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25 これが、あの
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だが、もう一人空気を読まない人物がいた。元婚約者だ。
王国騎士団の騎士団長令息であり、次期騎士団長とも名高いアイオス・バルト。
金髪碧眼の整った容姿が目を惹く彼はラウラ――もとい、ラウレナ・インクロリア侯爵令嬢の元婚約者である。
その見目の良い容姿は数多くの令嬢を夢中にさせたし、間違いなくラウレナもそのうちの一人であった。
確かに彼の美しさにラウレナも見惚れていたのだ。昔は。
なのに、今はこの美貌を前にしてなにも感じない自分自身に驚いた。
一方でアイオスはラウレナとの再会で明らかに歓喜していた。
だがそのラウレナを担ぐゲオルクの存在を思い出したのか、唐突に腰に下げた剣へ手を伸ばす。
「俺のせいで思い悩ませてしまってすまない……危ないところだったようだが、もう安心してくれ」
そしてなんだかよくわからないことを言っている。
絶望の再会に安心もなにもないのだが、ゲオルクを睨みつける彼にラウレナの疑問は届いていないらしい。
「……彼はなんの話をしているのかしら」
「大方、俺を暴漢だとでも思っているんだろう?」
「え? ……あ、ああ!」
思わずポン! と手を叩いてしまった。
二人にとってはすっかり違和感のない体勢となっていたが、確かに傍から見たら、筋骨隆々の巨漢に担がれている女性は人攫いの被害者といわれてもおかしくないだろう。
慌ててじたばたとゲオルクの肩から飛び降りて、二人の間に割って入る。
「アイオス様やめてください。私がお願いして、ここまで連れきてもらったのです」
「君が?」
綺麗な顏の眉が気を悪くしたようにくいっと寄った。
ラウレナがゲオルクを庇ったことが不快であったらしい。
だが、それも一瞬。すぐに申し訳なさそうに眉根を下げる。
「もしかして国を出るつもりかい? 心配で随分探したんだ。ずっと君に謝りたくて……フィーネに気を取られて、ラウレナに寂しい思いをさせてしまったね」
フィーネというのが例の妹である。
しかし、気を取られてという言い方はいかがなものか。
こちらは妹がしっかりとこの元婚約者に奉仕している姿を見ているのだ。そんな曖昧な表現はこちらこそ不快である。
なのにアイオスはラウレナのなんともいえない顔には気が付いていないらしい。
「あんな地味な姿にまで変装して……。気を引きたいのもわかるが、家出はやりすぎだ。私がどれほど心配し大変だったか、わかるかいラウレナ?」
周りの騎士の目も気にしてか口調は穏やかだが、こちらを見る瞳は明らかに強く非難する色を浮かべている。
これがまだ家を飛び出したばかりの貴族令嬢ラウレナであれば、この時点で「ごめんなさい」と謝っただろう。そして、彼もそれを理解して言っているのだ。
そもそも『気を引きたい』とはなんだ。
久しぶりにアイオスと対面して、ラウレナはあれほど彼に尽くして慕っていた恋心が自分の中から綺麗さっぱり消え失せ、かけらも浮かんでこないことに気が付いた。
消え失せたというよりも、思い返して感傷に浸る暇すらなかった。というのが正しい気もするが。
その原因は間違いなく――。
「ラウラ……いや、ラウレナ? は地味じゃないだろう。なにを言っているんだ?」
空気も読まずに会話をぶった切って割り入ってくるこの奴隷であろう。
「今は髪の色が目立つだけじゃないか。顔は大して変わっていないぞ。ダークブラウンも似合っていたし、ラウレナの顔は美人だから自信を持て!」
「えええぇぇ……?」
励ますように肩をポンと強く叩かれた。
問題なのはそこではなし、突っかかるところはそれなのか。とツッこみどころ満載だ。
だが美人だなんてゲオルクに言われたことは一度としてなかったのだ。なのに、実はそのように思われていたなんて悪い気はしないではないか。
ほんのり赤くなった頬を抑えて素直に「ありがとう」と返したら「なに気にするな」といつものようにはっはっはと笑われた。
こうやって毎度振り回されていれば、他のことを考える余裕がないのも仕方がないだろう。
いつの間にかラウラの頭の中はゲオルクで占められている。
反対に、アイオスは明らかに不機嫌丸出しで顔を歪めていた。
今までのラウレナであればここで謝罪し、それをおおらかに許すアイオスの構図が出来上がるところだっただろうから、気持ちがわからないでもない。
だが、そうはさせない。
「そもそも私、聞いてしまったのです。アイオス様がベッドでフィーネに『愛しているのは君だ』と言ったところを。気を引くもなにも、あなたのことはもうなにも気にしていませんから放っておいてください」
思う存分妹とベッドで戯れていればいい。
元々は政略だった結婚だ。
すでに行き遅れに差し掛かるラウレナなど放っておいて、若くて可愛い妹と恋仲になったのならばそっちと仲良くやればいいのだ。
ラウレナは当たり前の主張をしているはずなのに、アイオスは焦ったように食い下がってくる。
「繊細なフィーネはラウレナと違って俺がいないとダメなんだ! だからそう言っただけで……」
「そうなのですね。でも、そういうお話ももういいのです。言い訳なんてせずとも大丈夫ですよ?」
「な――っ」
「確かにラウレナは繊細とは違うな。どちらかというと鈍感の部類か」
「嘘でしょ、ここで入ってこないでくれる!?」
しかしゲオルクは多少なりとも空気を読んでほしいものだ。
そう思いながら睨み上げたら、ゲオルクの視線がアイオスの顔ではなくもっと下に向いていることに気付く。その先を追ってラウラも目を留めた。
まじまじとした二人の視線にこれまで熱く語っていたアイオスもたじろいでいる。
「なによゲオルク」
「いやぁ、あれが例の妹が咥えたイチモツか。と思って」
「ぶっ!」
あまりに明け透けな感想に噴き出した。
「やだ、ちょ……やめて、そう言われると、ふっ……ふふっ」
そう言われるともうそこにしか目がいかない。
確かに、そういえばこれがラウレナの妹があれほど熱心に……いや、ダメだ思い出すたびに笑いが込み上げてしまう。と顔を反らした。
過去あれほど心を痛めつけられた光景に今は腹筋が痛めつけられる。
感心したように股間を見るゲオルクと、肩を震わせて笑うラウレナの姿に、アイオスは目を丸くしてからなぜか絶望したような顔をした。
目的地の目前で元婚約者などと再会してしまい、絶望しているのはラウレナの方だというのに。
この男が被害者であるかのような顔をすることが、無性に腹立たしい。
「ラウレナ、君は……フィーネと私の仲に嫉妬して、彼女に辛く当たっていたのだろう?」
尋ねる声は、まるでそうであってほしいと願っているようである。
対するラウレナは、なるほどそういう筋書きか、と妙に納得してしまった。
「フィーネにそう言って泣きつかれたのですね。なら、そう思っていたらいいのでは?」
「み、認めるのだなっ?」
アイオスがどこか縋るように声をあげるが、無視してゲオルクに向かって手を伸ばす。
そうすれば、心得たとばかりに担ぎ上げられた。
「いいえ。だって、どちらでもいいもの!」
「は……?」
「よし、行くか!」
満面の笑みで言い放てば、同時にゲオルクが駆け出した。
「アイオス様の好きにしてください! 私はもう行きますので!」
「なかなか面白い婚約者だったな!」
「だから『元』よ! 『元』!」
あれほど慕い、尽くして、悩んだ婚約者だったというのに、ついぞ再会に心動かされることはなかった。
ゲオルクに振り回されるうち、そんな小さな悩みはラウレナの中から吹き飛んでしまったらしい。
どこか清々しい気持ちで、担がれたままラウレナは港街ウルベスクに飛び込んだのだった。
王国騎士団の騎士団長令息であり、次期騎士団長とも名高いアイオス・バルト。
金髪碧眼の整った容姿が目を惹く彼はラウラ――もとい、ラウレナ・インクロリア侯爵令嬢の元婚約者である。
その見目の良い容姿は数多くの令嬢を夢中にさせたし、間違いなくラウレナもそのうちの一人であった。
確かに彼の美しさにラウレナも見惚れていたのだ。昔は。
なのに、今はこの美貌を前にしてなにも感じない自分自身に驚いた。
一方でアイオスはラウレナとの再会で明らかに歓喜していた。
だがそのラウレナを担ぐゲオルクの存在を思い出したのか、唐突に腰に下げた剣へ手を伸ばす。
「俺のせいで思い悩ませてしまってすまない……危ないところだったようだが、もう安心してくれ」
そしてなんだかよくわからないことを言っている。
絶望の再会に安心もなにもないのだが、ゲオルクを睨みつける彼にラウレナの疑問は届いていないらしい。
「……彼はなんの話をしているのかしら」
「大方、俺を暴漢だとでも思っているんだろう?」
「え? ……あ、ああ!」
思わずポン! と手を叩いてしまった。
二人にとってはすっかり違和感のない体勢となっていたが、確かに傍から見たら、筋骨隆々の巨漢に担がれている女性は人攫いの被害者といわれてもおかしくないだろう。
慌ててじたばたとゲオルクの肩から飛び降りて、二人の間に割って入る。
「アイオス様やめてください。私がお願いして、ここまで連れきてもらったのです」
「君が?」
綺麗な顏の眉が気を悪くしたようにくいっと寄った。
ラウレナがゲオルクを庇ったことが不快であったらしい。
だが、それも一瞬。すぐに申し訳なさそうに眉根を下げる。
「もしかして国を出るつもりかい? 心配で随分探したんだ。ずっと君に謝りたくて……フィーネに気を取られて、ラウレナに寂しい思いをさせてしまったね」
フィーネというのが例の妹である。
しかし、気を取られてという言い方はいかがなものか。
こちらは妹がしっかりとこの元婚約者に奉仕している姿を見ているのだ。そんな曖昧な表現はこちらこそ不快である。
なのにアイオスはラウレナのなんともいえない顔には気が付いていないらしい。
「あんな地味な姿にまで変装して……。気を引きたいのもわかるが、家出はやりすぎだ。私がどれほど心配し大変だったか、わかるかいラウレナ?」
周りの騎士の目も気にしてか口調は穏やかだが、こちらを見る瞳は明らかに強く非難する色を浮かべている。
これがまだ家を飛び出したばかりの貴族令嬢ラウレナであれば、この時点で「ごめんなさい」と謝っただろう。そして、彼もそれを理解して言っているのだ。
そもそも『気を引きたい』とはなんだ。
久しぶりにアイオスと対面して、ラウレナはあれほど彼に尽くして慕っていた恋心が自分の中から綺麗さっぱり消え失せ、かけらも浮かんでこないことに気が付いた。
消え失せたというよりも、思い返して感傷に浸る暇すらなかった。というのが正しい気もするが。
その原因は間違いなく――。
「ラウラ……いや、ラウレナ? は地味じゃないだろう。なにを言っているんだ?」
空気も読まずに会話をぶった切って割り入ってくるこの奴隷であろう。
「今は髪の色が目立つだけじゃないか。顔は大して変わっていないぞ。ダークブラウンも似合っていたし、ラウレナの顔は美人だから自信を持て!」
「えええぇぇ……?」
励ますように肩をポンと強く叩かれた。
問題なのはそこではなし、突っかかるところはそれなのか。とツッこみどころ満載だ。
だが美人だなんてゲオルクに言われたことは一度としてなかったのだ。なのに、実はそのように思われていたなんて悪い気はしないではないか。
ほんのり赤くなった頬を抑えて素直に「ありがとう」と返したら「なに気にするな」といつものようにはっはっはと笑われた。
こうやって毎度振り回されていれば、他のことを考える余裕がないのも仕方がないだろう。
いつの間にかラウラの頭の中はゲオルクで占められている。
反対に、アイオスは明らかに不機嫌丸出しで顔を歪めていた。
今までのラウレナであればここで謝罪し、それをおおらかに許すアイオスの構図が出来上がるところだっただろうから、気持ちがわからないでもない。
だが、そうはさせない。
「そもそも私、聞いてしまったのです。アイオス様がベッドでフィーネに『愛しているのは君だ』と言ったところを。気を引くもなにも、あなたのことはもうなにも気にしていませんから放っておいてください」
思う存分妹とベッドで戯れていればいい。
元々は政略だった結婚だ。
すでに行き遅れに差し掛かるラウレナなど放っておいて、若くて可愛い妹と恋仲になったのならばそっちと仲良くやればいいのだ。
ラウレナは当たり前の主張をしているはずなのに、アイオスは焦ったように食い下がってくる。
「繊細なフィーネはラウレナと違って俺がいないとダメなんだ! だからそう言っただけで……」
「そうなのですね。でも、そういうお話ももういいのです。言い訳なんてせずとも大丈夫ですよ?」
「な――っ」
「確かにラウレナは繊細とは違うな。どちらかというと鈍感の部類か」
「嘘でしょ、ここで入ってこないでくれる!?」
しかしゲオルクは多少なりとも空気を読んでほしいものだ。
そう思いながら睨み上げたら、ゲオルクの視線がアイオスの顔ではなくもっと下に向いていることに気付く。その先を追ってラウラも目を留めた。
まじまじとした二人の視線にこれまで熱く語っていたアイオスもたじろいでいる。
「なによゲオルク」
「いやぁ、あれが例の妹が咥えたイチモツか。と思って」
「ぶっ!」
あまりに明け透けな感想に噴き出した。
「やだ、ちょ……やめて、そう言われると、ふっ……ふふっ」
そう言われるともうそこにしか目がいかない。
確かに、そういえばこれがラウレナの妹があれほど熱心に……いや、ダメだ思い出すたびに笑いが込み上げてしまう。と顔を反らした。
過去あれほど心を痛めつけられた光景に今は腹筋が痛めつけられる。
感心したように股間を見るゲオルクと、肩を震わせて笑うラウレナの姿に、アイオスは目を丸くしてからなぜか絶望したような顔をした。
目的地の目前で元婚約者などと再会してしまい、絶望しているのはラウレナの方だというのに。
この男が被害者であるかのような顔をすることが、無性に腹立たしい。
「ラウレナ、君は……フィーネと私の仲に嫉妬して、彼女に辛く当たっていたのだろう?」
尋ねる声は、まるでそうであってほしいと願っているようである。
対するラウレナは、なるほどそういう筋書きか、と妙に納得してしまった。
「フィーネにそう言って泣きつかれたのですね。なら、そう思っていたらいいのでは?」
「み、認めるのだなっ?」
アイオスがどこか縋るように声をあげるが、無視してゲオルクに向かって手を伸ばす。
そうすれば、心得たとばかりに担ぎ上げられた。
「いいえ。だって、どちらでもいいもの!」
「は……?」
「よし、行くか!」
満面の笑みで言い放てば、同時にゲオルクが駆け出した。
「アイオス様の好きにしてください! 私はもう行きますので!」
「なかなか面白い婚約者だったな!」
「だから『元』よ! 『元』!」
あれほど慕い、尽くして、悩んだ婚約者だったというのに、ついぞ再会に心動かされることはなかった。
ゲオルクに振り回されるうち、そんな小さな悩みはラウレナの中から吹き飛んでしまったらしい。
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