暗闇の中で

みかん

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「あぁっ.....うっ....っ.....」
あいつが出て行った瞬間涙が溢れだした
僕のせいで命が奪われてしまうのはもう絶対に嫌だ。そんなのもうこりごりだ....やめて.....。
おじさんは自分を責めるなと言っていた、でもどうだ、、?実際もし僕と出会っていなかったらおばさんと2人幸せで何ら変わりない生活をしていたのではないか、?僕がわがまま言わないで城下町に行かなければ....考えれば考えるほど涙が止まらない
「おじさん...ごめんなさい..僕もう生きていけそうにないんだ....怖いよ...辛いよ..僕はこれからどうしたらいい...?」

"コンコン"
もうどれくらいたっただろう、、こんな地下では時間の感覚も分からなくなる
僕は泣き疲れて床に倒れこむように寝ていた
扉をノックする音が聞こえた。起き上がる気力はもう残っていない
「夕飯を持ってまいりました..は、入ってもよろしいでしょうか!!!失礼致します!!」
そういうと、お盆を持った若い女性が入ってきた
僕が倒れているのをみるとその人が駆け寄ってきた
「だ、だ、大丈夫ですかっ!!!」
倒れる僕に手を伸ばしてくる
その瞬間、あいつの顔が頭の中をよぎった
 「僕に触るなっ、!!!」
「!?」
その人は僕の顔をみて怯え驚いた表情を見せた
「も、申し訳ありませんっ!!!」
そう言うとお盆をおいて足早に出て行った。
力をふりしぼり体をなんとか起こした、お腹は空いているが食べたいと思えない。
このまま死のうかな、、このフォークで首を....
ちがう...僕は何をやっているんだ..ちがう!!こんなところで死んだらどうなる、、こんなに弱気になってどうする!!僕が死んでもあいつらはのうのうと生きる、この先もずっと。そんなの許さない
僕の中で怒りが渦まく
生きる、生きるんだ。生きてあいつらは僕が絶対に....
涙が止まらない。僕は無我夢中で食べた、生きるために、あいつらを殺すために。

"コンコン"
「し、失礼致します!」
そう言い入ってきたのはさっきの女性だった、歳は同い年..?くらいか
「お食事食べられたのですね!!よかったです!
先程は申し訳ありませんでした...」
「いえ、謝るのは僕です。すみませんでした。」
「いやいや!!謝らないでください!!!」
この人はすごく明るい人だな、、、
「私はこの家に仕えている使用人のサラと申します、!どうぞよろしくお願いします、、!
お食事が済んだらバイロン様が入浴させろとのご命令を承っているのですが....」
「分かりました。」
きっと僕が逆らったらサラさんはあいつからひどい仕打ちを受けるだろう、
「浴室に新しい着替えは用意しているので、一緒に上へあがりましょう」
そう言うと僕はサラさんの後ろについて行った。



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