【R18】酔った勢いでしでかした拗らせ騎士の二人

天野 チサ

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そしてこうなる

今になって迎えた盛りのついた思春期

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 メリッサが早めに訓練を終えて騎士団宿舎に戻ると、久しぶりの人物と鉢合わせた。

「オリバーじゃないか! 遠征は終わったのか?」
「……ああ、今朝戻ってきた」

 第一部隊の一部が遠征に向かうと聞いてから約二週間ぶりのオリバーだ。
 右手を上げてハイタッチを交わそうとしたところで──やけに泥だらけの団服が目に入る。
 見上げればツンツンとした黒髪はいつも以上に艶が無く、鋭すぎて目つきが悪いながらも男らしい顔は、少しばかりゲッソリとしていた。

「無事で何より……でいいんだよな? やつれてるけど」
「そりゃ昨日から寝てないからな」
「寝て……? そういえばオリバーだけか?」

 周囲を見渡しても、共に遠征へ出ていただろう他の第一部隊の面々はまだ戻っていないようだ。首を傾げるメリッサにオリバーが頷く。

「上への報告にな。俺だけ先駆けて戻った。ついさっきまで報告やらなんやらしてたが、ようやく終わったところだ」
「そんなに至急の報告が?」

 汚れた団服の着替えすら惜しむような深刻な様子に、何か問題でも起きたのだろうかと不安がよぎる。だがオリバーは、そんな心配は無用とばかりに首を振った。

「報告を急ぎたかったのは確かだが、他が色々限界だったんだ」

 色々。
 報告をついでにするほど切羽詰まった、色々。

「なるほど……」

 やつれた深刻な顔で、ここまで言われればメリッサも察した。
 なぜならメリッサも同じだからだ。

「その気持ちよくわかるぞ」

 ポンとオリバーの肩を叩き、安心しろとばかりに男らしくグッと親指を立てて頷く。それだけで二人の間で意思疎通は適った。

「私の部屋に来ればいい。今日はもう終わりだからな」
「よし。なら今すぐ行こう」

 聞くなり、同じく頷いて颯爽と歩きだしたオリバーの後に続き、メリッサは自室に向かった。前を行くオリバーはなかなか凄みのある顔をしているものだから、騎士たちがすれ違うたびにギョッと目を剥く。そして後ろのメリッサに労わるような視線を向けてくる──が、続いたメリッサも大して変わらぬ顔をしていただろう。再度目を剥かれた。

 だがそれも仕方がない。二人は今、限界なのだから。

 案の定、メリッサが部屋の鍵を開けて中に入ると、続いて入ってきたオリバーは後ろ手で鍵を閉めるなり、背後から両手でメリッサの胸をわし掴んだ。それはもう、待ってましたとばかりに。
 ──が、

「ああー……、そうか、これがあったか……っ!」

 悔し気な声と共に、胸元を指が虚しく滑る。
 欲望のまま襲い掛かってから、メリッサの胸にはサラシが巻かれていたのを思い出したらしい。きつく潰した胸は残念ながら現状ツルペタだ。それでも懲りないオリバーは潰した胸を揉みしだこうとするが、さすがに痛いのでやめていただきたい。
 確かに二週間ぶりではあるが、切羽詰まりすぎではないだろうか。メリッサは最近しみじみと思うのだが、この男は澄ました顔をして性欲が異常だ。ついでに言うなら性癖も狂ってる。

「オリバーはついに拗れた性癖に加えてド変態も定着したなぁ」
「サラシなんて巻かなくてもいいんじゃないか? この胸に対して暴挙がすぎる。もったいない」

 メリッサの冷やかしにも反応しないところを見るに、おそらく多少は自覚しているのかもしれない。女性に向かってもったいないとか言っている時点で、アウトだ。何がとは言わずもがな。

「だから邪魔なんだって。そもそも、もったいないなんて言うのオリバーだけだからな?」
「何を言う。これは一目見たら誰しもが絶賛する逸品だぞ。……いや、だが誰しもに見せるのもダメだ。もどかしい……!」
「……いつにも増して頭おかしくないか?」
「……言っただろう。寝てないんだ」

 よく見ればオリバーの鋭い瞳はバッキバキに血走っていた。
 馬鹿としか言いようのない会話を交わしながらもオリバーの手を引いてベッドに移動し、サラシを外して半身をさらけ出せば、お約束とばかりに視線はメリッサの胸に釘付けとなる。

「ああ、クソ……惜しいがやっぱりサラシは必要か……」
「胸に対するその並々ならぬ情熱が怖い」
「だから言っただろう。寝てないんだ。そして限界なんだ」

 どうやら眠気と性欲が極限にまできているオリバーは、思ったことをただそのまま口にするだけの人形となり果てているらしい。

「頼む。早く触らせてくれないか?」
「毎回律義に聞くけど、どうせ揉むんだろ」
「揉む」

 もはや欲望の固まりだった。
 聞くに、オリバーにとってメリッサの胸は理想を具現化した代物らしい。この男は初めて寝た日から、飽きもせずひたすら胸を弄ってくる。これをド変態と呼ばずなんと呼ぶのか。ついでに付け加えるならば、その下半身がすでに勃ち上がっていることにも気付いている。

 ゴクリと喉を鳴らしてメリッサの胸に触れたオリバーは、何やら感嘆のため息をもらしていた。変態だ。
 とはいえ、胸を揉まれながらオリバーの服を脱がしにかかるメリッサこそ、内心では舌なめずりをしているのだからお互い様かもしれない。正直、興奮が止まらない。

 ほんの二週間ばかり離れていただけで二人の性欲が限界を迎えたとは、これは由々しき事態とも言えるだろう。

 メリッサとオリバーは恋仲ではない。だがやることはやっている。やりまくっている。
 酒に酔った勢いで初めて寝た際、お互い酔いが醒めてから激しく後悔したものの、いかんせん相性が良すぎた。思わず、交わった瞬間に顔を見合わせてしまうほどに。
 百歩譲って相性の良さを除いたとしても、第一部隊のクリス隊長から散々猥談講義を受けたらしいオリバーとの行為は、過去に経験してきたものとは天と地ほどの差があった。今ではメリッサも、色狂いの類かと思っていたクリス隊長の認識を改め、そちらの方面では尊敬している。

 酔った勢いで致してしまって以降、もとより気の置けない仲であったメリッサとオリバーは、身体の面でも遠慮など不要の仲となったのだ。
 ここぞとばかりに、それこそ思う存分己の欲求を全力でぶつけ合うことができるほどに。


「あっ、あっ、ああ──っ!」

 熱く、硬いものが、圧倒的な質量を伴ってすっかり蕩けきった内壁を擦り上げた。ぞくぞくと背筋を痺れさせるような刺激は、全て快楽に変換されて抑えきれない嬌声が口から溢れる。
 四つん這いで腰を突き上げたメリッサは、覆いかぶさるオリバーに限界まで昂った欲望を根元まで一気にねじ込まれた。そうすれば、隙間なくぴったりとメリッサの中を満たす肉棒は、一番快楽を生み出す最奥を的確に突くのだ。
 相変わらずオリバーのものは文句のつけようがないほど素晴らしい。メリッサが求める刺激を全て与えてくれる。欲しかったものを与えられた満足感に、高揚した気分のままうっとりとしたような吐息がこぼれた。

「はあっ、あぁ、気持ち良い……っ」

 強請るようにゆるゆると腰を揺らしたら、息を呑むような音と吐息が首筋にかかった。訓練の際はいつも金髪をアップにまとめているため、ほどく間もなくことに及んだ今もそれは変わらない。おかげで露わになったうなじから、オリバーの息遣いがダイレクトに伝わった。ゾワゾワっと痺れるような刺激が皮膚から下半身へ走り、すでに濡れている秘裂から更に溢れた蜜が、内腿を流れていくのがわかる。

「あ──っ、それ、やめ……んあぁっ!」

 たまらず高い声で小さく喘ぎ、喉元を反らした。同時に中を強く締めつけてしまい、オリバー自身がまた一段と大きくなる。

「んんっ、あっオリバー、早く──」
「わかってる」
「お願い、もう待てない……っ」

 焦らされるようなこの時間は、まさに生殺しだ。耐えられずにもっと強く激しい刺激を求めれば、後ろから伸びた手に両胸をむにっと強く掴まれた。同時に苛立つような声が降ってくる。

「お前は、本っ当に……っ!」
「え、なん──っ、ひっ、ああっ!」

 ──ここで苛立たれる理由がわからない!

 だがそんな不満もあっという間に痺れるような快感に塗り潰された。
 ぐにっと乳首を指先で捏ね回されながら胸を激しく揉みしだかれるたびに、下半身が疼き、中に埋め込まれた肉棒を更に呑み込まんばかりに伸縮するのが自分でもわかる。
 胸への刺激など最初は戸惑いが大半を占めていたはずなのに、毎回飽きもせずに弄られているうちに、すっかり快感を拾うようになってしまった。
 本当に飽きもせず弄り回されたのだ。狂った性癖は恐ろしい。

「ひいっ、やあ、あっ、あっ!」

 先端を強く摘ままれながら擦られて、より一層淫らな声が、すでに開きっぱなしの口から際限なくこぼれる。それを見計らってか、ようやくオリバーが動いた。肌のぶつかる音がするほどの激しさで後ろから突いてくる。

「あああ──っ! まっ、待って、はげし、はげしいよ、オリバっ、あ、あっ、オリバー!」

 恥ずかしくなるほどの水音を立てながら、中を掻き回され、腰を打ち付けられて、それでいて胸の尖りへの刺激も続いている。あまりの快楽にメリッサの思考は焼き切れてしまいそうだった。

 どうやらオリバーは、四つん這いの体位で後ろから胸を揉むのが大層好きらしい。ガツガツと揺さぶりながら、激しく揺れる胸を手に感じられるのがたまらないとかどうとか。つまりは変態に変わりはない。だが、そうやって突かれるたびに感じてよがり狂うメリッサも変態に違いはない。突き上げられるたびに、グチュグチュとした水音は更に増していくし溢れた蜜がシーツをぐっしょり濡らしていく。

 つまりは、やはり相性が抜群なのだ。どう突っ込まれても弄られても、ことごとくメリッサの性感帯を最高に刺激してくれる。
 おかげで思春期の若者かと、自分でも呆れるほどメリッサはオリバーとの情事にやみつきだったし、それでなんの不満も問題もないので、現状に大変満足していた。
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