死神の館の主様

激情

「あっ……がっ……あぁぁぁ！！」
「なんだ……効いているじゃないか」
　一瞬で終わるはずだが、どういう訳かユリスは抵抗することができるみたいだ。
　白の力を持つからか……充分だ。その力は僕のために使ってもらおう。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」
「ユリス様！！」
「このっ……！！」
　２人の従者は立ち上がり、僕に向かって来ようとしている。
　全裸で拘束されているにもかかわらず、健気なこと……だが。
「大人しくしてなさい」
「そうですよ～。ご主人様の邪魔はさせません」
　優奈とアリスが２人の上に跨って完全に身動きできないよう拘束した。
　これで、完全に邪魔するものがいなくなった。
「………………………………っ！！」
　声が枯れ、叫ぶことすらできなくなったユリスだがまだ抵抗している。
　何が彼女をそこまで抵抗させるのかわからないが時間の問題で……。
「……いい、加減に……」
「千坂？」
「いい加減にしなさい！！　このバカッ！！」
「ぐっ！？」
　わき腹に回し蹴りをくらい、ユリスを手放してしまった。
　その場で崩れ落ちるユリスの体を受け止めた千坂は今までにないほど怒っているのがわかる。
　だけど……怒っているのはこちらも同じだ。
「何をするんだ……千坂」