15 / 31
15 大抵のことは些細なこと
しおりを挟む
人は誰しも魔力を持っている。
だがそれを魔術として活用できるのは、魔術を学び技術を磨いた魔術師と呼ばれる者たちだけである。
だから人は魔道具を使うのだ。
ゲオルクの隷属の首輪も魔道具だ。
これらは魔術を扱う技術を持たない者でも、ただ魔力を流すだけで魔術と同等の効果を得ることができる。
そのぶん値は張るため誰しもが持てるものではないのだが、需要は高い。
だが稀に、魔術とは全く異なる力を発揮する者がいる。
身体に流れる魔力は同じであるはずなのに、それを人または動植物の身体に流し込むと別のものへ変換される。ようだと考えられている……が、とにかく詳細はいまだ解明されていない。
その力は魔術では決してできない現象を起こせるのだ。
解明されていないからこそ、人々はこのように呼ぶ――。
「き、奇跡だ……!」
ラウラがかざした手のひらから溢れた光がおさまると、信じられない光景を前に狩人の青年が呟く。
深手を負っていたカーバンクルの脚は、すっかり傷が癒えていたのだ。
「……ラウラは聖力を持っていたのか」
あのゲオルクでさえ呆然としたように呟く。
彼の言葉どおり、魔術では不可能である治癒を可能とする力は聖力と呼ばれる。
「できれば内密にお願いします」
手を合わせて懇願すれば、なんともいえない顔をするゲオルクとは反対に青年は感極まった様子で「わかりました」と叫び、頭を下げた。
とにもかくにも、森の守り神であるカーバンクルが治癒されたという事実が彼にとっては重要なのだろう。
二匹の番も最初は戸惑ったように呆然としていたが、次第になにがおきたのか理解したらしい。キュウと可愛らしい鳴き声を数度あげて、ラウラにすりすりと身体を擦りつけてくる。
魔獣だなんてどうでもよく思えるほど可愛い。
「その力、なぜ内密になんだ?」
ゲオルクだけは不満そうだ。
「今は亡き母の言いつけなんです。信用できる人にしか言ってはいけないと」
「……そうか」
すでに語った家族との不仲を思い出してくれたのか、渋々と言った様子で口を噤む。
まあ、ゲオルクにはそのうち話すタイミングもあるだろう。
と、ふと彼の腕に目をやると、右肘から手首まで皮膚が焼け爛れたようになっていて驚いた。そんな素振りなど見せなかったが、おそらくワイバーンの火にやられたのだ。
「ゲオルクも痛そうだわ。腕を見せて」
そう言って手を伸ばしたが、彼は首を横に振る。
「これくらい大したことないだろう。わざわざその力を使うまでもないぞ」
「え、でも……」
驚いた。
まさか断られるだなんて微塵も思っていなかったから。
この力を知ったら、頼られるのが当たり前だと思ってたのだ。
「それよりも……」
すっかりこの話は終わったとばかりに、周囲を見回したゲオルクの言葉が途切れたかと思えば、彼は突然「シッ!」と口元に人差し指を立てて森の奥を見る。
倣ってラウラと青年も身をかがめてそちらに視線を向けたら、先には人影があった。
チラリと見えたその服装に、ラウラの身体に緊張が走る。
「――っ!」
思わず息を呑んだら、こわばるラウラの様子にゲオルクが視線を向けたのが気配でわかった。
森の奥には濃い赤と黒色の制服に、刺繍の入った黒い羽織をまとった男性が二人いる。
「あの身なりは騎士だな」
「そうですね。こんなところで何をしているんでしょうか」
ゲオルクと青年の会話がどこか遠くに感じる。
ラウラの全神経はすべて視線の先の騎士に向いていた。
『いたか?』
『いや、手負いで遠くに行っているはずは――』
『早く見付けないと……に、怒鳴られるぞ』
風に流れる会話を聞くに、どうやらなにかを探しているらしい。
そして、騎士服で思い出した人物ではなかったことにひどく安堵していると、二匹の番が心配するようにラウラの身体にもたれかかった。
かと思えば、彼らの額の赤い宝石が淡い光を放ちだす。
ぽわんと温かいものに包まれたような感覚。思わずよろめけば、足元の小枝を踏んでしまいパキンと大きな音が鳴った。
同時に二人の騎士が振り向いた。
「――っ!」
こちらを見据える二対の瞳にドクンと大きく心臓が跳ねたのだが……。
『なんだ? なにかいたか?』
『いや、なにも見えない』
『気のせいか。それより早く行くぞ。どうやらワイバーンがいるらしい』
『さすがにその近くにはいないだろう』
明らかにこちらを見ているはずなのに、彼らは何事もなかったかのように会話を続けながら森のさらに奥へと行ってしまった。
「……え、どういうこと?」
「こいつらのおかげだろう」
呆然とするラウラの横で、ゲオルクが足元の二匹を指す。
「カーバンクル?」
「ああ。こいつらは幻影で身を守るともいわれているが、どうやら本当らしいな。向こうからは見えていなかったようだ」
「すごい、さすが守り神様……!」
もはやカーバンクルがなにをしても崇め祭る青年は置いておいて。ラウラが「ありがとう」と言えば、またキュウと可愛い鳴き声がした。
やはり可愛い。癒し系である。ついつい目尻が下がる。
すると、二匹がもう一度ラウラの足元にすり寄った。
再び光る宝石と、温かい感覚が身体を巡る。
それを見てゲオルクが「おぉ」と感嘆の声をこぼした。
「すごいじゃないか。カーバンクルの加護など滅多にもらえるものではないぞ!」
「加護?」
「いいことがあるといいな」
よくわからないが、二匹がなにかをしてくれたようだ。
「傷を治したお礼といったところか」
「そんな、たいしたことはしていないのに……でもありがとう、嬉しいわ」
お礼を言って頭を撫でたら、二匹の鼻先が嬉しそうにひくひくと動いた。
「この子たちは、森にかえした方がいいわよね?」
「もちろんです。先ほどの騎士の方々は気になりますが……村へ連れ帰るわけにもいきませんし」
畏れ多いですと青年は恐縮している。
確かに森の守り神を連れて戻るわけにはいくまい。
ラウラたちはそのまま「気をつけるのよ」とカーバンクルの番を見送った。
激レアとも言われているほどの魔獣だ。警戒心も高まっているだろうし、幻影も使えるとなればもう彼らが姿を見せることもないだろう。
「ま、これで森に住みついた魔獣も解決か?」
「はい。本当にありがとうございました」
「なら早く戻りましょう」
ペコペコと頭を下げる青年とともに二人は村へ引き返すことにした。
青年を先頭にして後ろにゲオルク、やはりその肩に担がれるラウラと続いていると――不意にゲオルクがラウラの耳元に口を寄せる。
「元婚約者は、もしかして騎士か?」
「ふおおおおっ!?」
突然のことに雄叫びをあげてしまった。
どうしました!? と驚く青年に首を振ってから、戸惑いつつもゲオルクを見やる。
「ど、どうして……?」
「どうしてもなにも、あれだけわかりやすく緊張していればそう思うだろう。さっきのどちらかか?」
「……どちらでもなかったわ」
やはり、この察しのよさは癇にさわる。
「それより、ゲオルクはとても魔獣に詳しいのね」
気になっていたし、話題も変えたかったので思い切って聞いてみることにした。
魔獣に関する知識もだが、野営もかなり手慣れていた。これらは奴隷として得たものではないはずだ。
「まあ昔はそれ専門みたいなものだったしなぁ。俺のいた国は魔獣が多かったんだ」
「冒険者かなにかだったの?」
「いや、ちゃんと組織に属していたぞ。魔獣を退治しまくっていたら強いからとスカウトされてな。一応部下もいた」
「ゲオルクが、指揮を……?」
できるのかしら? という疑問が湧いた。
だが同時に答えが示される。
「とはいえ、やることは変わらなかったからな! 俺はとにかく敵を倒しまくってた」
「それは……」
部下の方、大変だったわね。と心の中で労わらざるをえなかった。
「でも、そのやり方では周囲から色々と言われたでしょう?」
「まあな。確かにああしろこうしろと煩かったが、俺を活かす方法は俺が一番よく知っている。俺を利用しようという思惑が透けてる奴らの話なんて聞くだけ無駄だ」
はっはっはっと笑うゲオルクの言葉は、ラウラにとって大きな衝撃を与えるものだった。
揺るがぬ自信を持ち笑顔を浮かべる姿は、どこまでも眩しく、自由であったのだ。
「そんなことをしていたら国が戦争に負けてな。捕虜になって流れに流れて奴隷としてラウラに買われたわけだ。いやぁ、人生とは面白いものだな」
この彼にとっては、奴隷という縛りすら些細なことなのかもしれない。
「奴隷にまでなってしまって、大変ではなかったの?」
「そんな大したことはなかったぞ。それにどうあろうとも俺は俺だ」
さすがは鋼の精神と肉体だ。どう考えても大したことありまくりだろうに。
常人では潰れても仕方のない境遇のはずが、彼はなんてことないように言い、笑う。
「自分のことしか考えていない奴らのために、どうしておのれを曲げねばならない。そんな義理はないだろう?」
「そんな義理はない……?」
「だって、楽しくないではないか」
当然のように言ってのけるゲオルクの言葉を聞いていると、なんだかラウラも笑えてきた。
「そうね、楽しくないわね」
「だろう?」
どうしたことか、久しく感じたことのない清々しさが胸を撫でた気がした。
だがそれを魔術として活用できるのは、魔術を学び技術を磨いた魔術師と呼ばれる者たちだけである。
だから人は魔道具を使うのだ。
ゲオルクの隷属の首輪も魔道具だ。
これらは魔術を扱う技術を持たない者でも、ただ魔力を流すだけで魔術と同等の効果を得ることができる。
そのぶん値は張るため誰しもが持てるものではないのだが、需要は高い。
だが稀に、魔術とは全く異なる力を発揮する者がいる。
身体に流れる魔力は同じであるはずなのに、それを人または動植物の身体に流し込むと別のものへ変換される。ようだと考えられている……が、とにかく詳細はいまだ解明されていない。
その力は魔術では決してできない現象を起こせるのだ。
解明されていないからこそ、人々はこのように呼ぶ――。
「き、奇跡だ……!」
ラウラがかざした手のひらから溢れた光がおさまると、信じられない光景を前に狩人の青年が呟く。
深手を負っていたカーバンクルの脚は、すっかり傷が癒えていたのだ。
「……ラウラは聖力を持っていたのか」
あのゲオルクでさえ呆然としたように呟く。
彼の言葉どおり、魔術では不可能である治癒を可能とする力は聖力と呼ばれる。
「できれば内密にお願いします」
手を合わせて懇願すれば、なんともいえない顔をするゲオルクとは反対に青年は感極まった様子で「わかりました」と叫び、頭を下げた。
とにもかくにも、森の守り神であるカーバンクルが治癒されたという事実が彼にとっては重要なのだろう。
二匹の番も最初は戸惑ったように呆然としていたが、次第になにがおきたのか理解したらしい。キュウと可愛らしい鳴き声を数度あげて、ラウラにすりすりと身体を擦りつけてくる。
魔獣だなんてどうでもよく思えるほど可愛い。
「その力、なぜ内密になんだ?」
ゲオルクだけは不満そうだ。
「今は亡き母の言いつけなんです。信用できる人にしか言ってはいけないと」
「……そうか」
すでに語った家族との不仲を思い出してくれたのか、渋々と言った様子で口を噤む。
まあ、ゲオルクにはそのうち話すタイミングもあるだろう。
と、ふと彼の腕に目をやると、右肘から手首まで皮膚が焼け爛れたようになっていて驚いた。そんな素振りなど見せなかったが、おそらくワイバーンの火にやられたのだ。
「ゲオルクも痛そうだわ。腕を見せて」
そう言って手を伸ばしたが、彼は首を横に振る。
「これくらい大したことないだろう。わざわざその力を使うまでもないぞ」
「え、でも……」
驚いた。
まさか断られるだなんて微塵も思っていなかったから。
この力を知ったら、頼られるのが当たり前だと思ってたのだ。
「それよりも……」
すっかりこの話は終わったとばかりに、周囲を見回したゲオルクの言葉が途切れたかと思えば、彼は突然「シッ!」と口元に人差し指を立てて森の奥を見る。
倣ってラウラと青年も身をかがめてそちらに視線を向けたら、先には人影があった。
チラリと見えたその服装に、ラウラの身体に緊張が走る。
「――っ!」
思わず息を呑んだら、こわばるラウラの様子にゲオルクが視線を向けたのが気配でわかった。
森の奥には濃い赤と黒色の制服に、刺繍の入った黒い羽織をまとった男性が二人いる。
「あの身なりは騎士だな」
「そうですね。こんなところで何をしているんでしょうか」
ゲオルクと青年の会話がどこか遠くに感じる。
ラウラの全神経はすべて視線の先の騎士に向いていた。
『いたか?』
『いや、手負いで遠くに行っているはずは――』
『早く見付けないと……に、怒鳴られるぞ』
風に流れる会話を聞くに、どうやらなにかを探しているらしい。
そして、騎士服で思い出した人物ではなかったことにひどく安堵していると、二匹の番が心配するようにラウラの身体にもたれかかった。
かと思えば、彼らの額の赤い宝石が淡い光を放ちだす。
ぽわんと温かいものに包まれたような感覚。思わずよろめけば、足元の小枝を踏んでしまいパキンと大きな音が鳴った。
同時に二人の騎士が振り向いた。
「――っ!」
こちらを見据える二対の瞳にドクンと大きく心臓が跳ねたのだが……。
『なんだ? なにかいたか?』
『いや、なにも見えない』
『気のせいか。それより早く行くぞ。どうやらワイバーンがいるらしい』
『さすがにその近くにはいないだろう』
明らかにこちらを見ているはずなのに、彼らは何事もなかったかのように会話を続けながら森のさらに奥へと行ってしまった。
「……え、どういうこと?」
「こいつらのおかげだろう」
呆然とするラウラの横で、ゲオルクが足元の二匹を指す。
「カーバンクル?」
「ああ。こいつらは幻影で身を守るともいわれているが、どうやら本当らしいな。向こうからは見えていなかったようだ」
「すごい、さすが守り神様……!」
もはやカーバンクルがなにをしても崇め祭る青年は置いておいて。ラウラが「ありがとう」と言えば、またキュウと可愛い鳴き声がした。
やはり可愛い。癒し系である。ついつい目尻が下がる。
すると、二匹がもう一度ラウラの足元にすり寄った。
再び光る宝石と、温かい感覚が身体を巡る。
それを見てゲオルクが「おぉ」と感嘆の声をこぼした。
「すごいじゃないか。カーバンクルの加護など滅多にもらえるものではないぞ!」
「加護?」
「いいことがあるといいな」
よくわからないが、二匹がなにかをしてくれたようだ。
「傷を治したお礼といったところか」
「そんな、たいしたことはしていないのに……でもありがとう、嬉しいわ」
お礼を言って頭を撫でたら、二匹の鼻先が嬉しそうにひくひくと動いた。
「この子たちは、森にかえした方がいいわよね?」
「もちろんです。先ほどの騎士の方々は気になりますが……村へ連れ帰るわけにもいきませんし」
畏れ多いですと青年は恐縮している。
確かに森の守り神を連れて戻るわけにはいくまい。
ラウラたちはそのまま「気をつけるのよ」とカーバンクルの番を見送った。
激レアとも言われているほどの魔獣だ。警戒心も高まっているだろうし、幻影も使えるとなればもう彼らが姿を見せることもないだろう。
「ま、これで森に住みついた魔獣も解決か?」
「はい。本当にありがとうございました」
「なら早く戻りましょう」
ペコペコと頭を下げる青年とともに二人は村へ引き返すことにした。
青年を先頭にして後ろにゲオルク、やはりその肩に担がれるラウラと続いていると――不意にゲオルクがラウラの耳元に口を寄せる。
「元婚約者は、もしかして騎士か?」
「ふおおおおっ!?」
突然のことに雄叫びをあげてしまった。
どうしました!? と驚く青年に首を振ってから、戸惑いつつもゲオルクを見やる。
「ど、どうして……?」
「どうしてもなにも、あれだけわかりやすく緊張していればそう思うだろう。さっきのどちらかか?」
「……どちらでもなかったわ」
やはり、この察しのよさは癇にさわる。
「それより、ゲオルクはとても魔獣に詳しいのね」
気になっていたし、話題も変えたかったので思い切って聞いてみることにした。
魔獣に関する知識もだが、野営もかなり手慣れていた。これらは奴隷として得たものではないはずだ。
「まあ昔はそれ専門みたいなものだったしなぁ。俺のいた国は魔獣が多かったんだ」
「冒険者かなにかだったの?」
「いや、ちゃんと組織に属していたぞ。魔獣を退治しまくっていたら強いからとスカウトされてな。一応部下もいた」
「ゲオルクが、指揮を……?」
できるのかしら? という疑問が湧いた。
だが同時に答えが示される。
「とはいえ、やることは変わらなかったからな! 俺はとにかく敵を倒しまくってた」
「それは……」
部下の方、大変だったわね。と心の中で労わらざるをえなかった。
「でも、そのやり方では周囲から色々と言われたでしょう?」
「まあな。確かにああしろこうしろと煩かったが、俺を活かす方法は俺が一番よく知っている。俺を利用しようという思惑が透けてる奴らの話なんて聞くだけ無駄だ」
はっはっはっと笑うゲオルクの言葉は、ラウラにとって大きな衝撃を与えるものだった。
揺るがぬ自信を持ち笑顔を浮かべる姿は、どこまでも眩しく、自由であったのだ。
「そんなことをしていたら国が戦争に負けてな。捕虜になって流れに流れて奴隷としてラウラに買われたわけだ。いやぁ、人生とは面白いものだな」
この彼にとっては、奴隷という縛りすら些細なことなのかもしれない。
「奴隷にまでなってしまって、大変ではなかったの?」
「そんな大したことはなかったぞ。それにどうあろうとも俺は俺だ」
さすがは鋼の精神と肉体だ。どう考えても大したことありまくりだろうに。
常人では潰れても仕方のない境遇のはずが、彼はなんてことないように言い、笑う。
「自分のことしか考えていない奴らのために、どうしておのれを曲げねばならない。そんな義理はないだろう?」
「そんな義理はない……?」
「だって、楽しくないではないか」
当然のように言ってのけるゲオルクの言葉を聞いていると、なんだかラウラも笑えてきた。
「そうね、楽しくないわね」
「だろう?」
どうしたことか、久しく感じたことのない清々しさが胸を撫でた気がした。
62
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
いなくなった伯爵令嬢の代わりとして育てられました。本物が見つかって今度は彼女の婚約者だった辺境伯様に嫁ぎます。
りつ
恋愛
~身代わり令嬢は強面辺境伯に溺愛される~
行方不明になった伯爵家の娘によく似ていると孤児院から引き取られたマリア。孤独を抱えながら必死に伯爵夫妻の望む子どもを演じる。数年後、ようやく伯爵家での暮らしにも慣れてきた矢先、夫妻の本当の娘であるヒルデが見つかる。自分とは違う天真爛漫な性格をしたヒルデはあっという間に伯爵家に馴染み、マリアの婚約者もヒルデに惹かれてしまう……。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
わたしのヤンデレ吸引力が強すぎる件
こいなだ陽日
恋愛
病んだ男を引き寄せる凶相を持って生まれてしまったメーシャ。ある日、暴漢に襲われた彼女はアルと名乗る祭司の青年に助けられる。この事件と彼の言葉をきっかけにメーシャは祭司を目指した。そうして二年後、試験に合格した彼女は実家を離れ研修生活をはじめる。しかし、そこでも彼女はやはり病んだ麗しい青年たちに淫らに愛され、二人の恋人を持つことに……。しかも、そんな中でかつての恩人アルとも予想だにせぬ再会を果たして――!?
婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる