さよなら、メトロポリス

かおり

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朝ごはん

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「……?」
少年は目を覚ました。彼はぼやけた意識の中で当たりを見渡す。
きらきらとした朝日の白い光の帯が窓から差し込み、少年を照らしている。
「やあ、目が覚めたかい?」
少年の前に、猫の姿をした獣人が現れた。
「ひっ……」
少年は怯えた。獣人、タビは、はは、と笑うと少年に近づいた。
「僕はタビ、何も君を取って食おうとなんかしないよ。それとも、獣人を見るのは初めてかい?」
「獣人?」
少年はタビの優しい声に安心し、緊張を緩めた。
「その名の通り、動物の姿をした獣人さ。姿は違うけれど、君たちと同じように笑ったりも悲しんだりもする、人間さ」
「そうなんだ。メトロポリスでは見たことがなかった」
メトロポリス、と聞いてタビは目を見開いた。
「メトロポリスからここまで来たのかい!一体どうして…」
その時、少年のお腹が「ぐー」と鳴った。少年は顔を赤らめる。
「お腹が空いたのかい?よし、今から朝ごはんを作ってあげよう。話はその後聞かせてもらうよ」
タビの言葉に、少年は首を振る。
「いえ、食料は持っていますから…」
「へえ、何を持ってきているんだい?」
「りんごです」
「りんご!それだけじゃ、そんなぼろぼろの体を治せないよ、僕が朝ごはんを作ってあげるよ!」
タビは着ている服の袖を捲って見せる。
「僕は、料理が得意なんだ!とびっきり美味しい料理を作ってあげる!」
「ありがとうございます、僕も手伝います」
少年の申し出を、タビは首を振って断る。
「いいのいいの。そんなぼろぼろなんだから、君は寝てて!」
「でも」
「いいからいいから」
そう言い残し、タビは台所へと向かっていった。
タビは調理器具を取り出し、料理を始める。
まず、野菜とソーセージを切って、ポトフを作り始める。お湯の中に野菜や調味料を放り込み、ゆっくりと混ぜる。
ポトフが出来上がりつつある頃、タビは卵をフライパンで焼き始める。
半熟になりそうな頃を見計らい、火を止める。余熱で後は焼くだけだ。
「できたよー、こっちにおいで」
少年は、台所から漂ってくる良い匂いに腹の虫をさらに鳴かせながら台所に駆け寄っていく。
「わあ」
少年は歓声を上げた。
「さあ、席について」
タビは椅子を引き、指差す。
少年はペコリと礼をし、席につく。
少年とその向かいの席に、タビは料理を置いていく。
先ほど作ったポトフ、卵焼き、そしてあらかじめ作っておいた焼きたてのパン。
「食べようか」
タビも席につき、微笑みを浮かべた。
優しい朝の光に包まれつつ、二人は食事を始める。


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