暗闇の中で

みかん

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次の瞬間、バイロンはポケットから小さいナイフを取り出し僕の右腕を強く掴んだ
「や...やだっ...やめて....っ」
そんな僕の声も届かず必死に抵抗するが力が入らない、ぼやける視界の中でバイロンは笑っていた。
ツーっと前腕を切られる
「うぅっ..いっ..たい...いたいっ!!」
バイロンは傷口に口をあて血を吸い出す
傷口がじんじんとひびいて痛い
「っは...ルカ..お前の血は甘くて美味しいな...体の中から力が湧き出てくるこの感じっ..!!すばらしい
よ!!!素晴らしいよルカっ!!!」
「っ....」
あぁ、、やばい頭がクラクラしてきた...意識が...
「...やっぱり!!もう傷口の端が少しだがくっついてきている、、!まるで化け物だな..すごいよルカ...」
どっちが化け物だよ....
だんだん遠のく意識の中みえたあいつの顔は笑っていた。

あれ...バイロンに抱き抱えられている、、?
途切れ途切れの意識のなかでバイロンとサラさんが何かを話しているのが聞こえた
目を開けようとするが瞼が酷く重い、それに頭も腕もがんがんして痛い...
そして意識を手放した。

ん...明るい、、
随分長く眠った様な感覚がして体が重たい。
昨日のあの光景が頭の中をよぎる、ずっと胸の辺りが痛い、締め付けられるような感覚がずっととれない。
ここは..地下の部屋ではない...
窓からは光が差し込んでいた
昨日風呂で何があった、、?
確か急に頭がクラクラして...そこから先の記憶がない。
暫くの間ぼーっとしていると扉をノックする音が聞こえてきた
「ルカ様お目覚めになりましたでしょうか?入ってもよろしいですか?」
サラさんの声だ、
「はい」
僕がそう言うとサラさんは不安気な表情で入ってきた
「ルカ様、腕の傷は大丈夫ですか、、?」
ものすごく悲しそうな顔をしている
「はい、大丈夫です、、心配をかけてしまって申し訳ないです、この包帯はサラさんが巻いてくれたのですか、?」
「はい、私が一応応急処置は致しました、、。
昨日は疲労と軽い脱水症状で意識を失ってしまったと聞いておりますが...腕の傷は..どうされたのですか、、?」
「あんまり記憶がなくて、、笑
もう大丈夫です、ありがとうございます」
心配をかけないよう頑張って笑顔を作りそう答えた
サラさんは顔を曇らせた
「それと...ルカ様がお目覚めになったらバイロン様が書斎へ行かせるようにと命じておられました...でももしまだお体が..」
「僕は大丈夫です、ありがとうございます」
そう言うと重い体を起こしサラさんにお辞儀をして部屋を出た。
もうあいつの部屋への行き方は覚えている。

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みんなの感想(1件)

ここなっつ
2022.12.24 ここなっつ

続きが楽しみです!!

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