死神の館の主様

鬼ごっこ？？

（ブラックホール、発動！）
「はひょっ？」
　嫌な予感がしたため躊躇なく黒の力を使った。
　引力に惹かれた千坂はどこからともなく吸い込まれて、空中で固定される。
「すごいすごーい！　ご主人様ってこういうこともできるんだ」
　空中にいる事が楽しいのか千坂ははしゃいでいる。
　その際に、スカートが捲れて中が見えるけど目をそらすことができない。
「でも、これだと負けちゃうから……圧縮するね」
　ビギッと空間に亀裂が走る。
　力がぶつかり合ったのかブラックホールは力を失い、千坂は着地してこっちに手を向ける。
「えい。水鉄砲」
　言葉を聞いた時には手遅れだった。
「っ！！？？」
　全身に重い衝撃が走り、屋敷の壁に叩きつけられる。
　どんな攻撃をされたかは見ることができなかった。だけど、どういう攻撃だったのかは服が濡れて、地面に水たまりがあることからわかった。
　水鉄砲。言った通り、ただ水の塊をぶつけただけ。一般の水鉄砲とは質量と速さは桁違いである。
「まだまだいくよ～！」
　もう一度、両足のかかと部分に青い炎を纏い走ってきた。
　今度はまだ目で追うことができる。
　かかと落としが迫ってきて、頭上をガードすることで難なくを得る。
「千坂。鬼ごっこじゃないの？」
「えぇ～。会ってるよ～。ご主人様が鬼って仮定の鬼ごっこ。そして、あたしは鬼退治をする桃太郎！！」
　自信満々に千坂は胸を張っていった。