重複投稿、自サイトにも掲載
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる