死神の館の主様

成り行きに身を任せる

「いっとくけど、あたしにはあたしの考えがあるの。という訳で出て行ってくれる？」
『へっ？』
「へっ、じゃないでしょ。あたしの体から出て行けって言ってるの」
　ぶっちゃけ、どうやって出て行けばいいかわからない。
　でも、千坂はすでに出て行かそうとする気でいる。
　体の主導権は千坂に盗られているため、もしかすると何らかの方法で脱出できるかもしれない。
　だけど…………。
「千坂ちゃーん！　目が覚めた！？」
「げっ」
　部屋の扉が開かれる。
　そこから現れたのはあの巨乳さん。
　あからさまに千坂は嫌な反応をした。
「静かにしててね。反応したら殺すから」
　死んでいるのに殺すとは穏やかではない。
　僕は黙って成り行きを見守ることにした。
「大丈夫！？　海岸で意識を失っていてから心配だったよー！」
「大丈夫だから。この通り、問題ないよ」
「そっかー。よかったー。ここまで運んでくるのに、すごく苦労したから。あっ、そういえば、濡れていた服帰すね」
「ありがと」
「どういたしましてだよー」
　２人の友達なのだろうか。
　その辺りの関係性。気になるけど、千坂に言うと藪蛇になるんだろうな。
　千坂に静かにしておいてほしいと言われたため、黙っているけどこのままだと暇でしょうがない。
　何かできることは無いだろうか？